流れている水は水底にたまっている堆積(底質)を動かす場合にれき・砂・泥を、それぞれわけようとするはたらきがあります。
これを流水の淘汰作用といいます。
流水の淘汰作用は、れき・砂・泥がそれぞれ沈降速度(沈む速さ)や初動速度(動きだすときの流れの速さ)が違うために起こるものです。
これによって、れき・砂・泥は流水の中でわけられそれぞれ別に集まる傾向があります。
沈降速度
鉱物や岩石の粒で、直径2ミリから16分の1ミリまでのものを砂といいこれより大きいものをれき、小さいものを泥といいます。
泥は、海中を沈む速さが非常に遅いため流水があると水中にまざったまま遠くへ運ばれてしまいます。
これにくらべて、砂やれきは、水中での沈降速度が速いのでたとえ水中に吸い上げられても、すぐ底へもどってしまいます。
皮が運んできた砂が海岸の地殻に堆積し泥が沖合まで運ばれるのは、この理由によります。
また、れきは川岸に積み上げられるか川口付近まで運ばれるだけであまり遠くへは逃げられません。
初動速度
流れの速さを、0からしだいに上げていくと、川底で、まず砂が動きはじめます。
さらに速度を増すと、れきや泥が動くようになります。
このことから、水中が乱れるような流れでれきや泥を動かせないような弱い流れでも、砂は動かせる場合があることがわかります。
自然には、このような流れもしばしば起こるので、砂はれきや泥を置き去りにして短距離の移動を繰り返して進むことがあります。