液体の膨張
液体が熱せられると、やはり膨張します。
ゆたんぽに、水を口まで入れて、ガスコンロで熱すると水が膨張して、あふれでることがあります。
また風呂を沸かすとき、上のほうの水は熱くなっているのに底のほうはまだ冷たいままですがこれは熱せられてあたたかくなった水が膨張して軽くなり、浮き上がったためです。
水銀温度計やアルコール温度計で、水銀やアルコールか上がったり下がったりして温度が測れるのも、液体の膨張を利用しているのです。
実験2
試験管に、水を半分ぐらい入れます。
試験管をまっすぐ立てて、水の表面りところをみるとくぼみができていますから、このくぼみの底のところを糸でまいて目印をしておきます。
これをガスかアルコールランプの炎にかざして静かに水をあたためます。
ときどき、水の表面のくぼみの底を見ると目印の糸よりこの底が上がっていることがわかるでしょう。
実験2
比量瓶という、液体の比重を測る50立方センチ入りの瓶があります。
これには、中が管になった細長いガラスの栓がついています。
この比重瓶に水を入れ、ガラスの内側に空気の泡がついていたら、瓶をふって泡をとります。
水は、ガラス栓の中の管の底ぐらいまで入れておきます。
この比重瓶を50℃から60℃の水の中に入れて、あたためてみましょう。
すると、ガラス栓の管の中を水が、どんどん上がっていってしまいには、口からあふれでてしまいます。
容器の膨張
試験管や比重瓶を使うと、液体が、膨張することがわかります。
しかし、ガラスの瓶に液体を入れてあたためたときガラスの瓶も膨張して少し大きな瓶になりますから膨張した液は、少し大きくなった瓶に入っているわけです。
ですから、目印をつけておいてあたためたとき目印を越えた液体の量は膨張した量全部でなく、見かけの膨張なのです。
正確に液体が膨張した量を知るには容器の膨張も知らなければなりません。
容器の膨張は、水銀を使って調べられています。
実験
直径3センチメートルぐらいの、小さなフラスコを用意します。
コルク栓に穴をあけて、中に直径1ミリメートルぐらいの管がおいている長いガラス棒をさしこみ、フラスコに水を口まで入れ、このコルク栓をさしこみます。
すると、ガラス棒の管の中に水がのぼってきますからそのいちばん上のところを糸でむすんで、目印にしておきます。
この目印を見ながら、フラスコを急にアルコールランプの炎の上にかざすと水は目印のところから少しのあいだ、すっと下がります。
火にかざしたままでいると、水は目印の上まで、どんどん上がっていってしまいます。
この実験で、はじめ水が下がったのは熱が水に伝わらないうちにガラスの容器だけが膨張したためです。
液体の膨張率
膨張して、体積が増えることを、体膨張と言います。液体の体膨張のしかたは、体膨張率であらわします。
液体の体膨張率は、液体の温度が1℃上がったときその液体の体積が0℃のときの体積の何分の1膨張するかをしめすもので小数であらわします。
くわしく調べてみると、膨張率は、温度によって少し違っています。
20℃から21℃まで熱したときと、50℃から51℃まで熱したときとでは膨張のしかたが違います。
液体は、みな温度を上げれば膨張します。
ところが、水だけは0℃から4℃までは、温度が上がると反対に体積が小さくなるという性質をもっています。
それで、水は40℃のとき、体積がもっとも小さくなります。
実験
細長い筒型の容器に水を入れ、水の表面と底の温度が測れるようにしておきます。
この容器の中央部を、寒剤かドライアイスで冷やします。
はじめのうちは、冷やされて縮んだ水が底のほうに沈んでくるので底の温度がだんだん下がってきますが、表面の温度は、ほとんどかわりません。
ところが、底の温度が4℃になると、それ以上冷やされた水はこんどは軽くなるので、底へ沈まなくなります。
それで、底の温度はほとんどかわらなくなり表面の温度がだんだん下がってきて、4℃以下になっていきます。