腎臓と膀胱のはたらきとは? わかりやすく解説!

泌尿器のしくみ

私たちの体の組織や器官がはたらくと二酸化炭素・水・尿素・塩分などの不用物ができます。

そのうち、二酸化炭素は、肺から外へ出されます。
その他の不用物は汗となるものもありますが、大部分は腎臓で尿にかえられます。

このように、体の中にできた不用物を捨てることを排出といいます。
尿をつくり、排出する器官を泌尿器とよびます。

尿をつくるのが、腎臓の役目で尿管がこれを膀胱に運び膀胱にたまった尿は、さらに尿道という管で体外に出されます。


腎臓

腎臓は、腹の少し上のあたりで、腸のうしろにある赤黒い色をしている器官で左右に1個ずつあります。

その形は、そら豆のようで縦に長くなっています。

腎臓のつくり

腎臓の内側の中央部には腎門というへこみがあってここには、かなり太い動脈と静脈、尿を運びだす尿管が通っています。

腎臓を縦に切ってみると、いちばん内側には尿管が広がってできている腎盤(腎盂ともいう)という部分があります。
また、それをとりまいて放射状のすじがたくさんある髄質という部分があります。

いちばん外側は、皮質といいます。
皮質の中には、点のように見える、腎小体(マルピギー小体)という直径0.2ミリほどの球形のかたまりが見られます。

この腎小体を顕微鏡で調べてみると毛細血管がたくさん集まっていて毛糸の玉のようになっています。

これを糸球体といいます。

糸球体のまわりを袋が囲んでいて、この袋が尿細管という管に続きます。
尿細管は、おもに髄質の中を通って複雑に曲がりくねったのち何本も合わさって太くなり、腎盤につながっています。

腎臓のはたらき

腎臓は、尿をつくりだす器官です。
腎臓にくる動脈血が、この糸球体の毛細血管を通るあいだに血液から不用物がこし出されます。

これが、尿のもとになるものです。

この尿のもとになる液体は、尿細管を通るあいだにその中にふくまれている水分と塩分が、ふたたび吸収され尿となって腎盤に流れ出ます。

腎臓は不要物を排出するほかに尿細管での再吸収によって体液の成分を、いつも一定になるように調節しているのです。

1個の腎臓だけで2人分の体をまかなえる力があります。
したがって左右どちらかの腎臓が手術で取り去られても、ほとんど差支えありません。

尿

健康な人の尿は、透き通っていて黄色がかっています。
尿には食塩などのいろいろな物質が溶けているので比重は1より大きく比重も浸透圧も、ほぼ海水と同じです。

尿の1日の量は、大人で1.2~1.5リットルですがこの量は水分のとりかた、汗の出方などでかわります。

尿の成分は、水分を別にすれば尿素がいちばん多く、そのつぎに多いのが塩分です。

糸球体でこしだされる、尿のもとになる液体の量は1日に170リットルもあるといわれています。
ですから、そのうちの99パーセントもの量が尿細管で再吸収されているわけです。



膀胱

腎臓でつくられた尿は腎盤をへて尿管という25センチほどの長い管で、膀胱へおくられます。

膀胱のつくり

膀胱は、腹の下のほうにある筋肉でできた袋です。
尿が入っていないときは、押しつぶされていますが尿が固まってくると西洋梨のような形にふくれます。

膀胱には大人で0.5リットル以上の尿が入ります。
膀胱には腎臓につながる左右一対の尿管がつながりまた下のほうでは、尿道に続いています。

この尿道への出口には、括約筋という筋肉が厚く取り巻いて尿が流れでるのをふせいでいます。

膀胱のはたらき

腎臓からは、いつも少しずつ尿がでています。
これをためておいて、ある程度まとめてから、体外に排出するための袋が膀胱です。

尿が、膀胱から体外へ出るときには、いろいろの反射運動がはたらきます。

膀胱に尿が一定量以上たまると、尿意(小便をしたい気持ち)が起こり膀胱の筋肉が縮み、尿道のはじまりのところにある括約筋が緩んで尿が尿道のほうへ勢いよく出ていけるようになります。

また、尿が体外へ出されるときには、膀胱の筋肉だけでなく腹の力も加わって膀胱をおし、尿の排出を助けています。




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