海水の動きとは?潮流・海流・潮目とは? わかりやすく解説!

地球の姿

潮流

海面は、ふつう1日に2回、ゆっくりともり上がり、まだ下がります。
その高さは数十センチから数メートルです。

このもりあがることを満潮、下がることを干潮といいこのような上がり下がりの減少を潮の満ち干とか潮汐と言います。

潮汐はおもに地球のまわりをまわっている月の引力によって海水が引き寄せられるために起こる現象です。

陸地にかこまれた内海と外洋とで潮汐の起こる時間がずれているときなどにその境にある海峡などで、激しい流れができることがあります。

これが潮流です。

日本では、瀬戸内海の出口の2つである鳴門梅峡のうず潮はこのような潮流の激しいものによって起こるのです。


海流

大洋の中には、その表面に川のような流れのある部分があります。この流れを海流とに言います。

海流の生じる原因にはいろいろありますが、つぎのようなことが、おもなものです。

吹送流

海面上で、偏西風や貿易風のように長い時間一定の方向にいつも吹いている風があります。

そのため、海水の表面が既に引きずられて海流を生じます。
これが風に引きずられて海流を生じます。

これを吹送流といいます。

密度流

海水は温度や塩分など、場所によって密度のことなる所があります。
このため、密度の大きいほうから小さいほうに海流を生じます。

これを密度流と言います。

傾斜流

風や陸地から流れこむ川の水などによって海面に傾斜ができます。
川の水が高いところから低いところへ流れるようにして生じる海流を傾斜流と言います。

補流

梅水がある場所から移動すると、その場所の海水が少なくなるのでこれを補うために、他の場所の海水が流れこむことがあります。

このようとして生じた海流を補流と言います。

世界の海流

海流には赤道付近を東から西に流れて大陸につきあたると北や南にそれ、中緯度で西から東にもどる暖流系と極地方から中緯度地方に流れてくる寒流系とがあります。

暖流系には、北半球では、赤道近くを西から東へ流れる赤道反流、それよりやや高緯度を東から西へ流れる北赤道河流、日本近海を北上する黒潮、アメリカ大陸の東岸を北上する湾流(メキシコ湾流)などがおもなものです。

寒流系には、アメリカの西岸を南下するカリフォルニア海流、日本近海を流れる親潮、アメリカ大陸の北部東岸を流れるラブラドル海流などがあります。

海流は、海面から深さ200~300メートルまでしか影響が及びません。
しかし、それよりも深い成層圏のところも海水は深さによってある決まった方向に流れています。

日本付近の海流

日本付近の代表的な海流には、暖流である黒潮と寒流である親潮があります。

黒潮は、北赤道海流の暖流がフィリピン諸島から台湾の東側の海域で南シナ海の沿岸水と混合してできたものです。

流れる速さは、1~4ノット(1ノットは海時1852メートル)以上、幅は和歌山沖で約150キロ、厚さは200~400メートル以上もあります。

色は濃い藍色をし、水温が高くて、塩分が多く酸素や栄養分が少ないのでプランクトンはあまりいません。

親潮は、オホーツク海から流れ出して千島列島にそって南に下り北海道の南側を通って三陸沿岸を流れる海流です。

流れる速さは0.5~1ノット、幅は北海道の納沙布岬の南方沖合では150キロ、厚さは100~200メートルあります。

色は黄緑色を帯びており、水温は低いが、酸素や栄養分が多いのでプランクトンを多くふくみます。



潮目

性質の異なる海流がぶつかって、海面にできた線を潮目といいます。

日本の三陸沖では、親潮と黒潮がぶつかって、北からの親潮は黒潮の下にもぐり海面では、その境に潮目ができます。

ここでは、さざ波かたったり、泡や漂流物が集まったりしています。
さらに養分にとんだ海水が上部へ運ばれて、プランクトンがよく繁殖するのでよい漁場となっています。

海の波

海面ではいつも波が見られます。

波は風やその他の原因で海面にゆがみができたとき、重力とかの表面張力によってこれをもとに戻そうとする力がはたらいてできます。

波は、海面を上下させながら、どこまでも進んでいきます。

みたところ波の山が進むにつれて海水も前進しているようですが海水に、円運動をしているだけです。

ある点の海水の粒を考えてみると、粒が円の最上部にきたときに波の山が通過し粒が円のいちばん下にきたときに波の谷が通過しています。

つまり、波の山と谷では、水の動きは逆に方向になっているわけです。

水の粒は、つぎつぎにその運動を、となりの水の粒に伝えます。
ですから、海水はごく限られた動きしかしていないのに波はどこまでも伝わっていくのです。

しかし水の粒も円運動をしながら、少しずつ波の進行方向に進んでいます。
これは、水に粘性(ねばり)があるからです。海で起こる波には、風浪とうねりとがあります。

風浪

その場所の風によって、直接起こされる波で波の山がとがっていて、波長(波の山と山とのあいだの距離)は5~50メ一トルぐらいで短いものです。

これよりも、波長の短い波をさざ波といいます。

うねり

遠くで起こった風浪が、はるばる伝わってきたもので波の山がまるみを帯びていて、波長は長く、50~500メートルぐらいあります。

土用波といわれるのは、はるか南方洋上にある台風によって生じたうねりをいいます。

津波

地震や海式火山の噴火などで、海底急激な地形の変化が起こると大洋全体の水がゆり動かされるような波ができます。

これが津波です。

津波は、波長が何百キロにも達する大きなものなので深さが4キ口も5キロもある大洋でも、浅い海と同じような動きかたをします。

そして太平洋を10時間前後で伝わるほどの速さで進みます。

津波は沖合では海面を20~30センチぐらい高めるだけですが岸につきあたると大きくもり上がります。

これは、津波の波長が長いため動かしている海水の量が大きいからです。

とくに、東北地方の三陸海岸のように沖にむかってラッパ状に開いた湾の多いところでは、湾の奥になるにつれて波がしだいに高くなるので、大きな被害をうけることがあります。




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