温度と植物の関係とは?春化現象とは? わかりやすく解説!

動物・植物

水のつりあい

生きている植物の体に、いちばん多くふくまれているものは水です。

そのうえ、植物はたえず根から水を取り入れ葉の気孔から空気中に送り出しています。


植物は、水が多すぎて、生活できなくなるというようなことは、あまりありません。
むしろ水不足になりがちです。水不足は1つの原因で起こります。

1つは、土の中の水が少なくなったり、凍ったりして植物が充分に水を吸いあげることができないために起こります。

もう1つは、気温が高く、空気が乾いたり風が吹いて葉から水が失われすぎたために起こります。
夏の日でりのときなど、これらのことが重なって起こり植物がしおれかかっていることが、よくあります。

こんなありさまが、もし長く続けば、植物は、枯れてしまいます。

植物は、たえず、水を取り入れたり送り出したりしていますが体の中の水分は、ほぼ一定に保たれています。

降水量

植物が吸いあげる土の中の水は、もとを正せば、雨や雪として地上に降ったものです。

雨や雪など地上に降るの水の量を降水量と言います。
この降水量は、場所によってたいへん違います。

日本は、世界でも雨の多いところで、1年間に降る雨の量は1000ミリから2500ミリくらいあり、また、地方によっては4000ミリも降るようなところがあります。

降水量が1年に500ミリ以上あると森林ができます。

降水量が、これより少なくて200ミリから500ミリのあいだでは草原ができます。

さらに、200ミリ以下のところでは特別な植物がまばらにはえる砂漠になってしまいます。

乾きやすいところの植物

砂漠・砂丘・海岸・川原のように乾きやすいところの植物は水のつりあいを、うまく保つような体のつくりをしています。

まず、地上に出ている部分は小さいのにたいそう長い根や太い根をもっています。
そして、この根で土の深いところにある水を吸い上げます。

またサボテンのように、茎が太って、貯水タンクの役目をし葉は、ごく小さくなったり、とげなどにかわってしまったりして植物の体から水分の出ることを、できるだけふせいでいます。

夏の日でりに強いスベリヒユやマツバボタンも、このような体のつくりになっています。

温度と植物

植物の生活は、温度が違うと、たいそう違ってきます。
生活のもとになっている生長は温度が低いと、止まってしまいます。

温度が高くなると、生長もそれだけ早くなります。
しかし、そうかといって、ある温度以上に高くなると、こんどはかえって、生長が衰えてきます。

花が咲くのにも、温度が関係しています。

気候帯

地球は、赤道を中心にして北と南に行くにしたがって温度は低くなります。
場所によっても、違いがありますがだいたい赤道に平行に6つの帯にわけることができます。

それは、赤道から南北にむかって熱帯・亜熱帯・暖帯・温帯・冷帯(亜寒帯)・寒帯となっています。

それぞれの帯(これを気候帯と言います)では植物が、それぞれ特徴のある生活をしています。

それは、植物の生活が、温度の影響を強く受けているからです。



春化現象

ダイコンやハクサイは秋に種をまき、冬の寒さにあうと春になって花を咲かせます。

しかし、あたたかい春になってからまくと葉や茎は、ずいぶん大きくなりますが花が咲きません。

つまり秋まきのものは、いちど寒さにあわないと花が咲かないのです。

ところが、ダイコンやハクサイの種を、水を吸わせて芽をださせ発芽したばかりのものを零下五度ぐらいの低い温度に1週間から1か月ぐらいのあいだ保っておいて、これを畑にまくと春にまいたものでも秋まきと同じように花を咲かせ、実をむすびます。

このように、秋まきの植物のごく若いころに低い温度にあわせると春にまいても花が咲き、実をむすぶという現象を、春化現象と言います。

この春化現象は、秋に発芽して苗で冬を越し春に花を咲かせる越年生植物によくみられます。

また、これらの植物は、たいてい長日施物なので低い温度にあわせたあとで、日が長くならないと花を咲かせないものもあります。




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