昆虫の行動
昆虫の仲間は、無脊椎動物のなかでは感覚器官がもっともよく発達していて複雑な行動をするものの1つです。
アリの行動
えさを獲りにでかけたアリは、正確に巣にかえることができます。
この行動は、非常に複雑なしくみによって起こるものですが、おもに臭覚と視覚を使っています。
ジガバチの学習
ジガバチが巣の中に入っているときに、巣の穴の入り口のまわりにまつかさや石ころを一つなぎの輸にしておきます。
ジガバチは巣から飛び立つとき、巣のまわりをまわって、まるくおかれたまつかさや石ころの輪を見て飛び去っていきます。
いま、ハチが飛び去ったあとに、その輪をずらして巣の外につくっておくとジガバチはその輪の中心にかえってきて、そこにはない巣を探します。
ジガバチは、まるくおかれたまつかさや石ころの輪によって自分の巣を覚えていたことになります。
巣にかえる行動は、本能が強くはたらいているといわれますが、その中には、ジガバチの例のように学習によって行動することもふくまれています。
ミツバチの行動
ミツバチの社会生活のなかで、はたらきバチは巣をつくったり花粉や蜜を集めてきたりしています。
いま、1ぴきのハチが花のありかを見つけてかえると、そのあと、数十あるいは数百匹のハチがその花のある場所に飛んでいきます。
最初に花を見つけたはたらきバチが巣に帰ったときの様子をよく観察したところ、そのハチが前ページのようなダンスをして仲間たちに巣から花までの距離や方向を知らせていることがわかりました。
ダンスの形や、尻・腹のふりかたとその速さなどによって花のある場所を正しく知らせているのです。
また、ミツバチは4つの色を見分けることができます。
私たちの感じている色で言うと黄・青~緑・青~紫と、私たちが感じることのできない紫外線です。
このことは、青緑色のときには砂糖水があり黄色のときには砂糖水がないというような方法で条件反射的に実験してわかったことです。
さらにミツバチは、少なくとも2種類の図形を区別するように訓練することができます。
上の図の、上列の図をそれぞれ区別することは難しいことですが上列の1つと、下列のどれとでも、かんたんに区別できるようになります。