原爆と水爆とは?原子力の平和利用とは? わかりやすく解説!

原爆と水爆

濃縮されたウラン235を瞬間的に結合せると100万分の1秒ぐらいで、すべての原子核を分裂させることができます。

このとき、非常に大きい熱と光と放射線のエネルギーを出します。
これが、原子爆弾(原爆)です。

原爆を重水素で包んで爆発させると、その爆発の熱によって重水素が核反応を起こし、さらに大きい爆弾となります。

これが、水素爆弾(水爆)です。

原爆は、ある程度以上大きくすると、宇宙線などの中性子によって自然に爆発してしまうので、その大きさには、かぎりがあります。

これを制限質量と言い、それは約1~10キログラムぐらいだろうと考えられています。

ところが、水爆には、この制限がないのでいくらでも大きいものをつくることができます。


原子炉

原子核を分裂させると非常に少ない燃料で、多くのエネルギーをうることができます。

たとえば、ウラン1キログラ厶の核分裂によって出るエネルギーを熱量でいうと約200億カロリーになります。

これは、3000トンの石炭が燃えて出す熱量と同じです。

また、これを電気とくらべると100ワット電球を3万年つけっぱなしにできるエネルギーです。

そこで、このエネルギーを平和的に利用することが考えられました。

それには、ウランの核分裂を、ゆっくりと起こす装置をつくることです。
これが、原子炉の燃料には、天然のウランをそのまま使ったり少し濃縮したウランを使ったりします。

原子炉では中性子がさかんに発生しますがこの中性子は、物質を突き抜ける性質が強いので非常に危険です。

そこで、中性子が外へ飛び出さないように原子炉の本体を、いろいろの材料で包んであります。

原子炉では中性子がウラン238にとらえられて、ウラン239になりこれがベータ線を2回出して、プルトニウムという元素になります。

さらにこの元素も分裂する性質があります。このようにして分裂が続きます。

したがって、原子炉ではウラン235ばかりでなくその40倍もたくさんあるウラン238も燃料になります。



プラズマ

ほとんどの気体の分子が、+と-の電気にわかれている状態をプラズマと言います。
非常に高い温度の中でプラズマをつくり、重水素の核融合反応を起こさせるとたくさんのエネルギーが生じます。

このエネルギーを平和的に利用しようと、研究がすすめられています。

原子力の平和利用

原子炉をつくる目的は、2つあります。

その1つは、熱を利用して、発電所のタービンや船の動力に使うことでもう1つは中性子を利用し、人工放射性元素をつくりだすことです。

発電所や船では、原子炉でえられた高熱で蒸気をつくり、その蒸気で、タービンをまわします。

発電所のタービンは、発電機につながってしますからここで電気を起こすことができるわけです。

いっぽう、中性子の利用として原子炉でつくられた人工放射性元素は農業・工業・医学・学術研究などに応用されています。

たとえば、農業の面では、植物の種子を放射線でてらし突然変異を起こさせ、品種を改良するのに応用されています。

工業の面では、金属、たとえば歯車などの減り具合を調べたりまたダムの水もれなどを調べるのに利用されています。

医学の方では、がんの治療などに、さかんに利用されています。




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