電池の種類と特徴とは?太陽電池と原子力電池とは?

一次電池と二次電池

一度電気を使いきり、電池内で化学変化が進んでしまうとそれをもとにもどせないものを、一次電池と言います。

それにたいし、電流を使っても充電によって外から電気エネルギーをあたえてやれば、何度でもくりかえし使えるものが、二次電池です。

私たちが普段よく使う乾電池やボルタの電池は、みな一次電池です。
そして蓄電池は二次電池です。


マンガン乾電池

ふつう使われる乾電池は、マンガン乾電池で、ルクランシェ電池をかえたものです。

筒形の容器は、亜鉛でできており、陰極のはたらきをしています。
筒の中心に入っている炭素棒は、陽極です。

その間には、炭素の粉と二酸化マンガンを塩化アンモニウム溶液でねったものがつめられています。

この電池では、塩化アンモニウムが電解質溶液であり二酸化マンガンは減極剤で、炭素棒につく水素を水にかえてしまうのです。

マンガンかん電池は、1個で1.5ボルトの電圧がえられます。

水銀電池

マンガン乾電池よりは、値段も高くなりますが大きさを3分の1にしても、マンガン乾電池と同じ時間使えます。

このように、水銀電池を使えば、電池を小型にすることができますからこの電池は、トランジスタラジオなどに使われています。

この電池で鋼またはニッケルでつくられた外側の容器が陽極です。
容器の底には、減極剤の酸化水銀と黒鉛の粉をつめその上には、電解液である水酸化カリウムがつめられます。

その上にある、亜鉛90パーセント、水銀10パーセントをまぜた粉が陰極なのです。
そして、この電池でえられる電圧は約1.4ボルトです。

蓄電池

ふつうに使われている蓄電池は、鉛蓄電池と言われ、陰極として鉛の板を陽極としては、表面を二酸化鉛の膜でおおった鉛の板が使われます。

電解液は希硫酸です。

電解槽の中に、陽極板と陰極板を互い違いにくみあわせて入れ極板がふれあわないように、極板の間には木の板を入れ、電解液の希硫酸をつめます。

鉛蓄電池の陽極と陰極をつなぎ、電流を流すと2組みの極板ではつぎのような化学反応がおこります。

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電池の電圧が下がってきたら充電器を使って、電流を逆向きに流してやると極板の化学反応も反対に進み、陽極と陰極は元通りに回復します。

蓄電池は、2ボルトの電圧がえられます。

蓄電池は充電すれば、何度でもくりかえし使うことができます。
しかし、あまり電流を流しすぎて、電圧が下がりすぎると電極表面の電気抵抗が大きくなり、充電が非常に難しくなります。

蓄電池の電圧低下は、電解液である硫酸の比重が小さくなることでわかります。
そのため、適当な比重の小球を電解液中に入れ、充電すれば浮き上がり放電で電圧が下がると、沈むように工夫してあります。

このような小球の浮き沈みで、充電の時機を知ることができます。

持ち運びに便利な乾電池にたいして、蓄電池の欠点は重くて壊れやすく、持ち運びに不便なことです。



カドミウム電池

かわった電池には、カドミウム電池(ウェストン電池)があります。
これは、ふつうの電池のように、電流を流すことを目的としません。

ふつうの乾電池や蓄電池は、使わなくても自然に放電して、電圧が下がりますがカドミウム電池は、電流を流さないかぎり何年でも正確な電圧を保ちます。

それに、カドミウム電池は電圧にたいする温度の影響も少ないので、電圧の標準として使われます。

太陽電池と原子力電池

シリコンやゲルマニウムのような半導体に、太陽光線をあてると電流をとりだすことができます。

これを利用したのが太陽電池です。太陽電池は、人工衛星の電源として有名です。

また、放射性元素からの電子の流れを電極で集めれば電流を取り出すことができます。
2つの半導体のふれあっている部分に、放射線をあてて、電流をうる方法もあります。
このようなしくみでは、元素からの放射線が続くかぎり、電池の寿命も続くわけです。

このような原理による原子力電池では、放射線の害から人を守るための防護膜の厚さや、大きさが問題になり、実用化を難しくしています。

これらの電池は、最近発明されたばかりですが、これから急速に進歩するでしょう。




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