タレスの考えた宇宙のしくみとは? デモクリトスの考えた宇宙のしくみとは?

科学の進歩

自由なギリシア人

エジプトやメソポタミアの文明も、だんだん衰えるときがきました。
およそ2600年ほど昔のことです。

地中海のバルカン半島に、新しい民族が活躍しはじめました。
この民族がギリシア人です。

ギリシア人は、冒険好きでした。
また、商売が上手でした。
地中海の沿岸のあちこちに、大きな植民地をつくりました。
そして、たくさんのお金と奴隷を手に入れて、奴隷にいろいろな仕事をさせました。

このために、ギリシア人の生活は楽になり、暇ができてきました。
その暇を利用して、ギリシア人は自由に本を読んだり、考えごとをしたりしました。


タレスの考えた宇宙

小アジアの西海岸に、ミレトスという商業のさかんな町がありました。
ここに、タレスという人がいました。
タレスは、宇宙はいったい何からできているのだろうかと毎日一生懸命に考えていました。

そしてついに、タレスは「宇宙は水からできている」という考えを発表しました。

星も、人間も、家も、もとを正せば、すべて水だというわけです。
学者たちは、びっくりしてしまいました。
人々は「そんなでたらめなことがあるものか。可哀そうに、タレスは気が違ってしまったのだろう」と噂しました。

「宇宙は水でできている」というのは間違っています。

しかし、タレスの考えには、もっと大切な意味があります。
それは「宇宙は神様がつくったものではなく、見たり・触ったりできる物質からできている」ということなのです。

多くの人々が、神様の力を信じている時代に「自然に起こるさまざまな変化は、神様のせいではなく、自然の中に原因がある」と言い張るのは、とても勇気のいることでした。

タレスと図形

また、タレスは口食を言い当てたり、ピラミッドの高さを測ったりしました。
ことに、円や三角形など、図形の研究を熱心にしました。
そして、図形についての大切な性質を、たくさん見つけ出したのです。

これは、後の科学の進歩に、非常に役立ってています。



タレスの考えを広めた人

その後、タレスと同じような考えをもった学者が、何人もあらわれました。

「宇宙は空気でできている」「火からできている」「水・土・火・空気の4つでできている」などと考えた人たちです。

タレスもそうですが、ここらの学者はみな自然のしくみを考えていました。
それで、自然哲学者とよばれています。

この中には、ピタゴラスのように、物質よりも数学を重んじた学者もいます。

デモクリトスと原子

デモクリトスも自然哲学者のひとりです。
デモクリトスは宇宙は原子でてきていると考えました。

もちろん、デモクリトスの考えた原子は今の原子と違っています。
しかし、その考えかたは同じです。

物質を細かくわけていくと物質は非常に細かくなります。
最後には、色も味もなくなり、人間の目にはわからないほどになってしまいます。
このようにして、もっとも小さくなったものがデモクリトスの考えた原子なのです。




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