小腸・大腸のはたらきとは? わかりやすく解説!

消化器のしくみ

小腸のはたらき

小腸は、消化吸収には、たいへん大切なところです。
長さは6メートルくらいで、身長の4倍くらいある長い管です。
管の直径は、3~6センチあります。

小腸は、十二指腸・空腸・回腸とよばれる3つの部分に分けられます。

十二指腸という名は、その長さが指を12本並べたくらいであることから、つけられたのです。

小腸には、胆液のほかに、すい液・腸液が流れでて食べ物の消化をします。
また小腸は、うごめき運動・分節運動をおこない、食べ物の消化を助けたり食べ物を大腸におくったりします。

こうして消化された食べ物は、ほとんど小腸の壁から吸収されますが消化されなかったものは、大腸へおくられます。


腸液

腸液は、腸腺から分泌されます。
この腸液によって、炭水化物・脂肪・たんぱく質は腸の壁から吸収できるまでに、消化されます。

腸液にふくまれている酵素は、いろいろあります。
アミラーゼやリパーゼもふくまれていますが大切なのは、エレプシンやマルターゼ・ラクターゼ・インベルクーゼなどです。

エレプシンは、胃液やすい液で、途中まで消化されたたんぱく質にはたらきアミノ酸にまで消化します。

マルターゼは、小腸でいちばん強い酵素で麦芽糖を消化して、ぶどう糖にかえます。

ラクターゼは、乳をのむ赤ちゃんに大切な酵素です。乳糖を消化して、ぶどう糖をつくります。

小腸の動き

小腸は、うごめき運動と分節運動をおこない、消化をすすめます。

食べ物は、小腸のうごめき運動で少し先へすすむとしばらく止まり、分節運動が起こります。

分節運動とは、つぎのような運動です。
小腸が5センチほどの間をおいてくびれ、たくさんの節にわかれます。

このくびれは、小腸を輪のように取り巻く筋肉が縮むためにできるのです。

5、6秒経つと、縮んでいた筋肉が緩み、緩んでいた間の部分の筋肉が縮みます。こうして、新しい節ができます。

このような運動が、1分間に10回ぐらいの速さで30分あまりも繰り返されます。
この間に食べ物は消化液とよく混ざり消化がよくなるばかりでなく、吸収もよくなります。

こうして、つぎのうごめき運動が起こり、食べ物は少し先へすすみます。

小腸で行われる吸収

口から胃へ胃から小腸へと運ばれる間にだんだん消化された食べ物は、小腸の壁から吸収されます。

小腸の内側には、1ミリぐらい飛出したじゅう毛が、数えきれないほどあります。

その様子は、ちょうどビロードのように見えます。
これを平らに伸ばすと、その面積は、10平方メートルにもなります。

消化によってできたアミノ酸・ぶどう糖・脂肪酸・グリセリン・灰分・水分などの栄養素は、じゅう毛の表面から吸収されます。

じゅう毛の表面積が非常に大きいことが、栄養素の吸収を促すことに役立っているのです。



大腸のはたらき

大腸は、小腸より太く、長さは1.5メートルあまりあります。
大腸は、盲腸・結腸・直腸の3つの部分に分けられ、肛門で外に開いています。

盲腸

回腸を通った食べ物は、少しずつ、盲腸に運ばれてきます。
人間の盲腸はたいへん短く、食べ物は、そのまま結腸におくられます。

盲腸には、虫垂というミミズのようなものがぶら下がっています。
長さは6~8センチ、直径は6ミリほどです。

結腸と直腸

盲腸に続いて、結腸があります。盲腸を除けば、結腸と直腸が大腸の大部分です。

大腸の壁には、余計に吸収したカルシウム・マグネシウム・鉄などを排出するはたらきがあります。

それらの排出される量は、尿よりも多いのです。
結腸は、うごめき運動をおこない、食べ物の残りかすを直腸へおくりこみます。
直腸の周りには、血管がたくさん集まっていて、水分がさかんに吸収されます。

こうして吸収された残りかすが、ちょうどよい硬さになります。これが大便です。

また、おならが出ることがあります。
これは、腸の中に住んでいる細菌(主に、大腸菌)が食べ物を腐らせたり、発酵させたりするときに出るガスです。

おならは、このガスがひとまとめに出たものですがいつも私たちが気づかないうちに、少しずつ肛門から出ているのです。

大便

大便は、食べ物のうち、消化吸収されなかったかす腸の中で繁殖した細菌(大部分は死んでいます)、余ったカルシウムや鉄が排出されたものなどの集まったものです。

大便の量は、取り入れた食べ物の量によって違います。
また、直腸での水分の吸収されかたによっても違います。

しかし、だいたい、大人で1日100~300グラム排出されます。

大便は、こげ茶色か緑色に近い色をしています。
これは主に、胆汁色素によるものです。




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