海上交通、航空機における気象との関係とは? わかりやすく解説!

気象

海上交通と気象

旅客や荷物を乗せて、海上を走る船や、港を遠く離れ魚を獲る漁船にとって、霧や、暴風は大敵です。

1955年5月、瀬戸内海で紫雲丸は、濃い霧のために第三宇高丸と衝突し、またたくまに沈没してしまいました。

そして、乗っていた修学旅行の小・中学生が、大勢遭難しました。

レーダーを備えつけて、危険物が見えるようにしたり無線電話で互いに連絡がとれるようにして、霧の中でも走れる船もたくさんあります。

それでも、せまい海峡を通るときや、港を出入りするときには、とくに注意がいります。
秋の台風・冬の季節風・冬や春先に、発達しながら速い速度で移動する低気圧は海上の船にとっては、いちばん恐ろしいものです。

強い風と高い大波のために、大きな船も木の葉のようにもまれてしまいます。
1954年9月、函館港外で遭難した洞爺丸は、15号台風の暴風と高波のために沈没し1000人以上の人が、犠牲になりました。

冬から・春先に、アリューシャンやカムチャッカ方面で遠洋漁業をしている商船は、大しけに注意しなければなりません。

この季節の強い低気圧の風は、台風と同じくらい強いものですから船に乗ってはたらいている人たちは、いつも天気予報や気象警報を聞いて仕事をしているのです。


航空機と気象

空を飛ぶ飛行機は、天気の影響を、もっとも、うけやすい乗り物です。

近頃のようにジェット機が発達して、スピードはますます速くなりしかも、飛行場から、あいついで飛び立つようになると気象に安全運航のために、いよいよ大切になってきました。

飛行場には、コントロールタワーがあって、着陸する飛行機を安全に導き離陸する飛行機に、順番に離陸の指令を出し、空の交通整理をしています。

また、霧や煙霧があっても、飛行機を電波で導いて安全に着陸させるような設備があります。
それでも、雲の高さが150メー卜ル、視程が1600メートル以下になると安全な着陸は難しくなります。

このようなときは、飛行機の発着は禁止されます。

東京や大阪の飛行場では、濃い霧や煙霧のために、旅客機が着陸できないで引きかえしたり、ほかの飛行場に着陸するようなことがあります。

工場地帯に近い飛行場では、工場からでる多量の排煙によって視程が非常に悪くなることがあります。

霧や煙霧のほかに、飛行機に影響するのは強い雨・吹雪・着氷・空中電気・気流の乱れ・雪などがあります。

気象台では、飛行機の飛ぶ空路や飛行場の気象を説明し、視程や風向、風速を予報します。
操縦士は、空路の気象の様子を調べ、安全にそして経済的に飛ぶように、飛行の計画を立てるのです。

とくに、ジェット旅客機は、滑走路の気温と風が、エンジンのはたらきに、関係します。
たとえば、滑走路の気温が高いとエンジンの力が少なくなって、滑走距離は長くなります。

飛行機の速度は、1秒間に50メートルから300メートルくらいです。
高い空では、いつも10メートル以上の風が吹いているので向かい風になるか、追い風になるかによって、速さがたいへん違います。

日本の付近の上空では、6キロから10キロくらいの高さにジェットストリームといって、非常に強い西風の吹くところがあります。

ジェットストリームは、夏と冬とで違い、南で北に移動しますがだいたい、地球をとりまく帯のようになっています。

このジェットトストリー厶での風速はときには1秒間に100メートル以上にもなることがあります。
日本からアメリカまで、ジェットストリームを利用して飛ぶと時間をたいヘん縮めることができます。
したがって、燃料の節約にもなるわけです。

東京からハワイのホノルルまで、大型ジェット旅客機はふつう夏に7時間目40分、冬は6時問20分で飛びます。

上空の西風は、夏よりも冬のほうが強いために定期旅客機の時間表も、このようにかわるのです。

近頃、冬のジェットストリー厶を利用した大型旅客機が東京からホノルルまで5時間20分ほどで飛び、予定の時間を2時間も縮めました。

このように旅客機は、経済的で安全な空路を選んで飛んでいるのです。




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