草花と樹木の役割とは?私たちを楽しませる植物とは?

私たちを楽しませる植物

私たちの身の周りには、いたるところに、草花や樹木が植えてあります。

むかしから、私たちは、これらの草花や樹木に親しんでたくさんの種類や品種を育ててきました。


草花

草花は、花がきれいなだけでなく、よい香りがあったり色や形が面白いので、庭に植えたり、鉢植えにして部屋に飾ったりします。

これらの草花には、キク・キキョウ・シャクヤク・アサガオ・アヤメ・スイセンなどのように、むかしから日本で育てられてきたものや外国から輸入された、カンナ・ベゴニア・コスモス・ダリア・シクラメン・カーネーション・チェーリップ・ヒヤシンス・アネモネのようなものがあります。

これらの草花は、つくりかたが、わりあいに、かんたんなのでだれにでも育てることができます。

世界の国花

世界の国々では、国を代表し、国民にいちばん親しまれる花や、また、その国に、何か言われのある花を選んで国花としています。

お国自慢の花

アメリカでは、州ごとに州花が選ばれています。

日本でも、新聞社が中心になって、郷土の花(県花)が選ばれました。
郷土に言われのある花や、名産などを獲り入れた、おもしろいものです。

樹木

樹木は、街路樹や並木にされたり、公園や広場などにも植えられます。

花や実の美しい木、よい香りのする木、形のおもしろい木、紅葉の美しい木などは、私たちを、いつも楽しませてくれます。

並木

並木は、景色をよくするばかりでなく日かげをつくり、風やほこりをふせいでくれます。

むかしから、道を歩く旅人などにたいへん便利だったので街道などに多く植えられてきました。
日光街道のスギ並木、東海道のマツ並木などは、有名なものです。

また、川などの堤防の上にも、よく並木が見られます。
これは、堤防を丈夫にするうえ、景色もよくしています。

このような並木には、サクラ・ケヤキ・マツ・スギ・イチョウなどの花や葉が美しかったり、せいが高く大木になるような木が植えられています。

街路樹

都会の道路の両側には、街路樹が植えられて私たちの健康をまもり、道路を美しくしています。

これらの街路樹は、姿が美しいこと形を整えるため、枝を切ったりしても枯れないこと、夏には日かげをつくるが、冬は葉を落として日かげにならないこと、都会の煙の害に強いこと乾燥に強いことなどといった、条件にかなったものがよいのです。

パリのマロニエ、ベルリンのボダイジュ(リンデン)などは世界的に有名です。

日本では、京都のカツラ、札幌のポプラ、東京のシダレヤナギ・スズカケノキ・イチョウなどが有名です。

つぎに、東京でたくさん植えられている街路樹を、調べてみましょう。

スズカケノキ(プラタナス)

木のはだが美しく、ほどよい日かげをつくり、枝を切りつめても枯れません。
それで街路樹に適しているのです。

イチョウ

中国と日本にだけあるもので、中国の原産と言われています。
日本の土地に適しているので、よく育ちます。

木の形や黄葉が美しく、スズカケノキについで多く使われています。

ニセアカシア

育ちが早く、丈夫で大きさもちょうどよいので、よく使われます。
けれども、枝にとげがあるのが欠点です。

そのほか、ソメイヨシノ・エンジュ・アオギリ・シダレヤナギ・トウカエデ・トチノキ・ユリノキ・センダンなどが使われています。



庭や公園の樹木

庭や公園には、美しい花や実のつくもの秋の紅葉の美しいもの、葉の落ちない常緑樹などが植えられています。
しかし、庭木には、あまり大きくならないものが選ばれています。

花の美しいもの

サクラ・ウメ・ツバキ・サザンカ・モクレン・ツツジ・フジ・サルスベリ・ハギ・アジサイ・ジンチョウゲ・コデマリ・ユキヤナギ・モクセイ

実の美しいもの

ナンテン・アオキ・ザクロ・ウメモドキ・イチジク

常緑樹、葉や幹の美しいもの

マツ・ヒマラヤスギ・ラカンマキ・コウヤマキ・ヒノキ・クス・エノキ・カナメモチ・モチノキ・モッコク・サンゴジュ・ヤツデ・イヌツゲ・アセビ・カエデ類・ニシキギ・アオギリ・タケ類・カシ類。

