葉緑素と光合成とは?光合成によってできるものとは?

動物・植物

葉緑素

私たちがすぐ気がつくように、たいていの植物は緑色をしたうすい葉をもっています。

葉が緑色に見えるのは葉の中にクロロフィル(葉緑素)という緑色の色素があるからです。

葉緑素は、細胞の中にふくまれる葉緑体の中のグラナというものにふくまれています。

グラナは、電子顕微鏡で見ると直径が0.4~0.6ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)ぐらいあって、円板状をしておりリポイドとたんぱく質の円板が互い違いに層状に積み重なったつくりをしています。

隣り合ったグラナどうしは、うすい膜でむすびついています。

緑色をした植物の葉をとって、アルコールにつけておくとアルコールが緑色になり、植物の葉は白くなります。
これは、葉の中の葉緑素が溶けだしてきたためです。

この緑色の液を、さらに細かく調べてみると2種類の葉緑素があることがわかります。

これらの葉緑素は、光合成のとき重要な役割りを果たしているのです。


光合成のしくみ

緑色をした陸上の植物の葉の裏には気孔とよばれる小さな穴があります。
この気孔は、空気中の二酸化炭素(炭酸ガス)を葉の中に取り入れたり、また光合成でできた酸素を体の外に吐き出したりする役目をもっています。

植物は葉緑素の助けを借りて、空気中の二酸化炭素と根から吸いあげた水と太陽の光とで、炭水化物という養分をつくります。

このような植物のはたらきは、必ず光を必要とするところから、光合成または炭酸同化作用と呼んでいます。

水の中に生活する植物は気孔をもたないので呼吸するときと同じように体全体から酸素や二酸化炭素を出入りさせています。

光合成のしくみは、つぎのようになっています。

気孔から植物の体に取り入れられた空気中の二酸化炭素は葉緑体の中に取り入れられ、少しのあいだ、ある物質とむすびつきます。

水は、光を吸収してはたらきやすくなった葉緑素によって酸素と水素にわけられます。

この水素がさきほどのある物質とむすびついて炭水化物のもとになり残った酸素は、気孔から空気中に吐き出されるのです。

すなわち、

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という形であらわせます。



光合成によってできるもの

光合成によってできるおもな炭水化物が糖であることは、かなり古くから知られていましたが、糖は複雑な物質ですから二酸化炭素から一足飛びにできるものではありません。

実際に、糖がつくられるまでの道すじは、いくつかの段階にわかれておこなわれるものであることが最近になってはっきりしてきました。

光合成によって、はじめにどのような炭水化物ができ、それがどのようにかわっていくのか、いまのところ、まだはっきりわかってはいません。

しかし、放射性同位元素(いっぱんにラジオアイソトープとよばれているもの)の炭素14(C14)から二酸化炭素をつくり、その二酸化炭素を使って光合成を2秒間だけおこなわせたところ最初にできるものは燐グリセリン酸であることがわかりました。

これは三炭糖(C3)とよばれる炭素3個からなるかんたんなつくりの物質に近いものです。

光合成の時間を30秒間にすると燐グリセリン酸のほかにアラニン・アスパラギン酸のようなアミノ酸やリンゴ酸のような有機酸ができてきます。




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