川の堆積作用によってできた平野とは? わかりやすく解説!

平野のできかた

海面からの高さがあまり高くなく、表面のでこぼこが少ない広々とした低地を平野といいます。

平野は田や畑に利用され、交通も便利なので農業や工業・商業がさかんです。
そして、世界の人々の大部分は、平野に集まって生活しています。

このような平野は、いろいろな原因によってできます。


川の堆積作用によってできた平野

川が上流から運んできたれきや.土砂を積もらせるはたらきを川の堆積作用と言います。
川は、このようにして表面の平らな平野をつくります。

この平野を沖積平野といい、扇状地・氾濫平野・三角州平野などがあります。

扇状地のつくる平野

山地を流れる川が平地にでるとことでは、川の流れが急にゆるやかになるのでそこまで運搬されてきたれきや土砂が堆積します。

そして、谷の出口を中心に半円すい形の土地ができます。
これを扇状地と言い、平野の一部をつくっています。

扇状地で、谷口に近いもっとも上のところを扇頂と言いまわりの低い部分を扇端と言います。

扇状地は、川口にできる三角州などにくらべて、粒の粗い堆積物でできていますが扇頂に近い上流ほど粒が大きく、下流の扇端に近づくほど小さくなります。

扇状地は、このように水通しのよい堆積物でできているので扇状地上に流れてきた川は、ふつう地下にもぐってしまいます。
この地下川は、扇端で泉となって湧きだし、ふたたび地上にでます。

扇状地の中央部では地下水の湧き出す扇端にくらべてれきや砂の堆積物が厚いので、地下水は深いところを流れています。

そのうえ、地表を流れる川もないため水が得にくい、開発が遅れました。

扇状地の傾斜は三角州や氾濫平野にくらべると急ですが山地にくらべるとずっとゆるやかです。

それで土地改良やかんがいによって、中央部も畑や水田などの良地に利用しようとしています。

日本では、ほとんどの山麓地帯に扇状地が見られます。



氾濫平野

川が自由に流れると蛇行しながら両岸を削り、川幅を広げます。
大水が起こったときなど、川は運んできた土砂をそこに堆積して、平野をつくります。

このようにしてできた平野を氾濫平野と言います。
氾濫平野には三日月湖や、河岸段丘がよくみられます。

氾濫平野として広いものには、ミシシッピ川の中流から下流にかけて広がる平野やアマゾン川の平野などがあります。

日本では石狩平野・秋田平野・山形盆地・利根川ぞいの平野・和歌山平野・徳島平野などは、このようにしてできた氾濫平野です。

三角州平野

川が、運んできた土砂を川口に堆積してつくる低い平地を、三角州と言います。この三角州でできた平野が三角州平野です。

三角州平野は、粒の細かい砂やねん土でできていて水をふくんだ湿った土地になります。
日本の平野には三角州平野が多く、水田として利用されるほか都市が発達し人口がもっとも多く集まっています。

三角州は、川口に堆積される土砂によって海に向かってしだいに伸びていきます。
その速さは皮の運んでくる土砂の量や川口の海底の地形・海流・潮流・波の強さなどによって違います。

川の運搬する土砂の量が多く、海底が遠朝で海水の動きの弱いところでは三角州の伸び方が早いのです。

たとえば、イタリアのローマ付近を流れるチベル川の三角州は1年に約4メートルの割合で、海のほうへ土地を広げていますがカスピ海にそそぐデルタ川の三角州は、1年に約465メートルの割合で伸びています。

日本の例では、島根県の宍道湖にそそぐ斐伊川の三角州が1年に約20メートルほど成長しています。

また濃尾平野の木曽川下流の三角州は、300~400年のあいだに10キロも進出しています。

三角州は、川の流れと海流などによって、いろいろの形のものが見られます。




モバイルバージョンを終了