生物が増えたり減ったりする原因とは? わかりやすく解説!

密度の影響

これまでは、食べられさえしなければ個体群は増えるかのように述べてきました。

しかし、実際には、必ずしもそうはいきません。


なにかの原因で同じ植物の種が、ある面積の地面にたくさん芽を出したとしましょう。

この植物は、じきにこみあってきます。
同じ仲間の植物ですから生活のしかたも似ています。

このため、地上では隣り合う個体の葉や枝が互いに日かげをつくりあい、光合成に必要な光を奪いあいます。
地下では、根がからみあって、水や塩類を奪いあいます。

そのうちに、枯れる個体も出てきて、はじめに発芽した個体のすべてが、花を咲かせ、ふたたび種をつけるわけにはいきません。

植物によっては、イネ科やカヤツリグサ科の植物のように枯れる個体がでないかわりに全個体の生長が貧弱になり極端な例では、1本に1粒しか種をつけないというものもあります。



いずれにしても、こみあっている個体群からは個体と個体のあいだの競争のために、種は少ししかできません。

したがって、つぎの年には高い密度が保たれなかったり、ときには密度が下がったりします。

動物の場合にも、大発生に続く数年は、たまごや子を生む能力が低くなったり、病気が広がったりして仲間の増える力が低くなることもあります。

つまり、個体群がこみあうと密度を下げるようなはたらきがあらわれてくることがあるのです。

このはたらきは、個体と個体の競争を通してあらわれる場合が多く、それは個体群の増えすぎを抑えるという面で生物の世界のつりあいを保っていくのに役立っています。

気候の影響

動物や植物が成長し、増えていくためには適当な温度・水分・光などの気候条件が必要です。

例年にない大雪や強い霜をともなった冬や長期の日でり、あるいは長雨などがあると、ふ化や成長が悪くなったり病気になったり死んだりすることが多くなって個体群が増えることは、おさえられがちです。

また、気候の影響が、この個体群を食べるほうの動物に強くあらわれ食べるほうの動物が減ってしまい、かえって食べられるほうの個体群が増えるということもあります。




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