工業、農業、交通における気象との関係とは? わかりやすく解説!

気象

工業と気象

工業の発達とその土地の気候のあいだにも、大切なつながりが見られます。
福井県や石川県は、昔から絹織物の産地で、近頃は人絹織物も盛んになりました。

このわけは、

  1. 長い冬のあいだ、農家が暇になって、工場に、はたらきにでられる人が多いこと
  2. 水力電気が、動力して、たくさん使えること
  3. 湿り気が多いために、糸きれがしないので、よい織物ができることなどです

    1. いろいろな工業のうちで、気象に関係があるのに織物・金属・機械器具・窯業(かまや炉を使って、粘土や鉱石などを高温で焼いたり融かしたりして、陶器・ガラス・セメントなどのような加工品をつくる仕事)・化学・製材・木製品・印刷製本・食料品・ガス・電気などです。

      工場の中では、有毒ガス・ほこり・湿度・温度などが仕事の能率と、製品の良し悪しに関係してきます。

      仕事をするのに都合のよい温度は、仕事の種類によって、いろいろ違います。
      また、よい製品をつくるのに都合のよい温度と湿度も、上の表のように調べられています。

      近頃は、大きな工場では、空気調節装置をつけて生産に都合のよい温度、湿度を保つようにしています。

      また、時計やカメラ・ラジオなどの精密な器械を取り扱っている工場ではほこりを取り除く装置を取り付けるようになりました。

      長業と気象

      作物のとれ高は、気象のかわり具合と深い関係があります。
      稲・麦・野菜・果物など、すべての植物がよく育つためには適当な気温・湿度・日光・雨が必要です。

      米がたくさんとれるためには、だいたい次のような気象条件が必要です。

      ① 稲が育つ6・7・8月の気温が高く、晴れの日が続き、しかも円の水が充分あること。
      ② 稲のかぶが大きくなるころには、とくに気温が高く、適当な雨量があること。
      ③ 花が咲く時期は、晴れた日が続き。温度が高く、取り入れの時期に雨が少なく
      もみを干すのに都合がよいこと。

      ④ 花が咲く時期に台風の害がないこと。
      異常高温が続いたり、雨が降り続くと、稲の病気や虫の害が起こりやすくなります。

      種まきのとき、肥料をやるとき、農薬をまくとき、取り入れ・保存のときなどに気象は、大きな影響をあたえますから、天気用法をよく理解して利用しなければなりません。



      交通と気象

      汽車・電車・船・飛行機など、陸・海・空、すべての交通は、気象と深い関係があります。

      鉄道と気象

      鉄道事故のもとになるものに大雨・暴風・雪・霧などがあります。

      台風や梅雨の大雨のために、洪水が起こり、鉄橋が流され土砂崩れのため、線路が埋まってしまうことがあります。

      台風や強い低気圧のために、強い風が吹いて風速30メートル以上になると、列車の運転を中止します。

      冬になると北海道では、凍上(地面の中にふくまれている水分が凍って膨張するために地面が持ち上げられること)が起こって、道床にでこぼこができます。

      このような線路の上を列車が走るのは、たいへん危険です。

      また、吹雪のために見通しが悪くなると、列車の安全運転が難しくなり線路に雪が積もると列車が走れなくなります。

      大雪のために、線路がうずまることが予想される場合にはラッセル車やロータリー車などを配置し、線路の雪をのぞくために、たくさんの人を動員します。

      また、ときには、乗客の数を制限することもあります。
      このほかに、信号機や転てつ機(ポイント)の故障も、起こりやすくなります。

      濃い霧のために、見通しが悪くなり、視界(見通しのきく範囲)が1000メートル以下になると、列車は遅れるようになります。

      視界が50メートルくらいになると、列車はとくに信号をしっかりと確かめ速度を落として1秒間に2.5メートルの速度で走らねばなりません。

      国鉄や私鉄は、いつも気象台と連絡をとって気象の変化に注意し、車が安全に走れるようにしています。




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