また、生垣には、あまり大きくなく枝を切りつめても枯れないようなものがよいのです。

マサキ・カナメモチ・チャ・バラ・カラタチ・サカキ・ヒイラギ・ドウダンツツジ・ネズミモチ・カシ類・ヒノキ・サワラなどが植えられています。

盆栽

盆栽は、小さな鉢に小形にしたてた木を植えて、その美しさを楽しむものです。

これは、ふつうの鉢植えと違って難しい手入れのいるもので一種の芸術と言ってよいでしょう。

盆栽には、マツ・ヒノキ・イチョウ・カエデ・ツタ・サクラなどやユズ・ウメなどの果樹も使われます。

生け花

床の間などにかざる生け花も、盆栽と同じく、むかしから日本にだけあるものです。

むかしから多くの流派があって、さまざまな木や草が使われています。




そのほかの材料や原料になる植物とは?油や砂糖がとれる植物とは?

油をとるもの

植物の油は、おもに種からとれて食用のほか化粧品用・機械用・印刷用などに使われます。

また、ペイントやニスなどの塗料にまぜて使うことや唐傘や提灯などにぬることもあります。

アブラナの種からとれる油は、食用油としてもっとも広く使われるほか機械用としても利用されています。

ほかに、ゴマ・エゴマ・ダイズ・ナンキンマメなどの種からとれる油も、食用として使います。
とくに、ゴマの油は食用油として上等なものです。

ツバキの種からとれる油は、おもに髪油として使われ、ほかに、印肉用や、時計などに使う機械油にもなります。
オリーブの実からとった油は、おもに化粧に利用されます。

アブラギリやアマの種からとった油は、塗料用や印刷用に使います。
ほかに、トウゴマやヤシからも油がとれます。


砂糖をとるもの

現在使われている砂糖は、大部分が熱帯地方で栽培されるサトウキビと北の寒い地方でつくるサトウダイコンからとったものです。

ほかに、サトウカエデ・サトウモロコシ・ヤシなどからも砂糖をとることができます。

ろう・うるしをとるもの

ろうは、ハゼノキやウルシの実からとった粉を蒸してからしぼりとったものです。

塗料として使ううるしは、ウルシの幹に傷をつけて出てくる液からつくったものです。

のりをとるもの

切手などの裏につけるのりはアラビアゴムノキの樹皮から流れでる液を使ったものです。

あらいはりに使うふのりは、海藻のフノリからつくられます。
ハエとり紙の原料やとりもちはモチノキやヤマグルマの皮からとっています。

ほかに、ジャガイモ・サツマイモ・クズなどのでんぷんからも、いろいろなのりがつくられます。



染料をとるもの

いまでは、化学の力で、いろいろな染料ができるため植物からとった染料は、ほとんど使われなくなりました。

けれども、むかしは、植物からとった染料ばかりでした。

そのおもなものは、アイの茎と葉(藍色)アカネの根(赤黄色)、ムラサキの根(紫色)、クチナシの実(黄色)、ウコンの地下茎(黄色)、カシワの幹の皮(黒色)、ベニバナの花(紅色)、スオウの幹と実のさや(赤色)、サフランのめしべ(紫色)などです。

香料をとるもの

よい香りのする植物からは、たいてい香料がとれます。
香料は、香水にしたり飲食物・薬・歯みがき粉などの日用品に用いられます。

スミレ・バラ・ラベンダー・ジャスミンなどは、花から香水がとれます。

ハッカ・クスノキ・ニッケイなどは体全体から、薬や菓子にまぜる香料がとれます。

また、バエラの実からとる香料は菓子や飲み物に香りをつけるのに使われます。
いまでは、香料も化学の力でつくりだすことができます。




薬にする植物とは?毒のある植物とは? わかりやすく解説!

