ベルトのはたらきとは?ベルトの形の特徴とは?

力の利用

ベルトのはたらき

何メートルもはなれているところに回転運動を伝えるには、どうしたらよいでしょうか。

大きな摩擦車を使ってもよいしいくつもの摩擦車を組み合わせてもよいわけですが実際には、なかなかたいへんです。

しかし、下の図のように、動力の回転軸についている車Aと回転を伝える軸についている車Bとのあいだに輪にしたベルトをかければ、かんたんです。

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このAとBの車のことを、ベルト車(プーリ)と呼んでいます。

ベルトがたるんでいるとAのベルト車がまわっていても空回りをして、ベルトは動きません。

ベルトが、適当に引っ張られているとベルトがベルト車を押しつけて摩擦力がはたらくようになります。
そのため、ベルト車Aが回転すれば、ベルトも同じ方向にまわります。

Bのベルト車もまた、ベルトとの摩擦でベルトの動く方向にまわりだし、回転運動が伝えられます。


ベルトのかけ方と回転方向

ベルト車にベルトをかけるには、上の図のようなけさがけとたすきがけの、2つの方法があります。

けさがけでは2つのベルト車が同じ向きにまわりたすきがけでは反対向きにまわります。
ですから、場合によって、都合のよいかけ方をすればよいのです。

ベルト車の回転の速さ

たすきがけの場合のベルトを、だんだん短くしていくとしまいに、下の図のような、一組みの摩擦車と同じ形になります。

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ベルトを長くして、ベルト車をはなしても、回転のしかたは全く同じです。

このことから、ベルト車の回転の速さはベルトとベルト車のあいだに滑りがなければ摩擦車の場合と全く同じであることがわかります。

一組みのベルト車で、一方のベルト車の半径(または直径)が2倍・3倍・4倍……となれば、回転数は、2分の1、3分の1、4分の1……と減っていきます。

また反対に、半径(または直径)が、2分の1、3分の1、4分の1……と小さくなれば、回転数は2倍・3倍・4倍……と大きくなります。

回転力も、摩擦車の場合と全く同じで、半径の大きなものほど力は大きくなり、半径の小さいものほど力は小さくなります。



ベルトの形

ベルト車をまわすベルトには、その目的によって材質や太さ、切り口の形など、いろいろの種類のものがあります。

これらはいずれも、ベルトにかかる力に応じて力を出しベルト車が空回りしないように選んで使われます。

工場などで、ふつうに使われているものは切り口が平たい帯のようなものです。

ミシンや小形の機械には、切り口がまるいものや四角いもので、ひものようなものが使われます。
これに使うベルト車には、ベルトの断面と同じような溝がついています。

モーターの軸から、直接にポンプなどをまわすとき1分間の回転数が、1000回転以上になることがあります。

このように速い回転のときには、滑りやすくなるので、Vベルトと言って、切り口がV字形のものを使い、ベルト車にもV字形の溝をつけたものを使います。

Vベルトは、ベルトとベルト車との触れ合う面積が大きく摩擦力が大きくなります。

そのため、強い力で回転を伝えることができます。




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