電子計算機・電卓の歴史とは? わかりやすく解説!

科学の進歩

さて、電子計算機こそは、エレクトロニクスがうみだした最も偉大な産物といえるかもしれません。

計算には暗算・筆算、それにそろばんや手まわしの計算機を使うやり方などがあります。
しかし、そんな計算はたかがしれています。

20世紀の後半近くになってはじめて登場しその後、日進月歩の勢いで進歩、発展を続けている電子計算機の計算能力にくらべればまるで問題になりません。

電子計算機は数学の専門家が一生かかっても計算しきれないような計算でもおそらく何秒かのうちにやってのけるでしょう。


電子計算機がつくられるまえに電気計算機がうまれました。
それは基本的にはリレー(継電器)を利用したものです。

リレーというのは、電流を通したり切ったり、あるいは方向をかえることによって接点を開閉し、その接点につながるほかの回路の電流が流れたりきれたりする装置のことです。

このリレーをたくさんくみあわせて計算するのがリレー計算機です。
1944年に、アメリカのハーバード大学で世界最初の全自動電気計算機(マーク1型)が完成しました。

このリレーのかわりに真空管やトランジスタに抵抗・コンデンサーをくみあわせた回路を使うのが電子計算機なのです。

電気計算機と電子計算機では、計算のスピードがまるで違います。
たとえば、1946年にペンシルベニア大学で完成した世界最初の真空管式電子計算機(エニアック)はさきに述べた電気計算機より1500倍も計算スピードが速いのです。

しかしながら、この電子計算機も出来てから20年たたないうちにすでに過去のものとなり今日ではそれよりも何千倍も能力の勝る電子計算機ができています。

電子計算機の進歩はまったくすばらしいものだということができます。

さて、電子計算機の世界でも小型高性能化がすすめられています。
はじめのころは、全部、真空管式でしたから性能を高めようとすれば真空管の数を増やさなければなりません。

そうすると、装置全体がたいへん大きいものになるしまた真空管は故障しやすいため、たえず検査し、監視を続けなければなりません。

しかし、トランジスタが電子計算機の悩みをも解決してくれました。
今日の電子計算機は、ほとんど全部トランスジスタ式になり性能がすばらしい、小型のしかも安定したものになっています。

1958年、アメリカのテキサス=インストルメントという会社が集積回路(IC)というものを開発しました。

これは配線部分を印刷することにより卜ランジスタや抵抗を非常に小さい容積にまとめたものでたとえば米粒の大きさの中に卜ランジスタ20個、抵抗40個を詰め込むことができます。

この集積回路はラジオやテレビにも使われていますが電子計算機にくみこむことにより、小型化することができます。

アメリカ空軍は1961年、缶詰ほどの大きさの電子計算機をつくり人工衛星などに詰め込んでいます。



ところで、電子計算機はこのようにすばらしい進歩を続けていますがなんのためにそれほど計算のスピードを上げなければならないのでしょうか。

それは、科学技術の進歩、社会の進歩に伴って手にあまるような膨大な計算を必要とする問題や一瞬のうちに答えを出さなければならないような問題が非常に多くなったからです。

たとえば、ある惑星の軌道を決めるのに天文学者が昼も夜もついで計算して15年もかかったという例があります。

これでは、一生計算し続けてもなにほどのこともわからないわけです。
それが、いまの電子計算機を使えば、おそらく数分以内に答えがでてしまうでしょう。

もっと身近な例で、国勢調査・人口動態調査というのがあります。
日本のように人口の多いところになりますと総理府統計局のお役人さんがいくらがんばっても集計を終えるまでに3年も4年もかかります。

つまり、やっと国勢調査の結果がでたときには人口は調査結果とは全然ことなっていることになり。

つぎの調査をしなければならないときになって、やっとまえの調査結果がわかるということが、これまではやむを得ないこととされていました。

しかし、電子計算機を使えば、データをそろえるまでに年くらいはかかっても、何時間かのうちに結果を集計することができます。

事実、アメリカで電子計算機が発明されたのは国勢調査をできるだけはやくまとめたいという要求からです。

アメリカの大統領選挙でも、日本の衆・参議院の選挙でも電子計算機を使うのが、あたりまえになっています。

また国鉄のみどリの窓ロにいけば、列車っ座席のあるなしはたちどころにわかり、昔のようにいらいらしながら何時間も待つ必要はなくなりました。

これも、全国にはりめぐらした情報網を中央制御でする電子計算機を利用しているおかげです。

そのほか、複雑なレンズの設計、マンモスタンカー・超高層ビルの設計長期予報のための天気図の作製、銀行や大企業の事務管埋などにも電手計算機はいまや欠くことができないものになっています。

また、電子計算機は計算ばかりでなくたとえば、言葉の翻訳、さらには作詞で作曲の仕事までできるのでこの方面の仕事をさせるためのに開発しているものは電子頭脳とか、人工頭脳の名でよばれています。

電子計算機(コンピューター)は人間社会を夢の理想郷(コンピュートピア)にかえてくれるかもしれません。




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