薬にする植物

むかしは、薬といえばたいてい植物からとったものでした。

近ごろでは、化学の力で、いろいろなものから薬がつくられるようになっていますが、いまでも、植物からとる薬は少なくありません。

また、植物には、毒のあるものがたくさんあります。
これも、使いようによっては薬になるのです。


植物全体を使うもの

ゲンノショウコは、下痢止めに、センブリは、胃の薬になります。

また、マクリという海藻はカイニンソウとも言われカイチュウの虫下しになります。

葉を使うもの

ジギタリスは、心臓を強くするはたらきがありハッカは、興奮させるはたらきや、胃を丈夫にさせるはたらきがあります。

また、南アメリカ原産のコカという低木からはコカインという麻酔薬がとれます。

根や地下茎を使うもの

チョウセンニンジンの根は、体を元気づける強壮剤に使われ、どんな病気にも効き目があると言われます。

ハシリドコロの根からは、アトロピンという神経を鎮めるはたらきのある薬がとれます。
また、リンドウやオウレンの根は、胃の薬に使います。

オシダは、地下茎からジョウチュウの虫下しがとれダイオウの地下茎からは、下剤や胃の薬がとれます。

センキュウは地下茎から神経を鎮めるはたらきのある薬がとれ頭痛止めなどに使います。

カノコソウは、根からも、地下茎からも神経を鎮めるはたらきのある薬がとれます。

木の皮を使うもの

キナからは、マラリアの薬であるキニーネがとれますしザクロは、幹・枝・根の皮から、ジョウチュウの虫下しがとれます。

また、サクラ類の樹皮からブロチンという咳止めや、たんきりの薬がとれます。



そのほかの部分を使うもの

カイチュウの虫下しに使うサントニンはセメンシナの花からとったものですし、のみとり粉や蚊取り線香の薬は、ジョチュウギクの花からとったものです。

また、サフランのめしべからは、血のめぐりをよくする薬がとれます。

ウイキョウの実からはかぜ薬がとれ、ケシの若い実からでる液からはモルヒネという、麻酔薬がとれます。
 
アンズの種からは、きょうにんというせきどめの薬がトウゴマ(ヒマ)の種からは、ひまし油という下剤がとれます。

薬をつくるカビやバクテリア

いまさかんに使われているペニシリンはアオカビの一種からとれる物質です。
これは、肺炎や化膿する病気に効きます。

ストレプトマイシンは、ストレプトミセスという、おもに土の中に生活しているパクテリアの仲間からとれる薬です。

これは、ペニシリンでは効かない結核・チフス・パラチフス・インフルエンザなどの病原体に効き目があります。

また、クロロマイセチン・テラマイシン・オーレオマイシンなどの薬もバクテリアの仲間からとれます。

毒のある植物

毒のある植物でも、使いかたによっては薬になりますし薬になる植物の多くは、毒をもっています。

ですから、薬になる植物と毒のある植物を、はっきり区別することはできません。

おもなものは表の通りです。




繊維をとる植物とは?木材をとる植物とは? わかりやすく解説!

