植物どうしの競争とは? 生物どうしの助けあいとは?

競争と助け合い

食う食われるの関係にある個体群は同じ時期に同じ場所にむすびついて生活していますが食う食われるの関係にない個体群は、いっぱんには別々の場所か同じ場所でも別々の時期に生活しています。

たとえば、同じ土地には非常にたくさんの種の種や地下茎があるのですがそれらが生長し、花を咲かせ、実をむすぶ時期は種によって、早春・春・夏・秋と季節に違いがあります。

また、森林では、こずえ・中枝・下枝・地表・地中の各部分で異なった虫・鳥・獣の個体群が生活しています。

ところで、同じ時期に生活場所が重なることがあると同じような生活をしようとして2つの個体群のあいだに競争が起こることがあります。

これは、まえに述べた同じ個体群のなかの個体と個体の競争に似ています。
また、生活のしかたが違っていて2つの個体群が助け合うこともあります。

生物どうしの競争や助けあいは、むかしからいろいろな例が知られていますが、それが生物の世界のつりあいのなかで、どんな役割りを果たしているのか、という点については、まだ充分にはわかっていません。


植物どうしの競争

植物の競争は、光や水を奪いあうしかたでおこなわれるのがふつうです。

しかし、植物のなかには化学物質を出して競争相手がはえてこないような効果を上げているものもあります。

ヨーロッパのニガヨモギやアメリカのエンケリア(キク科)は葉に、ある物質がつくられ、雨で葉があらわれるか落ちた葉が雨水に浸されると、この物質が土の中に入り多くの植物の発芽をさまたげます。

地中には、驚くほどたくさんの種の種が埋もれています。

これらの種が同時に芽を出したら、非常に密度の高い群落ができあがるはずですが、土の中の種は必ずしも全部は発芽しません。

これは、種によって発芽期が異なっていることのほかに、ある種の種や根から発芽をさまたげる化学物質を出している例があるからです。

生物どうしの助けあい

助けあいにはいろいろの種類がありますが、なかでも共生が有名です。

共生とは、2種類の違った生物がいっしょに生活して、お互いが利益を得る暮らしかたを言います。

共生をしている2種類の生物を引き離すと生きていけなくなったり、生育が悪くなったりします。

シロアリとトリコニンフ

シロアリは木材を食べますが木材のセルロースはなかなか消化しにくいものです。

ところがシロアリの腸の中にはトリコニンフという原生動物の一種が住んでいて、これがセルロースを分解してくれます。

それで、シロアリはセルロースを消化することができます。
もし、腸の中にこのトリコニンフがいなければシロアリは生きていくことができないのです。

クマノミとイソギンチャク

クマノミという魚は、敵に襲われると大きなイソギンチャクの体の中に逃げこみます。

ふつうの魚はイソギンチャクに食べられてしまいますがクマノミだけは食べられません。

海には、イソギンチャクを食べるものはありませんからイソギンチャクの中のクマノミは安全というわけです。

いっぽうのイソギンチャクは、自由に動くことができないのでクマノミがえさを口もとまでおびき寄せてくれるのは、たいへん都合がよいわけです。



カツオノエボシとエボシダイ

カツオノエボシという、青いきれいな色をしたクラゲは長い触手を水中に垂れ下げて、あたたかい地方の海に浮いています。

触手には、剌胞という強い毒を出すとげがあり海に住むいろいろな動物は、このクラゲを恐れて、あまり近よりません。

ところがエボシダイという小さな魚は数匹でかたまって、このクラゲの下に群がっていることがあります。

エボシダイは、触手にふれても毒を感じないのでこの魚にとってカツオノエボシの下は安全な場所になるわけです。

コバンイタダキとサメ

コバンイタダキは、背びれが変形して吸盤になっている魚です。

この吸盤で、サメやカジキ・クジラ・ウミガメなどの体に吸いつき、その食べものの残りを食べています。
この場合は、コバンイタダキだけがとくをしているようです。

これらのほか、動物の共生の例としてアリとアブラムシ、ヤドカリとイソギンチャク、カクレウオとフジナマコなどの共生などがよく知られています。

マメ科植物と根りゅう菌

植物では、マメ科植物と根りゅう菌、地衣類などが有名です。

マメ科植物の根には小さなこぶがたくさんついており、その中には根りゅう菌とよばれるバクテリアが、いっぱい生活しています。

根りゅう菌は、土壌中の空気の窒素をアミノ酸につくりかえるはたらきをもっています。

マメ科植物は、光合成によってつくった炭水化物の一部を根りゅう菌にあたえ、根りゅう菌は合成したアミノ酸の一部をマメ科植物にあたえています。

ふつうの植物が生活できないようなやせ地にマメ科植物が生活できるのは根りゅう菌との共生のためとされています。

マメ科植物のほかにも根とバクテリアやカビが共生している例は、数多く知られています。

地衣類

地衣類は、共生が非常に進んだ植物です。

外側のカビ類と、内側のランソウ・緑藻というように、まったく縁の遠い2種の植物から成り立っています。

この場合、カビ・類と藻類は、きりはなされては生活できず決まった組み合わせでいっしょになって、はじめて地衣類として生活が成り立っています。




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