月はどんな世界?月までの距離はどのくらい? わかりやすく解説!

満月の夜、まんまるい月をながめると月の表面に暗い模様が見えます。

日本では、うさぎの餅つきの姿に見立て、西洋でも女の人の横顔とかカニの爪など、いろいろな形に見ています。

満月はよく輝き、肉眼では、その表面が鎧のように見えますが望遠鏡で覗いてみると、いろいろなものが見えます。

うさぎの模様の暗い部分は低く平らなところです。

昔、小さい望遠鏡で月を見た天文学者は、これは月の海に違いないと思いました。

それで暗い部分は「晴れの海」とか「雨の海」とか、海の名前をつけてしまいました。

明るく輝いている部分には山あり谷あり阿蘇火山のような輪のような形をした地形がたくさんあります。

山脈には、地球上の山脈の名前をとってアルプス山脈とかアペニン山脈とかいう名をつけてあります。

また、阿蘇山のような形の山には、コペルニクスとか、ケプラーとか昔の科学者や哲学者の名前がつけられました。


空気のない月世界

月の表面には、空気も水もありません。
したがって、雨が振ったり、風が吹いたりすることもありません。

海といわれる暗い部分は、地球の大洋の底のように低くて平たい土地ですが、水はたまっていません。

雨も振らず風も吹かないので、月世界の山や谷は崩れることもなく、できたときのままの姿たでいまでも見えているのです。

空気がないため、月の表面では夜と昼との温度の違いが非常に大きくなっています。
太陽が頭の真上にあるときには、地面の温度は130度くらいになりますが夜になると零下150度くらいまで下がります。

空気も水もなく、夜と昼で温度が280度も違うような世界に人間はもちろん動物も植物もすすむことはできません。

空気がないと、太陽からくる強い紫外線をまともにうけることになります。
これも生物にとっては危険なことです。

そのほかに、宇宙の彼方からやってくる宇宙線も危険です。
ですから、月世界に旅行するときは、宇宙服をつけなければなりません。

酸素と適度の湿り気を補給し、温度も調節し紫外線や宇宙線から体をまもらなければならないからです。

月世界の光景

月の世界へ行ってみたら、どのような景色が見られるでしょうか。
月の山の高さは、地球からはかることができます。
山は太陽の光をうけて影をひいています。

そこでの太陽の高さがわかっていれば、影の長さをはかって山の高さを計算か作図でもとめることができます。

月の山の高さは、地球の山と同じくらいで3000メートルから4000メートルのものは珍しくありません。

最も高い山は1万メートル近いと言われています。

ただし、ありませんから、海抜いくらというあらわし方はできません。
まわりの地面からの高さをあらわしているわけです。

地球の山でも、たとえばヒマラヤの山をインド洋の底からはかれば1万2千メートル以上になりますから、月の山より高いということになります。

月の山の高さは、だいたいにおいて、地球の山と同じくらいだといえますが山の傾斜がとても緩やかで、すそ野が広くなっています。

アポロ宇宙船に乗って人間がツイへ行く前に、無人の月ロケットが月に着陸して月面の風景を写真に撮り、地球に伝送してきています。

この写真によると、月の表面はなだらかであちこちに浅いくぼみがあり一面に小石が散らばっています。



月までの距離

月までの距離は平均38万キロメートルで、地球の直径のおよそ30倍です。

しかし、この距離はかなりかわるもので月がいちばん地球に近づくときは約36万キロメートルいちばん遠ざかるときは40万キロメートルくらいになります。

このように、月は遠い距離にあるので1秒間に30万キロメートルすすむ光や電波が月から地球に届くまでに約1.3秒かかります。

地球上にいる私たちと、月へ行った宇宙飛行士とラジオで話をする場合にはこちらから「もしもし」といって月に届くのに1.3秒、月から返事がくるのにまた1.3秒、合わせて2.6秒経たないと返事が返ってきません。

ですから、話も間をおいてゆっくりしなければなりません。

月の大きさと引力

月の直径は、3500キロメートルで、地球の直径の約4分の1です。
月の重さは、地球の81分の1しかありません。

そして、月の表面での月の引力は地球の表面での地球の引力にくらべて、およそ6分の1の強さです。

したがって地球の上で、60キログラムの重さの人は月の上では10キログラムの重さしかないことになります。




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