繊維をとる植物

繊維というのは、糸や布をつくるもとになるもののことです。

近ごろは、植物や動物の繊維ばかりでなく化学繊維なども、さかんにつくられるようになりました。

しかし、まだまだ、植物の繊維は、衣服や紙の原料として、たいへん重要なものです。


衣服にするもの

衣服用の繊維をとる植物には、ワタ・アサ・アマなどがあります。

ワタは、繊維をとる植物としては、最も大切なもので種のまわりにはえている毛をつむいで糸や織物にしたり布団綿や脱脂綿をつくります。

アサやアマは、茎の皮の繊維をとって、織物にして使います。
どちらも高級な織物です。
アサは織物のほか、綱や網としても利用されます。

紙にするもの

紙は、ほとんどが木の繊維からつくられ、その性質や用途によって洋紙と和紙とにわけられます。

洋紙とは、本・ノート・新聞紙・包み紙など私たちの生活のいたるところで見られる紙のことです。

洋紙の原料になるのは、北海道のエゾマツ・トドマツなどの材がおもでほかに、アカマツ・クロマツ・カラマツ・スギ・ヒノキ・ブナなども使われています。

これらの材を、砕いたり、薬品で処理したりして繊維をとりだし、それを固めたのをパルプと言います。
洋紙は、このパルプからつくられます。

和紙とは、障子紙や紙幣などに使われる紙のことです。
これは、繊維が長く、丈夫な紙ですが洋紙のように大量には生産されません。
コウジ・ミツマタ・ガンピなどがおもな原料です。

綱や網にする植物

いろいろな綱や網には、近ごろ、化学繊維が使われるようになりましたが、まだ植物繊維も、大切な材料です。

マニラアサの葉柄の繊維や、カラムシの茎の皮の繊維は、つやがあって、水に濡れても腐りにくく、たいへん丈夫なので船の綱や漁船の網などのほか、海底電線のおおいや消火ホースの材料などにも使われます。

また、カラムシや、これににたラミーの繊維は綱や網だけでなく高級な織物にも利用されています。



木材をとる植物

植物は、木材としても、私たちとたいへん深いつながりをもっています。
私たちの身の周りを見ただけでも、どんなにたくさんの木材が使われているか、わかるでしょう。

これらの木材は、種類によって性質が違うので、いろいろと使い道もわかれています。

また、まきや木炭などの燃料も、木材を利用したものということができます。

器具や道具にするもの

家具・楽器・細工物・箱・桶などは、丈夫で、くるいの少ない木材からつくられます。

たとえば、農具の柄などは、重くても硬くて丈夫なカシやミズナラなどがよくタンスや下駄は軽くて、工作がしやすく木目の美しいキリなどが適しているというように器具や道具の種類によって、木材として使われる木の種類も違ってきます。

おもなものをあげると、スキ・アカマツ・クロマツ・ヒノキ・ケヤキ・ミズナラ・ブナ・カシ・カエデ・キリ・ホオノキ・シラカンバ・サクラ・イチョウなどです。

家や土木工事の材料にするもの

日本の家は、おもに木でつくられています。

土台・柱・梁・天井板・床板などを見ただけでも、さまざまな木材が使われていることがわかるでしょう。

また、木材は、ビル・橋などの建築現場で足場として使われたり、坑木や鉄道のまくら木としても利用されます。

建築材として、いちばんすぐれているのはヒノキで木曽(長野県)と吉野(奈良県)がおもな産地です。

ほかに、アカマツ・クロマツ・スギ・ケヤキなどが使われます。

土木工事に使う木材は、湿気に強いスギ・ヒノキ・カラマツなどの針葉樹や、クリ・サクラ・シイ・ケヤキ・ミズナラなどの広葉樹がおもなものです。




実・花・葉・茎・根を食べるものとは? わかりやすく解説!

果物

果物の多くは、実の部分を食べます。

ひとくちに実といっても、ウメ・モモ・ブドウなどのように子房が発達してできた真果の場合もありますしリンゴやナシなどのように花たくが発達してできた偽果の場合もあります。

また、真果のうち、ウメ・アンズ・モモ・スモモ・ミザクラなどのように実の中央に硬い芯(核)があるものがあります。

これは、内果皮が硬くなったもので、種はこの中にあります。
このような核をもった真果のことを、とくに、核果ということがあります。

果物の多くは生で食べるほか缶詰・ジュース・ジャムなどに加工して利用されます。

ほかに、ブドウのように、酒に加工されるものもありますしウメのように、生では食べないで、おもに梅干しや梅酒として利用するものもあります。

また、ミカンの仲間には、種類によって皮からマーマレードなどをつくるものもあります。


実を食べる野菜

カボチャ・キュウリ・スイカ・メロン・ナス・トマト・オランダ・イチゴなど実を食べる野菜のことを果菜類と言います。

まえにあげた、エソドウ・インゲンマメ・ソラマメなども野菜として食べることがあり、このような場合は、果菜類にふくまれます。

これらのうち、スイカ・トマトなどのように、おもに生で食べるものカボチャのように、おもに煮て食べるものがありますしキュウリ・ナスのように、漬物としても利用するものがあります。

