熱の放射とは?放射熱のすすみ方とは? わかりやすく解説!

熱・音・光

熱の放射

太陽の光にあたると、あたたかく感じます。
これは、太陽から出た熱が、なにもないところを通って、私たちの体にくるからなのです。

太陽と地球とのあいだには、熱を伝える物はなにもありません。
それで、この熱の伝わり方は、伝導でも、対流でもありません。

太陽の光には、熱線という、目に見えない光があって、これが地球まで届いています。
そして、この光にあたったものは、みな熱くなります。

このように、熱が、ある物からほかの物へうつるとき2つの物のあいだにある物質の働きを借りないでうつることを、熱の放射といいます。

たき火や、ストーブから出た熱も、放射によって、私たちの体に運ばれてきます。
放射によって伝わる熱を、放射熱と言います。

電球には、中を真空にしたものがありますが、電球のガラスは、とても熱くなります。
ガラスは熱の不良導体なので、電球のフィラメントから熱が伝導してきて
熱くなったのではありません。

フィラメントからの熱の放射によって、熱くなったのです。


放射熱のすすみ方

太陽の光にあたると、熱く日陰に入ると、涼しくなります。

ですから、太陽からきている放射熱は光と同じように、まっすぐにすすむことがわかります。
日陰では、すすんできた放射熱がさまたげられるので、すずしくなるのです。

また、放射熱は、反射させることができます。
500ワッ卜くらいの竃球を用意しておき、電球の面から15センチほどはなして二硫化炭素を染み込ませた石綿をおきます。

電球をつけても、このままでは、二硫化炭素は燃えませんが金属でできた球面の反射鏡を、鏡の焦点が、ちょうど石綿にあたる位置において熱を一か所に集めると、二硫化炭素が燃えだします。

このように、放射熱は、光と同じようなすすみ方をします。

熱せられた物からは、光線のような放射熱(つまり放射線)がでています。
その放射熱をほかの物が吸収すると、その物の温度が上がり熱していた物が放射熱を出してしまうと、その物の温度は下がってしまいます。

白い物と黒い物の熱の吸収と放射

物が放射熱をうけたとき、その表面の様子によって、熱の吸収のしかたが違います。
ふつう、物の表面が黒いと熱をよく吸収し、反対に、表面が白かったりよく磨いた金属だと、あまり熱を吸収しないで、反射してしまいます。

新聞紙の上に、レンズで日光を集めると黒いところはすぐこげますが、白いところはなかなかこげません。

また、なべやかまの底を見ると、黒くぬってありますがこれらは、表面が黒いと、熱をよく吸収するからです。



実験1

2本の水銀温度計を用意し1本の温度計の管球は、黒くぬっておきます。
2本の温度計を、同時に、日光にあてます。
すると、黒くぬった温度計のほうが高い温変になるでしょう。

また、黒くした面(熱をよく吸収する面)は、熱をよく放射します。

実験2

小さなフラスコを2つ用意して、黒くぬっておきます。
このフラスコにガラス管をコの字形にまげ、中央に水滴を入れて空気がもれないようにっなぎます。

つぎに、銅板かアルミ板をコの字形にまげていっぽうは、外側を黒くねり、いっぽうは磨いておきます。

この板を1つのフラスコの真ん中におき、ガスの炎で、同じように強く熱します。

少しすると、水滴は黒くぬったほうから、磨いたほうに動きます。

これは、黒くぬったほうから熱がたくさん放射されフラスコ内の空気が膨張して水滴をおしたのです。




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