送電線のしくみとは? 変電所とは?

送電線

電気は、発電所から私たちの住むところまで
高い鉄塔にかけられた太い送電線を伝わって送られてきます。

送電線には、鉄塔にかけられたものだけでなく
地下に埋められたケーブルもあります。

送電線にも、電気抵抗があります。
そのため、電気の一部が途中で熱にかわって、無駄になってしまいます。

この無駄をできるだけ少なくするために
できるだけ送電線の抵抗を小さくすることが必要です。

送電線の抵抗を小さくするには電気抵抗の小さい銅・アルミニウム
(銀はいちばん抵抗が小さいが、値段が高すぎる)を使います。

また、同じ金属でも、太さが太いほど
電気抵抗に小さくなりますから、送電線には、太い線を使います。

しかし、あまり太くすると、送電線の値段が高くなるばかりでなく
重くなるので、がいしや鉄塔を丈夫にするためにも費用が余計にかかります。

がいし 鉄塔と電線をつないでいる陶器でできたものを
がいし(碍子)と言います。
がいしは、絶縁するために使います。

ふつうの家庭で使われているがいしは、小さなものですが
高圧線のがいしは、人よりも大きなものがあり
絶縁がよく、丈夫なものが使われています。




電圧と送電線

電気の無駄を少なくするのに、電圧を高くする方法があります。

いま、同じ電力を送るときを考えてみましょう。
電力に、電圧と電流の積ですから、電圧が大きければ
電流は小さくてよいことになります。

電流が小さければ電気抵抗のために無駄になる電気も少なくてすみます。
ですから、送電線に使う電圧は、だんだん高くなっています。

我が国での最高電圧は27万5000ボルトですが
50万ボルトの送電線を建設中です。

このように、送電線の電圧は
だんだん高くなっていきますが、そうかと言って、

かぎりなく高くするわけにはいきません。

高圧線が、暗い夜に光ったり、雨降りの日に
シージーなっていることがあります。

送電線が光るのは、コロナ放電といって
電気が空気中に逃げていっているからです。

また音がするのは、がいしの表面を伝わって逃げる電気が
小さな火花を出す音です。

電圧をあまり高くすると、コロナ放電などで失われる電気が増えます。
また、鉄塔を高くしたり、がいしも高い電圧に耐えるものにするなど
費用がやはり高くなります。

コロナ放電をふせぐ方法として、1本の電線のかわりに
2~4本の電線を20センチほど離して使うが方法があります。

25万ボルト以上の送電線では、この方法がよく使われ
多導体方式、あるいは群導体方式と言われています。

送電線の鉄塔には、ふつう6本の電線がつられています。
これは、3本ずつ2組みになって、三相交流の電気を送っているからです。

2組みの電線が1つの鉄塔にかけられているわけは
1組みの送電線が雷などで故障しても、もう1組みの送電線を使い
停電をなるべく少なくするためです。

直流送電

電気が家庭の電灯だけに使われていたころは電気を送るには
直流送電が使われていました。

しかし、電気を送る量が増えて、送る距離が遠くなると
高い電圧が必要になり、電圧を上げたり下げたりする
変圧器という便利な装置が使える、交流送電に切りかえられました。

しかしまた、送電に必要な電線の数が増えるにつれて
1組み2本ですむ直流送電のほうがよいのではないかという
考え方が出てきました。

直流送電にすると、コロナ放電も交流より少なくてすみます。

このように、直流送電が考えられはじめたのは交流から直流へ
また、直流から交流へかえる水銀整流器や半導体整流器が
発達してきたためです。

直流送電は、ケーブル送電線を使うとき、とくに有利です。

そのためイギリスとフランスをむすぶ海底ケーブルには
10万ボルトの直流送電がおこなわれています。

変電所

発電機で起こす電気の電圧はふつう交流1万ボルトくらいです。

発電所には電圧を上げるための変圧器がふって
高い電圧にかえて送り出します。

この高い電圧の電気を、安全で使いやすい
電圧の電気にかえるところが、変電所です。

変電所には一次・二次・配電用と、いくつかの変電所があって
しだいに電圧を下げるようになっています。



変圧器

変圧器(トランス)は電圧をかえる器械で、鉄の輪(鉄心)のまわりに
2組みのコイルがまかれていて電磁誘導の法則を利用したもので
1万のコイルから他のコイルに電流を誘導します。

1組みのコイル(1次コイル)に、交流の電圧を加えて電流を流すと
鉄心の中には、磁界ができ、これが交流電流の規則正しい変化につれて、
同じように規則正しい変化をします。

つまり、交流の磁界ができることになります。

この磁界は、もう1組のコイル(二次コイル)の中も通っていますから
交流の電圧が二次コイルにできます。

そして、一次コイルに加えた電圧と、二次コイルにできる電圧の比は
一次コイルと二次コイルのまき数の比に等しくなります。

一次コイルの電流をI、電圧をE、まき数をnとし
二次コイルの電流を、I’電圧をE’、まき数をがn’とすると
nI=n’I’、nE’=n’E の関係があります。

変圧器では、一次コイルと1次コイルのまき数をかえて
二次コイルからいろいろな電圧を、自由に取り出すことができます。
送電線に交流が使われるのは、こういう便利な変圧器があるからです。

変圧器の一次コイルに直流を流しても二次コイルには電圧はできませんが、このわけは、電磁誘導の法則を考えてみればすぐわかります。

二次コイルの電圧は、磁界の変化で起こるわけですが
一次コイルに直流電流を流しただけでは
磁界も一定となり変化しないからです。

柱上変圧器

家庭にいちばん近いところにある変圧器は
柱上変圧器といって、電柱の上に取り付けられているものです。

柱上変圧器の一次コイルは、ふつう6600ボル卜の配電線につながれ
二次コイルの電圧は1000ボルトか2000ボルトです。
二次コイルからは引込線で家の中に電気がおくられています。

変圧器は、長いあいだ使っていると、かなり熱くなります。

そのために、ふつうの変圧器では
鉄の管が何本もつけられた鉄の箱の中に、油づけにされています。







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