ダムの種類と特徴とは?重カダム・アーチダム・バットレスダムとは?

力の利用

ダム

川の水をせき止めて水を溜めたり、流れてくる土砂を沈めるための大仕掛けなせきをダムと言います。

発電用ダムはダムによってできた貯水池の水を水力発電に使うためにつくられたものです。

大雨によって、いちどにたくさんの水が谷川に流れこんだときこの水をいちじ貯水池にたくわえて、下流の洪水をふせぐためのダムが洪水調節用ダムです。

このようなダムは、ダムの一部に穴があけてあり水が自然に少しずつ流れでるようにしてあります。

上流の谷川は流れが急なので、川底や岸を削って、山崩れを起こすことがあります。
また、石や土砂を押し流して下流を浅くします。

そこで、ダムをつくって、流れをゆるやかにし石や土砂をダムの上流側に沈ませると、これらの害をふせぐことができます。

このためにつくられたダムを砂防ダムと言います。

ダムには、このほか、上水道用・灌漑用など、いろいろの目的のものがありますが、いくつかの目的を合わせもつ大規模のダムを多目的ダムと言います。

ダムが洪水のときに壊れたりすると下流一帯は大水となり、たいへんな被害を受けます。
このため、ダムをつくるときには、上流側からの水圧に耐えるように丈夫につくらなければなりません。

ダムは、そのつくり方によって、つぎのようにわけることができます。


重カダム

ダムの上流側には、ダムを押し倒そうとする水圧がはたらきダムの底面と岩盤とのあいだに水が染み込むと、さらに上向きの力もはたらきます。

この力は、上流側ほど強いので、ダムを下流側に傾けようとします。

上流側に積もった土砂も、ダムを押します。
ことに、地震のときには、水といっしょに、大きな力でダムにあたります。

これらの力で、ダムが倒れたり、滑ったりしないためにはダム自体が重いことダムの底面が広いこと、ダムの底面と岩盤とのあいだの摩擦力が大きいことなどが大切になります。

コンクリートで、このような条件を備えるようにつくったダムを重カダムと言います。

アーチダム

上流側にまるみをつけたコンクリートのダムを、アーチダムと言います。
このダムはダムのまるみによって水圧を支え、この力を両岸に伝えます。
これが、重カダムと違うところです。

アーチダムは、水圧を両岸と基礎で支えるので重カダムのように、厚くつくらなくてもすみます。

このため、コンクリ-卜の量も少なくてすみます。
しかし、基礎の岩盤や両岸が、硬い岩でできているところでないと、つくれません。



バットレスダム

ダムの上流面を傾けた、うすいコンクリートの壁でつくりこの壁を、それに垂直ないくつかの壁(バットレス)で支えたダ厶です。

このダ厶は、水圧をななめ下に向けさせてあるためにダム自体の重さは小さくても、押し流されにくくなっています。

コンクリートは少なくてすみますが、構造が複雑で地震に弱いため小規模のものしかつくれません。

アースダム

土砂の地盤の上に、土をもり上げてつくり、上流側の裏面にコンクリートや石をはったダ厶です。

これも土の重さで、水圧に耐えています。

アースダムは壊れやすいので、あまり高いものはつくれません。

ロックフィルダム

大きな石を積み上げてつくったダムで、上流側の面は水もれをふせぐためにコンクリートがはってあります。

これは、適当な岩盤がないときやセメントなどの材料を運ぶのが不便な場合に、よくつくられます。

しかし、水がダムを乗り越えると、壊れやすいという欠点があります。




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