金属の還元とは? 広い意味での酸化とは? わかりやすく解説!

金属の酸化と還元

広い意味での酸化

元素が酸素と化合することだけが酸化ではありません。
酸素のかわりに、塩素や硫黄がはたらいて化合物をつくることも酸化といいます。


塩素ガスの中に赤熱した銅線をいれると激しく反応して、塩化第二銅ができます。

このとき、銅が酸化されたといいます。
銅とイオウが化合して硫化第二銅ができることも銅が酸化されたといいます。

それでは、なぜこのような場合にも酸化といわれるのでしょうか。

そのわけは広い意味での酸化と原子の+電気が増えるような方向に反応がすすむことをいうのです。
いいかえると、原子の原子価が+の方向に増えるような反応を酸化といいます。

塩素と銅との反応の場合について考えてみるとはじめ銅の原子は+・-が丁度つり合って電気的に中性です。

塩化第二銅になったときは銅の原子価は二価、つまりCu2+の状態になっています。

電気的に中性(0)の状態から+2の状態にかわったので銅は酸化されたということができます。

硫黄との反応についても、同じように考えることができます。

金属の還元

金属が酸化されても、その金属がなくなったわけではありません。

酸化されたもの(酸化物)から再び金属をとりだすことができます。

例えば、酸化第二銅と炭素をまぜて熱すると酸化第二銅の酸素が炭素に奪われて金属銅ができます。

また、酸化銅と水素を反応させて酸化銅から酸素を取り除くこともできます。

鉄は鉄鉱石からつくりますが鉄鉱石は鉄の酸化物です。
これから鉄をとりだすときも酸素を取り除く必要があります。

このように、酸化物から酸素をとることを酸化にたいして還元といいます。

しかし、広い意味においては酸素がとれることだけを還元というのではなく酸化の場合とは反対に、原子の+電気が減るような(-電気が増えるような)方向に反応が進むことを還元といいます。

つまり、原子の+の原子価が減るか、-の原子価が増える反応を還元といいます。



実験

酸化第二銅の粉と木炭の粉を10対1くらいの割合でよくまぜあわせ、乾いた試験管に入れる。
バーナーでしばらく熱し発生する気体を水酸化カルシウムの水溶液に通す。

酸化第二銅が炭素により還元されて二酸化炭素が発生し水酸化カルシウムの水溶液がにごる。

ガラス管を水酸化カルシウムの水溶液から引きあげてから熱するのを止め、試験管の中のものを水で洗うと還元された金属の銅がえられる。

酸化第二銅と炭素との反応の場合酸化第二銅の銅の原子価は二価です。

これが金属の銅になったときは、電気的に中性ですから原子価は0です。
つまり、+2価の状態から0に原子価が減ったことになります。

このとき銅は還元されたといいます。
ほかの反応についても同じように考えてみてください。

実験

亜鉛と希硫酸で水素を発生させ濃硫酸を通して水分を除いてからガラス管に導くガラス管の中央に銅製の網をおきガラス管の外からアルコールランプで温める。

水素を溶かさない状態で銅を加熱すると黒い酸化第二銅ができるが水素を通すと、還元されて銅にもどる。



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