オタマジャクシ
たまごからかえったばかりのオタマジャクシは、まだ泳ぐことができません。
しばらくのあいだは、口の近くにある吸着器で卵槐のまわりの寒天質や、水草などについています。
口もまだできあがっていないので体の中に残っている卵黄を養分として大きくなります。
やがて、えらができて尾が伸びてくると泳ぎだします。
このころになると口もようやくできあがって小さな植物を好んで食べるようになります。
オタマジャクシは、大きくなるにつれ、えらの前側の皮膚が伸びて、えらぶたになります。
そして、ついにはえらをおおってしまうので外からはえらが見えなくなります。
このとき、体の左側の一部に小さな穴が残され、そのふちがもり上がって短い管になります。
この穴は出水孔と言われ、口から入った水が、えらの隙間を通り、この穴から外に抜けでるのです。
こうして、オタマジャクシは魚のようにえらで呼吸をし、えさをとりながら成長していきます。
カエルの変態
カエルは、子どものときはオタマジャクシと言われているように親と子とでは全く体のつくりが違います。
動物が成長するときに、このように体がかわっていくことを変態と言います。
オタマジャクシが大きくなるとカエルになるための準備をはじめます。
まず、尾のつけねの両側に、いぼのようなふくらみができます。
これが伸びてくるとうしろ足となり、ひざやすねや指も、はっきり見分けがつくようになります。
前足は、うしろ足ができあがって、しばらくしてからあらわれます。
実際には前足はうしろ足と同じころからできているのですが、えらぶたの内側にでるまで、外からは見えないのです。
やがて、前足のいっぽうは出水孔から、もういっぽうの前足はえらぶたに穴があいて、そこから出てきます。
前足がでそろうと、変態は急に早くなってきます。尾はだんだん短くなり、やがてなくなります。
また、えらもなくなり、かわって肺ができてきます。
口も、歯がなくなって、虫を捕えるのに都合がよいような形になります。
体全体もカエルらしくなり水中からはいあがって陸上生活に移っていきます。
ふつうのカエルの場合、たまごからかえったオタマジャクシは、その年のうちに変態しますが、ウシガエルのオタマジャクシだけは冬を越して、体が7.5センチもある、大きなオタマジャクシになります。
親ガエルになるのは変態してから5、6年かかると思われますが、まだ、そこまで観察した人はいません。
このようなカエルの変態は甲状腺と言うところから出るホルモンのはたらきによることが実験でわかっています。