温度の変化と熱の出入りとは? わかりやすく解説!

熱・音・光

温度の変化と熱の出入り

熱というのは、物の温度をかえるはたらきをするもので熱が物に入ればその物の温度が上がり、熱が物から出ればその物の温度は下がります。

温度の異なる2つの物をくっつけて外の熱が逃げないようにしておくと水が高いところから低いところに移るように、温度の高いほうから熱が出ていき温度の低いほうへ熱が入っていき、やがて両方が同じ温度になります。

同じ温度の物は、まぜあわせても、そのあいだに熱の移動はなくしたがって、温度の変化はありません。


実験1

80℃の水50立方センチを入れたビーカーと20℃の水100立方センチを入れたビーカーを用意します。

両方の水をまぜあわせてから温度を測ってみますと、40℃になりました。
これは水にかぎらず、温度の高い物と温度の低い物とをまぜるとある温度で2つの物の温度は等しくなります。

このとき、低い温度の物が得た熱量と高い温度の物が失った熱量と等しくなります。

この実験で、80℃の水が40℃になりましたから、この水が失った熱量は50×(80一40)= 2000(カロリー)となります。

また、20℃の水が80℃の水から得た熱量は、100×(40-20)=2000 (カロリー)となります。

このような熱の移動の実験は、下のような図であらわすとはっきりわかります。

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縦軸に温度差、横軸に水の体積をとった図であらわしてみるとそれぞれの物の持つ熱量は、長方形の面積であらわすことができます。

いま、80℃の水と20℃の水が、0℃の水のときより余分にもっている熱量を図であらわすと、①図のようになります。

また、80℃の水と40℃の水とをまぜたとき移動した熱量を図であらわすと、②図のようになります。

この図からわかるように、80℃の水50立方センチは同じ重さの20℃の水より3000カロリーだけ余分に熱量をもっていることになります。

この実験では20℃の水150立方センチに3000カロリーの熱量をあたえたのと同じことになります。

150立方センチの水の温度を1℃だけ上げるには150カロリーの熱量が必要ですので3000カロリーでは20度だけ高くなります。

そして、はじめの温度が20℃ですから、まぜあわせたあとの温度は40℃になります。



実験2

200グラムの金属球と、水を入れたビーカー、20℃の水100立方センチを入れたビーカー、アルコールランプ、温度計などを用意しておきます。

アルコールランプで金属球を入れたビーカーを80℃になるまで熱していきます。このとき、水の温度が80℃になれば、金属球の温度も80℃になっています。

つぎに、金属球を急いで20℃の水100立力センチが入ったビーカーに入れ、よくかきまぜます。

熱が外に逃げないように、ビーカーのまわりを乾いた布で包んでおきしばらく経ってから水の温度を測ってみると、およそ30℃になってします。

この実験から、金属球の比熱について調べてみましょう。
温度の高い物が失った熱量は、温度の低い物が得た熱量に等しくなります。

金属球の温度は80℃から30℃になったのですから、50度だけ温度が下がったことになります。
20℃の水100立方センチは20℃から30℃になり、10度だけ温度が上がったことになります。

そこで、100立方センチの水が得た熱量は、水の比熱に水の体積と
水が得た温度(温度差)とをかけた値になります。

そのため、この熱量は1000カロリーになります。

水が得た熱量(カロリー)
=1(水の比熱) × 100(cm3) × 10(温度差)=1000(カロリー)

また、金属球が失った熱量も、金属球の比熱に金属球の重さと、金属球の下がった況度(温度差)とをかけた値になります。

そのため、金属球が失った熱量は、つぎのような式であらわされます。

金属球が失った熱量(カロリー)=金属球の比熱 × 200(g) × 50(温度差)

ところで、水が得た熱量と金属球が失った熱量とは等しいので金属球の比熱は、つぎの式からもとめられます。

金属球の比熱=1000 ÷ 10000=0.1(カロリー/g℃)

この式から、金属球の比熱は、0.1となります。




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