血液型とは? 輸血とは? リンパとは? わかりやすく解説!

循環器のしくみ

血液型

血液に人によって違った型があります。これを血液型といいます。

血液型の分けかたで、大切なのは、ABO式とRh(アールエイチ)式の2つです。
ABO式では、A型・B型・O型・AB型の4つの型があります。

Rh式では、Rh陽性型とRh陰性型があります。


血液型の調べかた

ある型の血清とほかのある型の血球を混ぜると赤血球が集まって、目に見える粒々にかたまります。

これ凝集反応といいます。

この性質を利用して血液型を調べることができます。
A型およびB型とはっきりわかっている2種類の血清を使いそれぞれに調べようとする人の血液を少しずつ混ぜます。

そして、A型血清でかたまれば、その人の血液型はB型、B型血清でかたまれば、その人の血液型はA型です。

また、どちらの血清でもかたまらなければその人の血液はO型、両方ともかたまれば、その人の血液はAB型です。

輸血

怪我や病気のために、血液が足りなくなった人に丈夫な人の血液をとって輸血することがあります。

輸血をするときには血液をもらう人の体の中で凝集反応がおこらないように、あらかじめ血液型を調べなければなりません。

また、輸血する血液の中に、ほかの病気のもとがあっては困りますからよく調べることが大切です。

O型の血液は、どの型の人にも輸血できますがA型は、A型とAB型の人にしかできません。
B型は、B型とAB型の人にできます。

AB型は、AB型の人にしか輸血できませんが、どの型の人からでも受血することができます。
またO型の人は、O型の人からだけ受血できます。

もし間違って輸血すると、凝集反応のため血液がめぐらなくなり死んでしまうことがあります。

輸血をするには、ある人からとった血液をすぐほかの人に輸血するのがふつうです。

しかし、それでは、急ぐときに間に合いません。
それで、いつでも、どこでも使えるように乾燥血しょうというものがあります。

これは、血液から赤血球・白血球・血小板をのぞいて瓶につめ、乾かしたたものです。
また、いつでもまに合うように人からとった血液をたくわえている血液銀行があります。

Rh式

Rh式では、Rh陽性型とRh陰性型とに分けられますがRh陽性の赤血球をかたまらせる抗体は人間でははじめから持っているわけではありません。

これは、ABO血液型と違うところです。
Rh陽性の赤血球をかたまらせる抗体は、Rh陰性の人にRh陽性の血液を注射したときにだけできます。

このことは、ABO式の場合と同じように輸血のときに気をつけなければならないことです。

Rh陽性の血液をRh陽性の人に輸血するのはよいのですがRh陰性の人に、Rh陽性の血液を輸血すると体の中で赤血液がかたまったり、溶けたりして病気をおこすことがあります。

しかし、日本人は、Rh陽性の人が大部分で陰性の人は1000人のうち10人ぐらいしかいません。
外国人は、Rh陰性の人が1000人のうち100人もいます。

Rh式について注意しなければならないのは輸血のときよりも、新しくうまれてくる赤ちゃんの重い病気の原因になることがあるからです。

Rh陽性のお父さんと、Rh陰性のお母さんとの間にうまれるRh陽性の赤ちゃんはお腹の中にいるときに、赤ちゃんのRh陽性の赤血球がお母さんの体に入ってRh抗体をつくりそれが赤ちゃんの体にもどってきて赤ちゃんの赤血球をかたまらせたり、溶かしたりします。

こんな赤ちゃんは、うまれたとき重い黄疸や貧血の病気をもっておりそのために死んでしまうこともあり、助かっても脳性小児麻痺になることがあります。

これを助けるには、交換輸血といって、赤ちゃんの体の血液を安全な大人の血液と全部取り換えてしまいます。



リンパ

リンパは、血液の成分の一部が毛細血管から染み出したものでリンパしょうとリンパ球(小さい白血球)からできています。

血液は血管を通って、体中を周りますが、そのままでは血管の外へは出られません。
このため、体をつくっている1つ1つの細胞まで、入ってはいけないのです。

それで、血液の一部分がリンパとなって血管からでて細胞までいきます。
そして自分のもっている栄養分を細胞にわたし、いらなくなったものを受け取ります。

リンパは、いくらか毛細血管にもどるものがありますが大部分がリンパ管に入ります。
リンパ管は、血管とは別の細い管で、体中に広がりだんだん集まって静脈につながっています。

またリンパは腸から吸収された脂肪を運ぶ役目もしています。

リンパ節

リンパ管のところどころにはリンパ節という豆のような形の小さなかたまりがあります。
このリンパ節は、外から体の中にはいる微生物とくに病原体を食い止めるはたらきをしているのです。
手や足のつけ根によくできるぐりぐりはリンパ節が、たくさんの化膿菌を食い止めて、はれたものです。

また、風邪をひくと、すぐ、のどがはれます。
これは、リンパ節に似た扁桃が、病原体をふせぐはたらきをしているのです。
リンパ節はまた、白血球(リンパ球)をつくるはたらきもしています。




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