ミツバチの生活とは?女王バチとはたらきバチの関係と特徴とは?

動物・植物

ミツバチの生活

ミツバチは、ハナバチ類のなかでも、いちばん高等な仲間です。

それで、その社会生活もたいへん進んでいて、ほかのハチやアリの社会生活では見られないことが、いくつかあります。


女王バチ

ミツバチは、アリと違って1つの巣には女王バチが1匹しかいません。
もし、2匹目があらわれると女声、ハチどうしで、ひどい喧嘩をして片ほうを刺し殺してしまいます。

また、ミツバチの女王には、はたらきバチのように、うしろ足に花粉かごがなく、胸部にロイヤルゼリー(王様のゼリー)という蜂乳を出すところもありませんから花粉集めや子どもを育てることはできません。

女王バチのしごとは、たまごを生むだけなのです。
ところが、アシナガバチ・マルハナバチ・アリなどの女王は巣をつくったり食物を集めたり子どもを育てたりしてはたらくこともあります。

はたらきバチ

ミツバチの巣に女王バチを中心に、4、5万のはたらきバチが住んでいます。

これは、もともとめすなのですが幼虫のとき食物が充分でなかったため、たまごを生むことができない体になってしまったのです。

それで、女王バチの腹が大きいのにくらべて、はたらきバチの腹はずっと小型です。

しかし、脳のつくりをみると、はたらきバチのほうが発達していて脳のはたらきでは女王バチよりも、勝っているようです。

また、尻の針は、女王バチでは、たまごを生むための道具ですが、はたらきバチでは敵を倒す武器になっています。

はたらきバチは、巣をつくったり、食物を運んだり、子どもを育てたり、いろいろのしごとをして、はたらきます。

ドイツのフォン=フリッシュ教授の研究によって、このはたらきバチは、親になった日から、年をとって死んでしまうまで、決まった順序で、しごとの受け持ちを、かえていることがわかりました。

おすバチ

おすバチは気候がよくて食物がたくさんあるとき1つの巣に数百匹育てられます。

体は太っていて大きく、女王バチやはたらきバチにくらべて、ずっと大きな複眼をもっています。

結婚式のときには、1匹の女王バチが飛んでいくと、そのあとを何百というおすバチが追い駆けます。

しかし、このおすバチのうち、女王バチと結婚できるのは、いちばん目の発達した、そして羽根の丈夫な、たった1匹のおすバチなのです。

このおす、バチは、結婚式がすむとすぐ死んでしまいます。

ミツバチのおすたちは、ほかのハチのおすたちと同じように食物が豊かなときには、大切にされます。

しかし、結婚式がすみ、冬も近づいて、食物が少なくなってくると、はたらきバチに追い払われるか、ひどいときには刺し殺されてしまいます。

ミツバチの子どもたち

ミツバチの巣には、女王バチ・おすバチ・はたらきバチのほかに、たまご・幼虫・さなぎなども、たくさんいます。

たまごは小さく、お菓子のゼリービンズのような形をしています。
幼虫は足がなくて、ウジのような形をしていますがハエのウジと違って頭がはっきりしています。

さなぎは、親虫によく似ていますが足やひげが体にぴったりとつき、羽根が下側に曲がっています。

チョウのさなぎのように厚い殻をかぶっていないのでハダカサナギと言います。(チョウのさなぎはカブリサナギ、または、メンカブリと言われます)

これらのさなぎの世話は、みなはたらきバチがします。



たまごのいろいろ

女王バチが巣に生みつけたたまごのうち王台に生みつけられたたまごからは、つぎの女王バチが生まれます。

王台というのは、形も大きさも、はたらきバチの部屋とは、まるで違った立派な部屋です。
たまごからかえった女王バチの幼虫はロイヤルゼリーだけで育てられます。

はたらきバチのたまごは、ふつうのせまい部屋に生みつけられます。
かえった幼虫には、3日目までロイヤルゼリーがあたえられますが、そのあとは蜜でねった花粉があたえられます。

おすになるたまごは、はたらきバチと同じ形ですが、もう少し広い部屋に生みつけられます。

王台がたくさんつくられて2匹目の新しい女王が生まれそうになると古い女王バチは、はたらきバチの一部をつれて巣から飛出します。

そして新しい群れをつくります。これを巣わかれと言います。

女王バチの雇い入れ

ひとつの巣にいるミツバチたちが、女王バチを失い、そのうえ、女王バチになるたまごを巣にもっていないときには子孫をつくれなくなります。

こうなると、やがて滅びなければなりません。

ミツバチを飼っている養蜂場では、こういうときには女王バチがいなくなった巣に新しい女王を雇い入れ、その群れの滅びるのをふせぎます。

新しくきた女王バチは、いきなりいっしょにされると、はたらきバチと喧嘩します。

そこで、金網をはった小箱に女王バチを入れて、しばらく巣の中に入れておきます。

そのうちに、巣のにおいが女王バチにうつるので出してやっても喧嘩をしないようになります。

アリの巣などでは、女王アリがいなくなると、ひとりでに女王アリの雇い入れがおこなわれます。




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