潮汐説
地球は、地殻というからができて、はじめて地球と呼べるようになったといえます。
地球が潮汐説の説明のように太陽からわかれてできたものだとするとはじめのどろどろな火の玉の時代に、すでに地球の内部では、重い物質は沈み軽い物質は浮いて層にわかれるでしょう。
このようにして、地殻のうちのシアル層ができはじめたころにその一部が飛び出して月になり、あとの凹みが太平洋という海になったと考える人がいます。
太平洋の底の地殻にシアル層がないのを、このように説明しているのです。
また、シアル層は最初に地球上の1か所に集まっていたが地球の自転などによって散らばり、現在のような分布をしめしているという説もあります。
これが有名なウェーゲナーの大陸漂移説です。
しかし、これらの説は、両方とも力学的に証明できません。
それで最近では、つぎのような考えが広まっています。
シアル層は、はじめうすく地球全体をおおっていましたが地球の内部にできた対流のために、1か所に集められさらに、地球の内部に核ができると対流は小さくわかれシアル層も厚くなりながらわかれてきたという考えです。
潮汐説では、海の誕生をつぎのように考えています。
はじめどろどろに溶けていた地球は冷えるにしたがって水蒸気を生じます。
これが熱い雨になって、何千万年という長いあいだ降りそそぎ地表の低いところをつめて海になったというのです。
隕石説
隕石説によれば地球の中心部の化学成分も外側の化学成分と大きな違いがないはずです。
地震波の伝わりかたでわかる、外側と内部の密度やかたさの違いは同じ元素でも、非常に大きな圧力のもとでは原子の体積が小さくなる
という最近の発見によって説明ができます。
しかし、地球が冷たい隕石によってできたとすると地球の内部が、5000度もの高温になっているのが不思議に思えるかもしれません。
地球の内部がこのように高温になったのは、地球をつくっている物質にウランやトリウム・カリウム40・アクチノウランのような放射性元素がふくまれているからです。
こういう元素は、たえず放射線を出しながらほかの物質にかわっていきますが
そのときに熱を出します。
この熱が、数十億年という長い年月のあいだに地球の内部にたまったのです。
こういう経路をへて、はじめに地球をつくった隕石は溶けてしまいます。
そして、この一部はマグマになって大きなひび割れから地表に吹き出し火山活動をおこないます。
このような火山活動は、放射性物質の多かった原始地球では、とくに激しかったでしょう。
この火山活動によって、地表は、溶岩や火山灰によって厚くおおわれました。
海の誕生
地球が厚くなるにつれて、水酸化物や含水ケイ酸塩といわれる酸素や水素をふくんだ物質が、熱で分解して水蒸気を吐き出します。
この水蒸気は冷えて雨になり、へこみにたまって最初の海水になったと考えられています。
ですから、隕石説によると、海水ははじめは少なく、しだいに増えてきたのです。
山脈と大陸の誕生
このようにして海ができると、海→空→地表→海のあいだに水の循環が起こります。
そして、地表に降りそそいだ雨水は岩石が風化してできた土砂を水底に運んで水成岩をつくります。
こういう堆積物がどんどんたまる地域ではそれにつれて地盤が沈み、地下深いところで大きな圧力と熱を受けるようになります。
そしてついには、その圧力のためにしゅう曲をつくりながら上昇をはじめ山脈をつくるようになります。
そのとき、水改岩は圧力のために変成岩になったりとけてカコウ物質の岩石にかわったりして、シアル層の一部になります。
こうして地殻の厚みが増していきました。
海は、この山脈の外側にうつり、そこで、また、体積物が厚く沈殿してつぎの山脈をつくる準備をします。
このようにして、外側に山脈がつけ加わるにしたがって内側の古い山脈は削られて平らになりしゅう曲などの地変のない安定した大陸塊になります。
このようにして、陸地は時代とともにでこぼこが大きくなってきます。
いっぽう、海水もしだいに増えるため海陸の分布や地形・気候・海流の様子は、しだいに複雑になってきました。