地すべりが起こるわけとふせぐ方法とは? わかりやすく解説!

地すべりの起こるわけ

地すべりとは山や谷の斜面が、ひとかたまりとなって、低いほうにすべり動くことです。

山や谷の斜面では自然に、すべらせようとする力とすべらせまいとする力とがはたらいています。
すべらせようとする力のほうが強ければ、地すべりとなってすべりだし。

すべらせまいとする力のほうが強ければ地面は安定しています。

すべらせまいとする力の強さは斜面での摩擦力とねばりつく性質などによって決まります。

斜面の地下に水を通しにくい層があり、その上に水をふくみやすい土や岩石などがあるところでは、雨が降ったり雪どけ水などのために地下水が高まると、ねん土化しやすい土は、水をふくんでねばりつく力が弱められれます。

このために、すベらせようとする力のほうが強くなり斜面の土は、水を通しにくい層を台にしてすべりだします。

このような地すべりは、地下水が直接の原因となって起こることが少なくありませんが、地震などのために起こることもあります。

また、なかには、これらの原因と関係のつけにくい地すべりもあります。

地すべりの起こりやすい斜面の傾斜は、ふつう15~30度ぐらいです。
斜面が急であるほど、すべらせようとする力は強くなりますが雨水や雪どけの水はあまり急な斜面では、地下に染み込むことができず地下水とはなりません。

したがって、あまり急な斜面では、地すべりとはなりにくいわけです。


地すべりの種類と分布

日本に地すべりの多い国で、地すべり現象のない県は、むしろ少ないでしょう。
地すべり地の広さは、およそ大阪府の面積にあたります。

また、世界的にその分布を調べてみるとアルプス造山運動の激しくおこなわれた地帯に、長く起こっています。

地すべりは、地すベリねん土という特別のねん土ができる条件のある地帯に起こりますが、その起こり方を見ると大きく3つにわけることかできます。

第三紀層地すべり

火山活動の激しかった第三紀時代にできたケツ岩地帯はモンモリロナイトというねん土化しやすい鉱物をふくみ水をふくむとどろどろになって、ねばりつけ近田が弱くなりずるずるとすべり動きます。

新潟県や長野県など、裏日本の第三紀層地帯に、広く分布しています。

破砕帯地すベリ

造山運動の激しかったころ、地表をおおっている岩石が打ち砕かれ地盤のしっかりしていない地域に起こります。

日本では九州南部・四国・紀伊半島・静岡県など、地質構造線のはしっているところに分布しています。

温泉地すベり

温泉地に近いところでは、地下から出る温泉ガスのために岩石が腐って、温泉余土というねん土になりやすい岩石にかわります。

こういうところが地下水のはたらきで、地すべりを起こします。

東北地方や関東地方の新しい火山地帯・別町や霧島などの温泉地ではこのような地すべりが起こっています。



地すべりをふせぐ方法

地すべり地が、安全か危険かということを安全度というものであらわすことができます。
安全度は、すべらせようとする力で、すべらせまいとする力を割った数値でしめします。

安全度1ということは、すべらせようとする力とすべらせまいとする力とが等しいことです。

ですから安全度を1以上にすれば、すべらせまいとする力が大きくなって地すべりは起こらないことになります。

ふつう地すべりをふせぐには、地下水位をどれだけ下げたら安全度が1.5~2.0になるかを調べます。

そしてその地下水位にするために、①暗きょを掘り、水をひきだす。
②横穴やたて井戸を掘って、地下水をくみだす。

③雨水や雪どけ水が地下水に染み込まないように、地ならしをしたりコンクリートの水路をつくったりして、地表水として水を流すようにする。
などの方法があります。

このほか、川が深く掘られて斜面が急にならないように砂防ダムをつけたりくいを基岩まで打ち込み、その力で支えたりする方法があります。




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