熱量
熱は、物を熱したり、冷やしたりす働きをするものです。
温度は、50グラムの水の温度も100グラムの水の温度も15℃なら15℃で、水の量には関係ありません。
しかし熱は50グラムの水を15℃から100℃まで熱するのと100グラムの水を同じだけ温度を上げるのとでは、必要な熱の量が違います。
コップと試験管に入れた水は、高さが同じでも、かさが違います。
水の高さにあたるものが温度で、水のかさにあたるのが熱の量と言えます。
ですから、温度が多い少ないということはありませんが熱では、多い少ないということが大切なのです。
それで熱の多さを、ただ熱と言わないで、熱量と言います。
熱量の単位
熱量を測る単位にはカロリーを使います。
1グラムの水の温度を1℃だけ上げるのに必要な熱量を1カロリーまたは1グラムカロリーといいます。
大カロリー(キログラムカロリー)
1カロリーの1000倍、つまり、1キログラムの水の温度を1℃だけ上げるのに必要な熱量を、1キログラムカロリー、または大カロリーと言います。
大カロリーに対して、ふつうのカロリーのことを、小カロリーと呼ぶこともあります。
食物のカロリーを2800カロリーと言ったりしますが、これは大カロリーを意味しています。
比熱
急にものごとに熱心になったかと思うと、またすぐに飽きて止めてしまう人のことを熱しやすく冷めやすい人と言いますが物にも、あたたまりやすいものとあたたまりにくいものとがあります。
また、同じ水とか油というものでも、同じ温度になるまで熱するのには分量が多ければ熱もたくさん必要です。
それで、いろいろな物のあたたまりやすさを比べるには同じ重さの物で、比べなければなりません。
同じ重さの物を、同じ温度になるまで熱するのに必要な然の量を比べればあたたまりやすいか、あたたまりにくいかがわかります。
それで、1グラムの物の温度を1℃高めるのに必要な熱量を、比熱と言います。
たとえば、1グラムの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量は1カロリーですから、水の比熱は1です。
実験
10円銅貨は、11枚で約50グラム、1円アルミ貨は、50まいで約50グラムあります。
これらを室内にしばらくおいて室温と同じにしておきます。
また水をビーカーに50立方センチ入れて、これも室温と同じにしておきます。つぎに、やはり50立方センチの水を40℃にしておきます。
これは、大きなビーカーに湯を入れ、水をついで40℃の水をつくります。
冷めてきたら湯をたして40℃にします。
この40℃の水を、温度を確かめてから、小さなビーカーなどに50立方センチだけ測って入れます。
はじめに室温になっている50立方センチの水に40℃の水50立方センチをくわえ、温度計で温度をはかります。
室温が22℃ぐらいのとき、この温度は、30℃ぐらいになるでしょう。
つぎに、小さなビーカーに、室温になっている10円銅貨11枚(約50グラム)を入れこれに40℃の水50立方センチをついで、すこしふりまわしてから温度計で水の温度を測ります。
するとこんどは、温度は前よりずっと高く室温が22℃ぐらいのときは、温度が38℃ぐらいになるでしょう。
つぎに、50枚のアルミ貨(約50グラム)をビーカーに入れて40℃の水50立方センチをついで、少しふりまわして、水の温度を測ります。
すると、室温が22℃ぐらいのときはアルミ貨と40℃の水50立方センチをまぜたものの温度は36℃ぐらいになるでしょう。
この実験で、だいたい室内と同じ温度の50グラムの水と銅貨とアルミ貨を40℃の水50立方センチで熱したのですが室温の水より銅貨やアルミ貨をまぜたときのほうが、ずっと高い温度になることがわかるでしょう。
また室温の水を使ったときより、銅貨やアルミ貨を使ったときのほうが40℃の水の冷め方は少ないのですから銅貨やアルミ貨は、少ない熱で温度を上げることができるということがわかります。
また、銅貨がいちばんあたたまりやすくアルミ貨は銅貨よりは少しあたたまりにくく水は、ずっとあたたまりにくいことがわかるでしょう。
熱容量
物の温度を全体として1℃上げるのに必要なカロリーを、その物の熱容量と言います。
熱容量は、その物をつくっている物質の比熱にその物のグラム数をかけた数に等しくなります。
ですから、同じ比熱の物質なら、その量が多いほど、熱容量は大きくなります。