シダ・コケ・キノコ・カビの増えかたとは? わかりやすく解説!

動物・植物

花の咲かない植物の増えかた

花の咲かない植物は種ができないので種に似た胞子をつくったり体の一部を使ったり、バクテリアのように体全体を2つにわけたりして増えます。


シダの増えかた

ワラビなどのシダの仲間は、たいてい地下茎(根茎)が地中に横にはい広がっています。

この地下茎のところどころから、芽を出して増えます。
シダは、このほか、種に似た胞子をつくって増えます。

ワラビやゼンマイは、この地下茎から出たばかりの、まだ若いものをとって食べるのです。

胞子

大きく育った、シダの仲間の葉の裏を見ると茶色のかたまりがいろいろな模様をつくって、くっついています。

この茶色のかたまりは胞子のふくろ(胞子のうと言います)のかたまりです。

この1つ1つのふくろの中に目では見えないほどの細かい胞子が、たくさん入っています。

この胞子のふくろはシダの種類によって特別な葉の裏にだけついているものがあります。

また、この胞子のふくろのつきかたも種類によってさまざまで、いろいろの形の模様をつくっています。

胞子の育ちかた

胞子のふくろが弾けて、中から胞子が出て地面に落ちると水分を吸って発芽し、前葉体というものになります。

前葉体は直径1センチほどの大きさで、緑色の平たい心臓形をしています。

この前葉体の裏側には、花の咲く植物の花粉にあたる精子と、胚珠にあたる卵細胞があります。

そして、この2つがいっしょになり新しい芽となってシダの体に育つのです。

このように、シダの仲間は一生のあいだに胞子で増える無性生殖の時代と卵細胞と精子とがいっしょになって増える有性生殖の時代とがあります。

このような増えかたを繰り返すことを、世代の交代と言います。

コケの増えかた

ゼニゴケなどのコケの仲間には、ふつうめかぶとおかぶとがあります。
そして、めかぶには卵細胞ができ、おかぶには精子ができます。

この2つがいっしょになると、めかぶの卵細胞が育って胞子をつくるふくろになります。

このふくろから、胞子がこぼれて地に落ちると胞子は芽を出して新しいコケに育つのです。

このように、ゼニゴケもまた、世代の交代をしているのです。

ゼニゴケなどは、このような増えかたのほかに体がちぎれて、そのまま2つの体になることもあります。

また、体の表面に、お椀のようなものができて、その中に無性芽という、小さな子どもがつくられることもあります。

これが、風に飛ばされて地面に落ち、新しいゼニゴケに育つのです。

キノコの増えかた

シイタケなどのキノコの仲間は、体が菌糸という細胞の糸でできています。

この菌糸がちぎれて、そのまま増えることもあります。

また、キノコのかさの裏側には、たくさんのひだがあります。
このひだの両側には、こん棒のような形をした菌糸がたくさん出ていて、その先に、4個ずつ胞子がついています。

この胞子が地面に落ちると、胞子によって2種類の性質の違った菌糸の子どもができます。

これらの菌糸の子どもが、くっつきあうと、そこから、新しい菌糸ができます。

この菌糸が育つと、後には、またキノコをつくるようになります。



カビの増えかた

コウジカビなどのカビの仲間はキノコと同じように体が菌糸からできています。

コウジカビは、菌糸の先が手のひらのようにわかれて、その先がちぎれ、たくさんの胞子ができます。
この胞子からは、再び、新しい菌糸が育ってくるのです。

コウボ菌の増えかた

コウボ菌は、体が1つの細胞でできています。
この細胞が、ある大きさになると、芽を出します。

芽が大きくなると、もとの体をはなれて、新しいコウボ菌になります。
また、コウボ菌は、胞子をつくって増えることもあります。

藻の増えかた

藻の仲間は、種類によって、増えかたがさまざまです。
つぎに、おもな藻について、増えかたを調べてみましょう。

コンブの増えかた

コンブの体の表面には、ところどころに黒くふくれあがったところができます。

これは遊走子のうというふくろが、たくさん集まったものです。
ふくろの中には、遊走子というものがたくさん入っています。

遊走子は、自分で動くことができるので、ふくろから出ると、岩の上などにつき、芽を出して小さな体になります。

この体には、めすとおすの区別があります。

おすの体には、花の咲く植物の花粉にあたる精子ができ、めすの体には、卵細胞ができます。
そして、この2つがいっしょになると、新しいコンブの体に育つのです。

ワカメも、このコンブと同じような増えかたをしています。

アオミドロの増えかた

アオミドロは池や沼にはえていて緑色の糸のような体をしています。
この体が、ところどころちぎれて、そのまま増えることもあります。

また、2本の糸が平行にくっつきあって細胞と細胞が管でつながり、いっぽうの糸の細胞の中身がほかの糸にうつって、そこに胞子ができることがあります。

このように細胞と細胞のくっつきあうことを接合と言います。
この胞子が外に出て芽をだすと、新しいアオミドロに育つのです。

ミドリムシの増えかた

緑色をした池やみぞの水をすくって顕微鏡でのぞいてみるとミドリムシが見つかります。

ミドリムシは、体が1つの細胞からできていて1本の長い毛(べん毛)をもっています。

このミドリムシは、体が縦に分かれて、2つに増えるのです。
また、ときには、体がまるまって、その中にたくさんのミドリムシの子どもが、できることもあります。

バクテリアの増えかた

バクテリアは、みな、体が1つの細胞でできています。
増えるときは、この体が、2つにわかれて増えます。

このわかれかたは、たいへん短い時間のあいだに起こるのでバクテリアの増えかたは、非常に早いのです。
たいていのものでは、30分に1回の割合でわかれます。

いま、仮に、1時間に1回、2つにわかれるとすると2時間後には4つになり3三時間後には8つになります。

こうして、一昼夜には、なんと1600万以上にもなるのです。

バクテリアには、そのほか、ハショウフウ菌やガスエソ菌などのように、まわりの状態が、住みにくくなると、体の中に1つの胞子をつくり厚い膜をかぶるものがあります。

こうして、まわりの状態がよくなるのを待つのです。

そして、まわりの状態が住みよくなると胞子は芽を出して新しいバクテリアになります。

またバクテリアによっては体の中に、いっぺんにたくさんの胞子をつくるようなものもあります。




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