交流電動機・誘導電動機・同期電動機とは? わかりやすく解説!

交流電動機

交流電動機のおもな種類には回転磁界と、うず電流を使った誘導電動機と、回転磁界と電磁石の吸引力を使った同期があります。


誘導電動機

回転磁界の中に銅板をおけば、うず電流ができて電流と磁界との間に力がはたらくことは、まえに述べました。

もし、このとき銅板を回転しやすくしておけば銅板は回転する磁界にしたがって、ぐるぐるまわるでしょう。

これを応用したものが、誘導電動機(インダクションモーター)です。
回転磁界の中の銅板のかわりに、銅線でハツカネズミがぐるぐるまわす、かごのようなものをつくっておいてみても同じです。

かごはぐるぐるまわります。

かごの横棒には磁界の変化によってうず電流が流れ、それによってかごが回転するのです。

かごの回転がだんだん速くなり回転磁界の速さと同じになると、かごは磁界の変化を感じなくなります。
磁界の変化がなければ、うず電流は流れなくなり、回転力はなくなります。

しかし、かごの回転が遅くなってくると磁界の変化を感じることになり、また回転力が出てきます。

このようにして誘導電動機は回転磁界の速さより少し遅い速さでまわります。

回転磁界のまわる速さは交流電流の周波数(1秒間に電流の方向がかわる回数)と三相交流を流すコイルの数で決まります。

たとえば、まえの回転磁界の図からわかるように磁極をつくるコイルが3つあるときには、1ヘルツで1回転します。

このようなかご型誘導電動機は起動回転力(まわりはじめの回転力)は弱いのですがほかの電動機のように整流子などの火花のでる部分がなく鉱山などで使っても爆発の危険がありません。

また、構造がかんたんで壊れにくく家庭(冷蔵庫・井戸・扇風機など)や工場や農業用などの電動機のうちでは、もっとも広く使われています。



同期電動機

シンクロナスモーターとも言い、誘導電動機とは違って回転磁界の速さとまったく同じ速さで回転します。

磁界の中に互いに反対の磁極が向きあうように磁石をおいて外側の界磁のほうを回転させれば、NとSの吸引力によって中の磁石も回転します。

これが同期電動機の原理です。

磁針を使えば、この実験がかんたんにできます。
磁針に対して棒磁石の異なった極を近づけ棒磁石をうまくまわしてやると磁針がこれにつれてぐるぐるまわります。

まえの説明で、外側の磁石のかわりに回転磁界を使い内側に電磁石をおけばよいわけです。

回転磁界とまったく同じ速さでまわるので同期電動機は、電源の周波数が一定であれば回転数はいつも一定になるので、紡績機械や空気圧縮機・電気時計などに使われます。

同期電動機は、構造は交流発電機と同じで発電機として使っていたものを電動機として使うこともできます。




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