新生代
中世代の終わりから、現在までの約7000万年に渡る時代を、新生代と言います。
地球の歴史の中では、いちばん新しい時代で、かなりくわしく知られています。
海陸の様子も今の状態と大分似てきますし生物も私たちになじみ深いものがあらわれています。
新生代は第三紀と第四紀に大きくわけられます。
第三紀は、さらに古第三紀と新第三紀にわけることもあります。
海陸や生物の様子が現在と似てきたのは、古第三紀になってからです。
第四紀は地球のとくに北半球を氷河が広く覆いはじめたときから、現在までを言います。
現在、私たちのまわりに見られる生物の大部分は、この氷河時代を生き抜いてきたのです。
第四紀になって人類が発展したのはこの苦しい試練に耐え抜いたところに進歩があったのだといえます。
大きな山脈の出現
太平洋をとりまく環太平洋地帯や地中海一帯から中近東・ヒマラヤ山脈を経てビルマにいたる地帯は中生代を通して堆積物が何千メートルも厚く堆積した海でした。
また、中生代の終わりごろから隆起しはじめた地域からも土砂が運ばれてほぼ古第三紀を通して厚く堆積しました。
この堆積物も、古第三紀の末にはアルプス・ヒマラヤ・ロッキー・アンデスなどの山脈といっしょに大きく隆起しました。
これらの大山脈は、気候のうえでも大きな影響をあたえています。
海からやってくる湿った空気は、この大山脈に遮られて山腹に雨を降らせ、その背後の地域には乾燥した空気を吹き込むことになります。
したがって、カラコルム・チベット・ユタ・アリゾナなどの大砂漠が発達するようになったのです。
なお、こうした地形の変化ばかりでなく生物も現在の様子にだんだん近づき、細かく分化してきました。
活発な火山活動
中生代には、火山活動はそれほど目立ちませんでした。
しかし、第三紀に入ると、火山活動がさかんになってきました。
そして、流紋岩・安山岩・玄武岩などの火山岩を、たくさん噴出しました。
また、火山の爆発によって非常に多くの火山灰・火山砂・火山れきなどを降らせました。
凝灰岩は、火山噴出物が堆積したもので厚さが数千メートルを越えるところもあります。
気候の変化
中生代に引き続いて、新生代のはじめも、温暖な気候に恵まれ北極地方にさえ温帯の植物がしげっていました。
また、熱帯の幅も広く、日本やカリフォルニアにまで、広く広がっていたようです。
しかし、時間が経つにつれて、北極のほうから気温が下がりはじめ第四紀の氷河時代を迎えるようになったのです。