また、トマトやオランダイチゴは、ジュースやジャムなどにも加工されます。

花や葉を食べるもの

春さき、地面にあらわれるフキノトウや夏の終わりから秋にかけてでるミョウガの芽は、それぞれ、フキやミョウガの花芽です。

いっぽう、かわった味があり、喜ばれています。

シュンランやサクラの花などは塩漬けしお茶に入れたりしますが、これらもにおいのよいものです。

キクの花は、酢のものなどにして、よく食べます。
またカリフラワーや、ブロッコリーは、つぼみを食べる野菜です。

葉を食べるものにはキャベツ・ハクサイ・ホウレンソウ・ネギ・チシャ・シュンギクなど、いろいろなものがあり、これらにはビタミン類がたくさんふくまれています。

ユリ根やタマネギの食べる部分は葉がかわって多肉になったものです。
ユリ根のおもな成分はでんぷんでタマネギには、ビタミンCが多くふくまれています。

茎や根を食べるもの

茎を食べるものには、その形がかわり、根のようにみえるジャガイモがあり、これは、煮たり、ふかしたりして食べるほか加工して、でんぷんをとります。

れんこんは、ハスの地下茎です。
アスパラガス・タケノコ・ウドなどは芽ばえた若い茎の部分を食べるのです。

サツマイモは、根を食べます。おもな成分はでんぷんです。

ふかしたり、煮たりして食べるほか、でんぷん・あめなどをつくり泡もりや焼酎など、アルコール飲料の原料にします。

ダイコンの根は、大根おろし・漬物・切り干しなどにしたり煮たりして食べます。

ビタミンB・Cや、ジアスターゼなどが多くふくまれています。

このほかに、根を食べるものにはカブ・ゴボウ・ニンジン・ヤマノイモなどがあります。

また、クズ根からは、くず粉というでんぷんがとれます。



シダ・キノコ・海藻など

 
ワラビやゼンマイは、シダの仲間です。これらは、若い芽の部分を食べます。

キノコには、マツタケ・シイタケ・ハツタケ・シメジ・ショウロ・マッシュルーム・(ハラタケ)など、食べられるものがたくさんあります。

キノコはカビの仲間で、その本体は、クモの巣のように細い菌糸であり花の咲く植物にたとえれば、花にあたる部分が、キノコです。

海藻は、体のやわらかい部分を食べます。

褐藻類のコンブは、ヨウ素を多くふくみ、栄養分の豊かな食品です。
同じ仲間のワカメ・ヒジキなども、食用としてよく知られています。

紅藻類のアサクサノリには、たんぱく質が多くふくまれ消化がよく、浅草のりに加工されます。
またテングサやヒラクサなどは、寒天をつくる原料として、大切なものです。

バクテリアやカビを利用した食物

納豆

これは、むしたダイズにナットウ菌というバクテリアを繁殖させてつくったものです。

ダイズのたんぱく質が分解して、ねばりとかおりがでます。消化がたいへんよい食品です。

麹(こうじ)

コウジカビは、でんぷんを糖類にかえるはたらきがあります。

蒸した米に、このコウジカビを繁殖させて麹(米麹)をつくり甘酒などをつくります。
コウジカビをコムギに繁殖させたものが、麦こうじです。

味噌と醤油

味噌は、ダイズに米麹、または、麦麹・塩・水などを加えてつくります。

醤油は、ダイズとコムギを原料とし、コウジカビを繁殖させてから塩と水をくわえ、これを発酵させてつくります。

コウボ菌は、糖類をアルコールにかえるはたらきがあります。

日本酒・ビール・ウイスキー・ぶどう酒などは、みなコウボ菌を使ってつくったものです。




食用にする植物とは?おもに種を食べるものとは?

