発芽のしくみとは? 発芽に必要なものとは? わかりやすく解説!

生長のしくみ

植物の体は、ふつうたくさんの細胞からできています。
ところが細胞は、ある決まった大きさまでしか大きくなることができません。


ですから、植物が大きくなるには体をつくっている細胞の数をどんどん増やしていくのです。
このことを、細胞分裂と言い、このようにして体が大きくなることを生長と言います。

細胞を増やすことは、体のどの部分でもできるわけではありません。
ふつう、茎や根などのいちばんはしにある生長点というところや茎や幹に見られる形成層などでおこなわれます。

植物の体のどの部分が、いちばん激しく生長しているかを知るためにソラマメの根について調べてみましょう。

まず、ソラマメを、おがくずの上にまいて水をやり、根を出させます。
2センチぐらい伸びたら、根の先から1ミリごとに印をつけます。
こうして、24時間後に根の長さを測ります。

すると、はしから8ミリ以上のところは、ほとんど伸びないで、はしから3、4ミリのところが、いちばんよく伸びていることがわかります。

発芽のしくみ

地面などに落ちた種はまわりの温度や水分が芽を出すのに都合よくなるまでじっとしています。

そしてほどよい水分や温度があれば種の中の胚は胚乳や子葉の中にたくわえられた

養分を使って、生長をはじめます。

この様子をよく見るために、きれいに洗ったおがくずの上にインゲンマメやエンドウの種をまき、その上から水をかけて観察してみましょう。

5、6日経つと、幼根が下にむかって伸びはじめます。
幼根が伸びはじめてしばらくするとこんどは、種から2枚の子葉が抜け出して左右に開きやがて、子葉のあいだから本当の葉が出てきます。

これらの双子葉植物にくらべて単子葉植物のイネやトウモロコシでは、子葉は1枚しかありません。
子葉は、幼根のでたあとも、しばらくはさやに包まれています。

幼根は、しばらくすると生長を止め、そのかわりに新しいひげ根が、たくさん出てきます。



発芽に必要なもの

種を乾いたところに閉まっておくと、いつまで経っても芽を出しません。
種が芽を出すためには、まず水分が必要です。

また芽のではじめた種を水の中に浸しておくと、もうそれ以上は芽を伸ばさなくなります。
これは、水の中には酸素が少なく、種が呼吸できないためです。

水分や酸素があっても温度が低すぎたり高すぎたりすると種は芽を出しません。

芽を出すには、発芽にいちばん都合のよい温度が必要で、これを発芽の最適温度と言います。

時期はずれに種をまいても、芽を出さないのは植物の種類によって最適温度が違うためです。

このように、種が芽を出すためには、水・酸素・適温の3つが必要です。

種を地にまくと、地中の水分を吸ってふくれあがり呼吸をはじめます。
右の図のような実験からもわかるように酸素を取り入れて二酸化炭素を出したり、熱を出したりします。

種が吸う水分は、種のもとの重さにくらべてイネ・ムギでは26~36パーセント、ダイズ・エンドウなどのマメ類では83~126パーセント、トウモロコシでは44パーセントぐらいです。




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