動物の育ちかた
親の体から生まれたり、たまごからかえった動物は育つにつれて、だんだん体が大きくなり、体重も増していきます。
そればかりでなく、歯がはえたり、羽根がはえたりして生まれたばかりのときにはなかったものがだんだんとできて親と同じような体になります。
カエルや昆虫のように、動物によっては親になるまでに体の形だけでなく暮らしかたや食物までが全く違ってしまうものもあります。
胎児の発育
獣は、たいてい胎生で増えます。
母親の体内に入っているころの子どもを胎児と言いますが、それも、はじめのころはごく小さな卵子だったのです。
それが少しずつ大きくなると魚の子のような形になります。
このころをはいと言い人間のも、ウシのも、ブタのもみな同じような形をしていて区別ができません。
そして、目となる部分の下にはひだがあります。
これはえらになるもとですが、やがて消えてなくなります。
このはいが、母親の体から栄養を受けながら、もっと大きくなると目や耳や口、それから手足や内臓などができあがります。
このように卵子から、だんだんに動物の体ができあがっていくことを発生と言います。
胎児は、やがて母体の外に生みだされます。
獣の子ども
獣の子は、生まれたときは死んだように呼吸もしませんし体も動かしません。
しかし、まもなく呼吸をはじめ、生き返ったように体を動かしはじめます。
それでも、生まれたばかりの子はたいてい、まだ目も開かず、歩くこともできません。
それに体にはまだ毛もはえそろわず外の空気に触れると急に体が冷えるので子はすぐに母親の体の下に、もぐりこもうとします。
そしてまもなく、母親の乳房を探りあて、乳を飲みはじめます。
カンガルーの子ども
カンガルーは、ほかの獣と違って胎児が母体の中で充分発育しないうちに生みだされます。
ですから、親は体長が約150センチもありますが生まれた子は、たった2センチという小さなものです。
しかしカンガルーの母親の腹には子を育てるためのふくろがあり生まれた子は前足の鋭いつめを使い、自分でこのふくろの中に入ります。
そして、そこで乳を飲みながら、およそ半年のあいだ安全に育てられます。
子の乳離れ
子の口に、やがて歯がはえぞろい食物を食べることができるようになると母親は子に乳をやらなくなります。
そして、母親は子に、えさの取り方や食べてよいもの悪いものについて教え子が自分で食物を食べられるようにします。
アシカなどのように、泳ぐ動物では、母親は泳ぎかたを教えます。
アシカの子は生まれて1週間もすると、もう、上手に泳げるようになります。
子どもの体
獣の子は、ふつう、毛の色などが親とだいぶ違っています。
たとえば、イノシシの子は白い縦じまがありますが、親にはありません。
キツネの子は、黒っぽい灰色をしています。
シカの角は毎年はえかわりますが年が経つほど長くて枝の数の多いつのがはえます。
このように子どものころは親と違った毛なみや角をもっていても成長するにつれて、だんだん親と同じようになっていきます。