食用にする植物

植物には、食用として大切なものが、たくさん知られています。

ふだん、私たちが、主食にしている米やパンの原料にしている小麦粉などは、イネやコムギの実を利用したものです。

ほかに、野菜や果物などとして食べるもの味噌や醤油の原料にするものなどもあります。


おもに種を食べるもの

イネ・オオムギ・コムギなど、おもに主食として私たちが利用しているイネ科植物の実を、いっぱんに穀物と呼んでいます。

また、タデ科の植物であるソバは古くからの習わしで穀物として取り扱われてきました。

これらの植物の実は、果皮がうすく種とくっついていて、種との区別がはっきりしていません。
したがって、私たちが食べている部分は、おもに種です。

このほか、クリやクルミなども、食べる部分は、種の中の子葉です。

イネ

アフリカやアジアの熱帯原産の、1年生の草です。
種にふくまれたでんぷんの性質の違いにより、うるちと、もちにわけられ、それぞれに多くの品種があります。

いまでは、品種改良によって北海道のような寒い地方でも作物として栽培できる品種が、つくりだされています。

もみがらを取り除いたイネの実が、玄米です。
玄米をついて、果皮や種皮の部分を取り除いたものが白米で取り除かれたものがぬかです。

白米にするときに、胚の大部分がとれてしまいますので白米のおもな成分はでんぷんだけになりぬかの中には、ビタミンB1などの養分が、たくさんふくまれています。

オオムギ

古くから、作物として栽培されてきた越年生の草です。

世界的には、コムギほど多く栽培されていませんがわが国では、ほぼコムギと同じくらい栽培され、実をおし麦にし麦飯として食べるほか、家畜の飼料にも使います。

その主成分は、米と同じくでんぷんです。

オオムギは、ビールの原料としても大切なものですが、これには、穂の平たいヤバネムギ(ビールムギ)とよばれる品種が使われます。

ふつうのオオムギは、実が、えいからはなれにくいのでカワムギとよばれることがあります。

これにたいして、実がえいからはなれやすいのが、ハダカムギです。

コムギ

1年生、または越年生の草です。
古くから知られており、世界中で、いちばん広く栽培されている穀物です。

実は、えいからはなれやすく、これをひいた小麦粉でパン・うどん・そうめん・中華そば・菓子などいろいろな食品をつくります。

おもな成分は、でんぷんです。



トウモロコシ

1年生の草で、南アフリカの原産と考えられています。

穂についたままの実を、焼いたり、蒸したりして食べるほか粉にひいたりコーンミールなどにして食べます。

おもな成分はでんぷんで、ほかに、たんぱく質がふくまれています。
トウモロコシは、食用とされるほか、家畜の飼料としても大切なものです。

ソバ

1年生の草でアジアの中北部の原産と考えられています。
涼しい地方に適し、長野県の高冷地や東北地方で、おもに栽培されています。

実の殻を取り除いて、そば粉をつくり、おもにそばに加工して食べます。

おもな成分はでんぷんで栄養的にはコムギよりすぐれていますが所以が悪いと言われます。

マメ類

穀物についで重要がものに、マメの仲間があります。

これらは、おもに種の子葉の部分を食べますが、なかには、エンドウやイングンマメなどのように若いさや、つまり果皮の部分をいっしょに食べるものもあります。

ダイズは、さやのまま茹でて枝まめにしたり、種をいったり、煮豆にして食べます。

また、きなこ・豆腐・納豆・味噌・醤油・大豆油などの原料としても大切なものです。
これらは、植物性のたんぱく質や脂肪など、豊かな栄養分をふくんでいます。

アズキは、赤飯に使うほか、あんをつくり菓子の原料に使われます。
エンドウは、さやエンドウにして食べたり熟した種は煮豆にし、若い種はグリーンピースとして利用します。

インゲンマメも、若いときはさやごと食べますし熟した種は煮豆にして食べるほか、菓子などの原料としても使われます。

このほか、マメの仲間にはソラマメ・ナンキンマメなどがよく知られています。




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