地球の形と大きさとは?地球がまるい証拠とは?

地球の形

飛行機が世界を1周したり地球儀を見慣れている現在は地球がまるいものだということを疑う人はいません。

しかし大むかしには、地球がまるいと考えた人はほんのわずかでした。


昔の人の考えた地球の形

大むかしは交通が不便であったため人々は世界を自分たちの知っている範囲だけで考えていました。

そのころの人々は、地球がまるいということなど、考えてもみませんでした。

天も地もお盆のようなもので、まわりの山が天を支えていると考えたりまるい板のような大地が、柱で支えられていると考えたりしました。

このような時代に地球が球形であると最初に主張したのはギリシアのピタゴラスでいまから2400年ほど前のことです。

それから200年ほど経ったころ、同じギリシアのアリストテレスなどが①高いところにのぼると遠くまで見える。

②場所によって北極星の高さがかわる。
③月食のときに月の表面にうつる影がまるい。

などを挙げて、地球がまるいことの証拠にしました。

地球がまるい証拠

高さと見通し

地球上では高いところにのぼるほど遠くのほうまで見通せます。
高い山や建物や遠くのほうからでも見ることができます。

また、海岸出てていく船を見送るとき下のほうからだんだん水平線に隠れてしまい最後にマストが見えなくなります。

これらは、地球がまるいと考えると、理解できることです。

北極星の高度

星は非常に遠いところにあるので、地球に届く星の光は平行な光線と考えられます。
ですから、いつでも位置のかわらない北極星は地球が平らならばどこでも同じ高度に見えるはずです。

しかし、実際には南から北へ進むにつれて、北極星の高度はしだいに高くなります。
このときも、地球がまるいと考えると解決できます。

月食の影

月食は、太陽と月のあいだに地球が入りこんで地球の影が月にうつるため、月が欠けて見えることです。

この月食のとき、月にうつった地球の影はいつでもまるく見えます。
これも、地球がまるい証拠になります。

高空写真

非常に高いところから地球を眺めることは、なかなかできませんでした。
地球から離れたところからうつした写真を見ることができるようになりました。

この写真で見ると、地球も月と同じようにまるくなっていることがわかります。



緯度と経度

地球上の位置は、緯度と経度によってあらわします。

緯度

地球上の南北の位置を決めるものです。
緯度の基準は、地球を赤道で切ったときの面(赤道面)です。

ある場所の緯度は、その地点から地球の中心に向かった線が地球の中心で赤道面とのなす角度によってあらわします。

ですから0度は赤道、90度は極になるわけです。

赤道面の中心に角度10度に棒を立ててぐるりとひとまわりさせると緯度10度の線が引けます。

このような。同じ緯度を結んだ線を緯線と言います。
赤道より北は北緯、南は南緯であらわします。

経度

地球上の東西の位置を決めるものです。

経度の基準はイギリスのグリニッジ(旧天文台)を通る子午面(北極・南極・グリニッジ・地球の中心をふくむ面)です。

ある場所の経度は、その地点の子午面がグリニッジの子午面とのなす角度によってあらわします。

経度は、グリニッジを通る基準の子午線を0度としてそれから東まわりに180度までを東経、西まわりに180度までを西経であらわします。

180度の子午線は、東経と西経が同じになります。

子午線と子午面

地球上のある地点と、北極・南極を結ぶ線を子午線といいます。

また、子午線と地球の中心をふくむ面を子午面といいます。
子午線は同じ経度をむすんでいるので、経線ともいわれます。

地球楕円体

くわしく調べてみると地球は完全な球ではなく赤道付近がわずかにふくらんでいることがわかります。

たとえば、赤道付近と極付近で、緯度1度に対する子午線の長さを測ってみます。
地球が完全な球ならば、どちらも同じ長さになりますが実際には赤道付近で測ったほうが、やや長くなります。

これは、地球の中心から極までの距離よりも中心から赤道までの距離のほうが長いということです。

したがって、地球を北極と南極を通るようにして縦に切った形は少し上下に潰された楕円になります。

いっぽう、赤道に沿って経度1度の長さを測ってみると、どこでも同じ長さになります。
ですから、地球を赤道で横に切った切り口は円になります。

このような楕円を地球楕円体といいます。
この形は、地球の自転による遠心力のためだと考えられています。

ジオイド

実際の地球の表面は、山・谷・海などがあり、複雑な形をしています。
このような地表の形を正しくあらわすために海の応分は平均海水面とし陸地の部分は、そこに溝を掘って海水を引き入れたときの海水面として地球の形を定義したものをジオイドといいます。

ジオイドは、どんな所でも、重力の方向に垂直になっており地表の凹凸や、地下の物質の分布によって、少しながら起伏があります。

いっぱんに、大きい山脈のところでは、高くなっています。
地球楕円体は、このジオイドに最もよくあうように考えられた楕円体です。




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