流れから受ける力とは?流れの速さと抵抗とは? わかりやすく解説!

力の利用

流れが緩いときの抵抗

川の水の流れによって橋脚が受ける力や、風によって電柱や人体が受ける力は水や空気の流れる速さに比例して、大きくなります。

このほか、物体の形や流れる水や空気の摩擦にも関係します。


水や空気には、摩擦がなさそうに見えますが、つぎのような実験をしてみると、摩擦のあることがよくわかります。

バケツに水を入れて速く回転させてみます。
すると、はじめ静止していた水が、しだいに回転しはじめて中央部か低く、外側が高くなります。

これは、まず、いちばん外側の水が、バケツとのあいだの摩擦でバケツの回転につれて動きはじめ、つぎに少し内側の水がはじめに動きだした水との摩擦で動きます。

こうして、つぎつぎに内側のほうへ運動がうつっていき全体がバケツと同じ速さで回転するのです。

このように、水や空気には摩擦があってその中を動く物体の運動を、さまたげる力となります。
したがって、摩擦が大きいほど、物体の受ける抵抗は大きくなるわけです。

ゆっくり流れている水の中に、円柱をおいたときにも、同じことが言えます。
円柱の近くを流れる水は円柱にそって1周りし、その後は、いちように流れていきます。

この場合、円柱をとりまいている、ごくうすい水の層は円柱の表面にくっついていますから、円柱とともに止まっていると考えられます。

その外側のうすい層は、小さい速さで流れ、さらにその外側のうすいのはそれよりやや大きい速さで流れています。

こうして、水の各川のあいだに摩擦がはたらき、もっとも内側にあって円柱に触れている層にも、流れの方向に摩擦力がはたらきます。

この力が、円柱を押し流す力となり、その大きさは、流れの速さに比例しています。

また、球を緩い流れの水の中につるしたとき球が流れから受ける力は球の半径が大きくなれば半径に比例して大きくなります。

流れが速いときの抵抗

暴風や、水が速く流れているときの抵抗は、まえよりも複雑になります。

いま、速い流れの水に、円柱をおいたとするとまえの場合と違って円柱のうしろに、うずができます。
このことは、川の中に建っているくいや、橋脚などのうしろによく見かけます。

円柱のうしろにうずができると、円柱の前面にはたらく圧力はうしろ側にはたらく圧力より大きくなります。
そのため、円柱は、流れの方向に、押し流されようとします。

このような場合の抵抗は流れの速度の2乗と流れる空気や水の密度と流れの方向から見た物体の断面積をかけた値に比例します。

また、抵抗を受ける物体の形にも関係します。

そこで、船や飛行機などのように高速度で水や空気の中を運動する物体は流れの方向から見た断面積を小さくすることとうずのできないような形にする研究が、大切になります。



船の形と流線形

船の形は、2つの角度から考えねばなりません。
その1つは、荷を積んだときや傾いたとき船が転覆しないようにすることです。

もう1つは、水の抵抗を、できるだけ小さくすることです。
ここでは、水の抵抗の面からだけ、考えてみましょう。

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水の抵抗を小さくする研究に、よいヒントをあたえてくれるのは、魚の形です。

魚にも、いろいろの形かわりますがだいたいは、ぼうすい形をしています。

このことは、気流や水流を使って、いろいろの方法で研究されました。
図は、その結果をしめしたもので、5と6のような形を、流線形と言います。

船の形を流線形にしておくと、大きな速度で水中か走っても、そのうしろにできるうずが、非常に少なくなり、水の抵抗を小さくすることができます。

したがって、船を進める力の無駄がなくなりそれだけ、速度を増すことができるわけです。

船ばかりでなく、飛行機・高速電車・自動車などの形もできるだけ流線形になるように、設計されています。

雨粒の落ちる速度

雨粒が落ちるときは、ふつうの落下運動のように重力によって等加速度運動をします。

ことに雨粒は、非常に高いところから落ちはじめるのでもし空気の抵抗がないとすれば地上に着くときには非常に大きな速度になっているはずです。

ところが、雨粒が落ちはじめると、速度が増すにしたがって抵抗もしだいに大きくなり、ある速度になると抵抗が重力とつりあうようになります。

それ以後は速度が増さないので抵抗も増さずそのままの速度で等速運動をすることになります。




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