昆虫の育ちかたとは?完全変態とは? わかりやすく解説!

昆虫の育ちかた

昆虫では、ほかの動物と違って、チョウやガのように、さなぎの時期があるものもいますしバッタのように親にたいへんよく似た子虫が、たまごからかえるものもいます。

それで、昆虫の変態は完全変態と不完全変態とに大きくわけられます。


完全変態

カラタチやミカンの木にはよくアゲハチョウがたまごを生みにきます。
葉の裏に生みつけられたアゲハチョウの黄色いたまごからは1週間も経つと小さな虫がかえります。

この虫は、カラタチやミカンの葉を食べながら何回も脱皮をして、ついには大きな緑色のいも虫となります。

いも虫は、やがて木の枝やへいの上で細い糸で体を支え、もういちど脱皮をして奇妙な形のさなぎになります。

さなぎのあいだは、食物もとらず、じっとしていますが体の中では、大きな変化が起こりチョウの体をつくりあげているのです。

たまごが生みつけられてから、1か月めぐらいで、さなぎから美しいチョウ(親)が出てきます。

チョウになると、もう変態はしません。

私たちが、うじ・いも虫・毛虫と呼んでいる昆虫の子どものことを幼虫、チョウ・ガ・ハチなどのような親虫を成虫と言いますが、たまごから成虫になるまでに、アゲハチョウのように、たまご→幼虫→さなぎ→成虫という変態のしかたをするものを完全変態と言います。

完全変態をする昆虫はチョウ・ガ・ハチのほかに甲虫・ウスバカゲロウなどがあります。

不完全変態

バッタ・カメムシ・セミなどでは完全変態の昆虫と違って、たまごからでたばかりの子虫は、羽根がないことと形がたいへん小さいことをのぞけば親虫とよく似ています。

たとえば、たまごからかえったばかりのカマキリの子どもでも、みなさんは、ひと目でカマキリとわかるでしょう。

これらの昆虫の子虫は、何回も脱皮をして成長し体の中で羽根ができあがると、最後の脱皮をして親になります。

このように、さなぎの時代を通らないで子虫からすぐ親虫になる変態を不完全変態と言います。

また、トンボは気管という細い管で呼吸していますが子虫のヤゴはえらで呼吸しています。

しかし、トンボにもさなぎの時代がありませんからバッタやセミと同じ変態をするわけです。

これらの不完全変態をする昆虫の子虫のことを、とくに若虫と呼んで、完全変態の昆虫の幼虫と区別することがあります。

変態をしない昆虫

シミ・トビムシなどのような、羽根のない下等な昆虫では、たまごからかえったばかりの子虫でも親と同じような体つきをしています。

これらの子虫は変態せずに体がどんどん大きくなるだけで親になるのです。
これらの虫の育ちかたを、無変態と言います。



脱皮・よう化・羽化

幼虫が成長していくときに皮をぬぐことを、脱皮と言います。
また、幼虫からさなぎになることをよう化、さなぎから成虫になることを羽化と言います。

これらの昆虫の不思議な変態は昆虫の頭と胸にある内分泌腺というところからでるホルモンのはたらきによって引き起こされます。

昆虫のたまごや幼虫の保護

昆虫の仲間にも鳥と同じように、たまごや幼虫を保護するものがいます。

たとえば、沼や池に住んでいるコオイムシのめすは、おすの背中にたまごを生みつけます。

おすは、たまごがかえるまで、ずっとたまごを背負っていて魚などに、たまごを食べられないようにしています。

また、台所などを荒らしまわるゴキブリのめすは腹の先にがまぐちのようなふくろをもっていて、このふくろにたまごを入れてまもっています。

庭石や植木鉢の下などに住むハサミムシも生んだたまごを腹の下に隠しています。

さらに、モンキツノガメというカメムシの一種は、たまごやたまごからかえった幼虫を、腹の下に抱いてまもっています。




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