光は粒か波か? 光の正体とは? わかりやすく解説!

科学の進歩

ニュートンとホイヘンスとの争い

科学者の間には「光とは何か」という問題が、かなり昔からありました。

18世紀のはじめ、ニュートンが太陽の光が7つの色(スペクトル)にわけられることを発見して「光は、光を出すものから発せられた小さな粒のような物質に違いない」という光の粒子説を発表しました。

そのうち、イギリスのトーマス・ヤングが「波長の違う2つの光は、お互いに干渉して縞をつくる」ことを実験して光は波だという、波動説を唱えました。

イギリスのフック、オランダのホイヘンスなどの学者は、この考えかたに賛成しました。
そして、ニュートンとホイヘンスとのあいだで粒子だ波だという説の言い合いがはじまりました。


どちらも正しい

1864年に、イギリスのマクスウェルは「光は電磁波の一種である」という光の電磁波説を唱え、1888年になると、ドイツ人ヘルツが光は電磁波であることを実験で確かめました。

これで「光は波である」ということになりました。

ところが1905年、アインシェタインがあらわれて「光は光子という粒である」という光量子仮説を発表したので騒ぎは大きくなりました。

そのころ、金属に光をあてるとその金属の表面から電子が飛び出すことが発見されていました。

これを光電効果といいます。

この光電効果は、アインシュタインの光量子仮説で見事に説明することができたのです。

そして「光は波であると同時に、粒子である」ということがわかってきました。
このことについて、科学者たちが説明できるようになったのは原子についての科学が進歩してからでした。



200年の謎

ホイヘンスは、光の波動説を唱えたとき
「宇宙は、エーテルというもので満たされている」と考えました。
光はそのエーテルの振動だと考えなければ、波動説の説明ができなかったからです。

しかし、光の波動説を説明するためにはこのエーテルは、固体のような性質をもっていなければならないことがわかってきました。

すると、エーテルの中を動いている地球をはじめすべての天体は、その運動がさまたげられるはずです。

このようなことから「エーテルは、かたさがあると同時に、真空のようなものである」ということになります。

また1864年に発表された、マクスウェルの電磁波説では「エーテルは、電磁波を伝える仲立ちをするもの」となっていました。

しかし、エーテルがあるということを確かめることはできませんでした。
こうなると、エーテルというものは、この宇宙にはないことになります。

しかも、エーテルがなければ、電磁波があるということが説明できません。

1905年、アインシュタインの相対性理論によって「この宇宙には、エーテルというものはない」ということが見事に説明されたのです。

このように、ホイヘンスが言い出したエーテルは200年もの長いいだ、科学者たちを悩ませてきたのでした。




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