トタンとブリキとは? わかりやすく解説!

鉄板に、ほかの金属をめっきして、うすい膜をつけ鉄板をさびにくくしたものにトタンとブリキがあります。


トタンは、鉄板の表面にうすい亜鉛の膜をはったものです。
ふつうは、鉄板を塩酸か硫酸で洗って、酸化物を取り除きこれを水で洗ってかわかし、熱して溶かした亜鉛の中に浸してつくります。

このほか、電気めっきでつくる方法もあります。
トタンは、屋根板やいろいろな器物をつくるのに用いられます。

しかし、酸や塩基には非常に弱いので、缶詰用の缶には利用できません。

ブリキは、鉄板の表面にうすいスズの膜をはったものです。
やはり、きれいにした鉄板を、熱してとかしたスズの中に浸し表面にスズの膜がついたら、引きだして、煮たたせた油の中に入れ余分なスズを流し落としてつくったものです。

ブリキはふつう、缶詰用の缶や石油缶に使われていて、トタンよりつやがあります。

トタンの場合は、鉄板のさびは、つぎのようにしてふせぐことができます。

亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きいので空気中では鉄よりもはやくさびて白色の塩基性炭酸亜鉛となりますがこのさびは、かえって内部を保護します。

また、トタン板に傷がつき、内部の鉄があらわれてその部分に水がついても亜鉛のほうがイオン化傾向が大きいためにまわりの亜鉛がおかされ、亜鉛のある間は、鉄はおかされません。

ブリキの場合は、スズのほうが、鉄よりもイオン化傾向が小さいので非常にさびにくく、そのために鉄板が保護されているのです。

ところが、ブリキに一度傷がついて、鉄があらわれると鉄のほうがイオン化傾向が大きいためスズよりも先にさびてその結果、このさびが内部にどんどん広がっていきます。



モバイルバージョンを終了