ジェットエンジンのしくみ
プロペラ式の飛行機では、プロペラをまわすと速い速度でうしろに流れる空気の流れができます。
この空気の流れの反動で、進行方向に、プロペラは推力を受けます。
この力が、飛行機をまえに進ませるのです。
しかし、ジェットエンジンには、進行方向に開いた口から空気を吸い入れて圧縮し、この空気の中に燃料を噴射して、燃やすしくみがあります。
そして、できた燃焼ガスを高速度で後方にふきだして、その反動で推力を起こすのです。
イギリスのホイットルは、イカが口から出す水の流れの反動で泳ぐのを見てジェットエンジンのしくみを考えついたといわれます。
ふつうのガスタービンでは燃焼ガスのエネルギーはできるだけたくさん、タービンの回転力にかえるのがよいのです。
けれども、ジェットエンジンでは、タービンの回転力は小さくて構いません。
ただ圧縮機をまわすだけでよいのです。
ガスの勢いをほとんどそのまま残し、後方に非常な速さでふきださせるのです。
その流れの反動で、大きな推力が発生し、エンジン全体を前方に押し進めます。
圧縮機は、軸流式が多く、なかには遠心式もあります。
燃料は、ガソリンと灯油をまぜたものです。
大馬力のガソリン機関のような高級ガソリンは使いませんがまだ燃料のくわれ方が多いのが欠点です。
ジェットエンジンは、ガソリン機関にくらべて、しくみがかんたんで目方もかるく、ガソリン機関では到底出せないような大推力がえられます。
そのため、音の速さに近いか、またはそれ以上の速さで飛ぶ飛行機にはなくてはならないものになっています。
また、ジェット飛行機より速力は遅いが飛ぶ距離をはるかに長くする必要のある飛行機にはプロペラをつけたジェットエンジンが用いられます。
この場合のガスタービンでは圧縮機ばかりでなくプロペラもまわすしくみになっています。
そのために、ふきだす燃焼ガスの速さは、ずっと弱くなります。
しかし、このジェツトガスの推力とプロペラの空気流の推力の合計が飛行機にはたらくことになります。
ロケットのしくみ
ジェットエンジンは、空気を取り入れて圧縮し、その中に燃料を噴射して高温・高圧のガスをつくり、これをうしろに勢いよくふきだすしくみです。
このように、空気を使って燃料を燃やすのですから空気のあるところでしか、はたらきません。
これにくらべて、ロケットは燃料を燃やす酸素のもとを、自分で持って飛ぶのです。
ですから、真空に近いうすい空気の中でもはたらきます。
このジェツトガスをつくりだす原料を、推進剤と言います。
古くから使われていたロケットの推進剤は、ごく遅く燃えるように工夫された火薬です。
いまでは、ロケット用としてよい性質をもっている火薬や薬剤が研究され実際に用いられています。
このような薬剤は、ふつう円体なのでこれを使うロケットを、固体ロケットと言います。
液体の推進剤を使うロケットが、液体口ケットです。
液体ロケットの一例をあげると図のように、エチルアルコールと液体酸素とを別々の入れ物に入れておきます。
そして、これをポンプで必要な分量だけ、連続して燃焼室にふきださせます。
ここで点火されて燃焼し、高温度で鳥圧力の燃焼ガスができます。
このガスが、ノズルから外界へものすごい速さでふきだします。
このガスの反動で、大きな推力がでるのです。
ガスのふきだす口は、やはりノズルと言います。
固体ロケットは、短い時間しか燃料がもたないので長い距離は飛べませんが、しくみがかんたんなのでよく使われます。
たとえばロケット弾や離昇補助ロケットなどに利用されます。