恒温動物の冬越しとは? 冬ごもり中の体のはたらきとは?

恒温動物の冬越し

獣や鳥のなかにも冬ごもりをするものが、いくつかいます。


ヤマネ・コウモリの冬眠

ヤマネ・コウモリは、ほかの恒温動物と違って寒くなって気温が下がると体温も下がってきます。

しかし、変温動物と違うところは気温がずっと下がっても体温はある温度まで下がると、それ以上は低くなりません。

コウモリは、岩穴の中などにたくさん集まり、翼で体を包むようにして、逆さにぶら下がったまま冬眠します。

おもしろいことに、冬眠中のコウモリに光をあてると小刻みに体をふるわせはじめ、やがて目が覚めて元気に飛び立ってしまいます。

ヤマネは、リスに似た動物で、木の洞穴や落ち葵の下で冬眠します。

体をまるめ、ボールのような形をしている冬眠中のヤマネは、ころころと転がしても、なかなか目を覚ましません。

獣ではこのほかに、マーモット・ハリネズミなどが同じように冬眠します。

クマの冬ごもり

北海道のヒグマ、本州・四国・九州のツキノワグマは秋になると、えさをたくさんとり、まるまるとふとります。体の中に、脂肪をためるのです。

そして、あたたかいところの木や土中や岩などの穴を見つけ、その中で眠って冬を越します。

この眠りは、ちょっとしたもの音にも目を覚ます程度のもので本当の冬眠とは言えません。

めすグマは、この穴の中で、2、3匹の子を生みます。
生まれたての子はネコぐらいの大きさしかありません。

冬ごもり中のクマの体温は、15度ぐらいで、ふだんの半分しかなく呼吸も活動しているときの10分の1ぐらいで1分間に3回ほどしかしません。

この体温は、子グマについて測ったものです。
親で調べる必要があるのですが、危なくて、まだ測った人がありません。

鳥の冬ごもリ

鳥の仲間は、翼をもち、冬になっても、あたたかいところや、えさのあるところに飛んでいけるので冬眠しないものと思われていました。

しかし、アメリカのプーアウィルという鳥が岩の割れ目で冬ごもりしているのがみつかりました。



冬ごもり中の体のはたらき

冬ごもり中の動物が食物をとらないのに生きていけるのは、なぜでしょう。

冬ごもりをする獣たちでは、獣のおいたに食物をたくさん食べますが、これが消化されると、どんどん脂肪分にかわって皮膚の下にたくわえられるのです。

これを皮下脂肪と言います。

冬ごもり中は、じっとしていますし体温も低く呼吸も少ないので体があまり疲れません。

それで、皮下脂肪が少しずつ秋とは逆に消化されて栄養分として体に行き渡り生きていけるのです。

そして、春が訪れて、脂肪分も少なくなると体温ももとにかえり、ふたたび元気になって、活動しはじめます。

また、昆虫やカエルなどでは獣たちの皮下脂肪のかわりに脂肪体というものがたくわえられます。




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