ロケットが発達したのはいつ頃?ロケットのしくみとは?

ロケット

大昔から、月や星は、みんな地球のようなものでそれぞれの世界があり、人が住んでいるなどと考えた学者がいました。

18世紀の有名な天文学者ウィリアム==ハーシェルなどでさえ月に人がいると考えました。

また、一般の人々にとっても、月の世界はあこがれのまとで多くの物語や詩にうたわれてきました。
ですから、この月の世界に行ってみたいという気持ちが起こってきたのも、とうぜんでしょう。

天文学が進歩して、月には生物がいないらしいということがわかってからも、月や惑星の世界を探検してみたいという夢は、少しも衰えませんでした。

宇宙旅行を空想した、おとぎ話や、小説・映画などがいくつもつくられてきたのをみれば、それがよくわかります。


ロケットの発達

そうした空想も、はじめは鳥にのったり、風船にのったリ大砲の弾丸に入って打ち出したりという、途方もないものでした。

しかし、だんだん考えかたも進歩してきました。

そして、20世紀こ入ってからは、もっぱらロケットが宇宙旅行の乗り物として考えられるようになりました。

しかし、この宇宙旅行に本当に実現の望みがかけられるようになったのは、ごく最近のことです。

ドイツは、第二次世界大戦で降伏するまぎわにロンドンを攻撃するために、ロケット爆弾のV2号を使いました。

これは、世界ではじめての近代的口ケットとして有名ですがその技術は戦後、アメリカ・ソ連などで研究され、ますます進歩しました。

ロケットのはたらき

もともと、ロケットが、宇宙旅行に向くといわれるのはそれが空気の世話にならないからです。

ただ空を飛ぶだけなら飛行機や風船もありますが空気がないと飛べません。
飛行機は、翼で空気中の浮かび、風船に入れた空気よりも軽い気体のおかげで、浮かびます。

また、飛行機のプロペラは、空気がなければ、役に立ちません。
また、飛行機のエンジンは、ガソリンと空気中の酸素とを混ぜて燃やしているわけです。

これは、プロペラ式の飛行機でも、ジェット機でもかわりありません。

これにくらべて、ロケットは、ガソリンのような燃料とそれを燃やす酸素の両方を積んでいることがジェット機と違うところです。
いわば自給自足できるわけですすから、空気のあるなしは問題になりません。

むしろ空気は、スピードを出すのに邪魔になるくらいのものです。

科学の発達とともに、ロケットはしだいに改良され200キロ・300キロ・400キロメートといったいままで、とうてい手の届かなかった高空にまでたっするようになりました。

とくに、ロケットの価値が認められるようになったのは1957年夏から1958年までおこなわれた、国際地球観測年のおりです。

私たちは、地球の上に住んでいて地球のことは何でも知っているように思っています。

しかし地球は、陸でも海でも、すみずみまで探険できていてもそれは表面だけのことで、それから上や下はほとんどわかっていません。

いちばん高い山が海抜9キロメートルばかり反対にいちばん低い海の底は深さ10キロメートルくらいです。

地表のでこぼこは、だいたい20キロメートルくらいですがそのはしからはしまで調べることも、決して用意ではありません。

飛行機や気球によって地球上の高さ30~40キロメートルくらいまでは、調べることができます。
しかし、地面に穴を掘ることは高いところへ昇るよりはるかに難しいことです。

こうしてみると人間の活躍できる範囲は地表面付近の40~50キロメートルにすぎなかったわけです。

この距離は、地球の中心までの距離6380キロメートルの約100分の1以下です。
つまり、地球の皮の部分にすぎないわけです。
これではとても地球について、調べつくしたなどとはいえません。



ロケットによる観測

ですから、ロケットが地上何百キロメートルまでも飛べるということは、
観測にとって、たいへん役立つわけです。

ロケットに積み込んだいろいろな観測機械が、高空で自動的に観測し
その結果を、電波で送ることができます。
あるいは、パラシュートで機械を取り戻すこともできるのです。

こうして、いままで、はっきりわかっていなかった高い空の様子たとえば、空気の成分・濃さ・温度・電離層の正体高空での地球の磁界(磁石のような性質)の強さなどさまざまなことが調べられます。

また、地球の外からやってくる宇宙線の観測や研究にも、たいヘん役立つのです。
このような観測ロケット、さらにはもっと発展した人工衛星などの発明によって私たちが、直に調べられる範囲が、ものすごく広がってきました。

ロケッ卜の価値は、まず、このような観測の方面で認められだしたのです。




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