動物の触覚とは?神経と脳のしくみとは? わかりやすく解説!

皮膚による感じ

皮膚では、ものに触れたこと、熱さ、冷たさ、痛さなどを感じます。

くわしく調べてみると、これらの感じは皮膚のどこにでも感じるのではなくて、それぞれを感じとる場所が、ほうぼうに散らばっているのがわかります。


獣や鳥の、ものが触れた感じ

皮膚の毛に何かが触れると、見ていなくても、ものが触れたことがわかります。

毛の付け根には、神経が網のようにまきついているので毛が動くと、ものが触れた感じがするのです。

また、ウマの尾の硬い毛などの先で、皮膚を押してみると触れたことを感じる点と、感じない点が見つかります。

感じたところの皮膚には、神経がたくさん入っているふくろのようなものがあるので触れたことを感じるのです。

獣や鳥の触れられた感じは、人間と同じしくみで起こります。

魚の側線

魚の体を横から見ると、えらぶたのうしろから尾びれのほうまで1本の線が通って見えます。

この線を側線と言います。

ここのうろこには小さな穴がおいていて全体として1本の線として見えるのですがこの穴の中は、1本の管になっています。

この管の壁には、毛のはえた部分がならんでいます。
まわりの水が動くと、その動きが毛に伝えられ、動きを感じとります。

また、このしくみで魚は水流の変化を感じたり、障害物を避けたりします。

昆虫の触角

昆虫では、ものに触れたことを感じとる部分が触角にたくさんあります。

触角の表面には、たくさん毛がはえていますがこれにさわると、ものに触れた感じが起こって、触角を動かしたり体を動かしたりします。

熱さ・冷たさの感じ

細い針金を冷やしておいて、ほおなどの皮膚に滑らせてみると、ところどころで冷たく感じます。

また、針金を温かくしておいて滑らせてみると、やはり、ところどころが温かく感じます。
このように、熱さ・冷たさは皮膚にある別々のつくりで感じられるのです。

多くの動物は、まわりの熱さ・冷たさを感じます。
そして、昆虫などは、これらの感じによって自分の生活に都合のよい温度のところに集まってきます。

神経と脳のしくみ

私たちや高等な動物が、いろいろなことを感じることができるのは、目・耳・舌・鼻から神経がそれぞれ脳に入っていて脳に信号を送っているからです。

また脳からは、いろいろな部分の筋肉に神経がきていて脳からでる命令を筋肉に伝え、運動を起こさせています。

脳のはたらき

脳は、神経のたくさん集まったところで頭の骨の中にあります。
大脳・小脳・延髄などの部分にわかれています。

大脳

大脳は、目・耳・舌・鼻などものを感じとる器官から神経を通しておくられた信号を受け取って、明るいとか、よい音だとか、甘いとか、臭いとかを感じるはたらきをします。

また、筋肉に運動をさせる命令を出すはたらきもあります。
ものを考えるはたらきも、大脳にあります。

イヌなどの大脳をとってしまうと目があっても物を見ることはできませんし、歩くことはできても邪魔になっている物を避けることができません。

小脳

小脳は、頭の後方、大脳のうしろ下にあります。
ここでは、体の運動を整えたり、姿勢を正しく保つはたらきをします。

小脳を取り除いたイヌやハトは、正しい姿勢を保つことができず歩くときには、いつもふらふらした格好をしています。

延髄

延髄は、脊髄とつらなっている部分で、首のつけね近くにあります。

ここでは、消化器官の運動や肺・心臓の運動を正しく整えるはたらきをします。

ですから、この部分が傷つくと、生きていることができません。



脊椎動物の脳の比較

脊椎動物の脳のつくりは、だいたい人と同じです。
しかし、脳の発達のしかたは、動物によって、いろいろと違います。

大脳のよく発達しているものほど、知能が進んでいると言われています。
大脳は、獣・鳥・カエル・魚の順でだんだん小さくなります。

獣の中でも、サルやイヌの仲間は大脳が大きく、しわもたくさんありますが、ウサギやコウモリなどでは小さくて、しわも少なくなります。

運動をつかさどる小脳は、よく飛べる鳥や、よく泳げる魚などでは大きくなっています。

脊髄のはたらき

延髄に続いて、背骨の中をつき通っている太い神経が脊髄です。
脊髄は、いっぽうでは脳と、いっぽうでは手や足などと連絡しています。

脳をとってしまったカエルの足に刺激の強い薬品などをつけるとピョンと足を上げます。

これは足の筋肉にきている神経から、脊髄に刺激が伝わり、それに対する命令が、脊髄から、またもどってくるからです。

このように脳に関係なく、脊髄からの命令で起こる運動を反射と言います。

反射運動は、体を守る大切なはたらきなのです。

エビやバックの神経

これらの動物では、腹側のまん中に2本の太い神経が頭から尾のほうにむかって、ならんで走っています。

この2本の神経は、ところどころで枝わかれした神経で互いに連絡し、はしごに似た形をしています。

2本の太い神経のところどころには、ふくらみがあり、ここから、体の各部分に細い神経を出しています。

このふくらみのいちばん前の部分が脳で頭の中にあります。

ミミズやゴカイの神経

これらの動物も、エビの場合と似ています。
やはり、2本のならんで走る太い神経があり前のほうが、ふくらんで脳になっています。

貝やイカの神経

貝やカタツムリにもかんたんなつくりの神経があります。

体の中には、太い神経でつながれた、いくつかのかたまりがあり、そこから細い神経が、ほうぼうへ出ています。

頭の中にあるかたまりが脳にあたります。

イカやタコの神経は、貝やカタツムリにくらべると、ずっとよく発達しています。

イソギンチャク・クラゲの神経

この仲間では神経が体の中に散らばり、網のめのように連絡しています。

ほかの動物に見られた太い神経や、太い神経でつながれたいくつかのかたまりはありませんので脳のような中心になる部分がないのです。




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