電磁石の性質とは?電磁石の強さとは? わかりやすく解説!

電気

電磁石と永久磁石

電磁石をふつうの磁石とくらべると、つぎのような違いがあります。

① 電磁石は、コイルに電流を流したり切ったりしてかんたんに磁力を起こしたりなくしたりすることができます。

永久磁石はそんなわけにはいきません。一度吸いついた鉄の板を引き離すには、別の力が入ります。

② 電磁石の磁力は、コイルのまき数と電流の強さをかえることによって自由にかえられます。

永久磁石は、自由に強さをかえることはできません。

③ 電磁石にも、もちろん、N極・S極があります。

ところが、電池のつなぎ方を反対にして電流の方向をかえたりまた、コイルのまき方を反対にすると、N極とS極をかえることができます。

永久磁石はそういうわけにはいきません。


実験

2本の大きな釘を用意して、細いエナメル線を50回ぐらいずつまきます。
1つは右まき、もう1つは左まきにします。

これに2つとも釘の頭のほうが+になるように電流を通してみます。
ほかに永久磁石を用意して2つの電磁石のN極とS極が反対になっていることを確かめましょう。

つぎに、いっぽうの電磁石の電流の方向だけを逆にすると2つの電磁石の極は同じになるでしょう。

電磁石の強さ

電磁石の強さは、コイルのまき数と、コイルに流れる電流の強さの積に比例します。

2つの釘に50回ずつエナメル線をまき、いっぽうに電池を1個、もういっぽうに3個直列につないでみます。

このとき、電池3個のほうが強い電磁石になります。
これは、電池を3個直列につないだほうが電流が強いからです。

電磁石のコイルの中の鉄(これを鉄心と言う)は、鋼より軟鉄を使います。
もし鋼を使うと、電流を切っても、鉄心が磁石の性質を持ち続けます。

実験

2本の同じ大きさの釘で、電磁石を2つつくります。
いっぽうにはエナメル線を200回くらい、もういっぽうには50回くらいまきます。

これに電池をつないで電磁石をつくった場合、まき数の多い電磁石のほうがまき数の少ない電磁石より磁力が強いかどうかを調べてみましょう。

エナメル線の太さが同じ場合には、2つの電磁石の強さは、あまりかわらないはずです。
というのは、エナメル線の太さが同じなら、200回まいた場合のエナメル線の長さは50回まいた場合の4倍になります。

したがって電気抵抗が4倍になり、電池をつないだとき、電流が4分の1になります。

まえに説明したように、電磁石の起磁力は電流の強さとコイルのまき数に比例しますから、まき数を4倍にしても電流が4分の1なら、電磁石の強さを増す効果はありません。




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