海水の塩分
海水1キログラム中には約35グラムの塩分がふくまれています。
塩分の大部分をしめるのは塩化ナトリウム(食塩)で、これが海水の塩辛い原因です。
このほか、塩化マグネシウム・硫酸マグネシウムなどがふくまれています。
海水の中には塩類のほかに、有機物や非常に少しではありますが金属などもふくまれています。
金も入っていますが、取り出す費用のほうが得られた金の値段よりも高くなるために、まだ利用されていません。
塩類は、これにくらべると多いので取り出して調味料や工業原料として利用されています。
最近、海水にふくまれているウランを取り出して原子燃料に使おうとする実験が試みられています。
しかし、ふくまれている量が非常に少ないので、また実用化はされていません。
海水の温度
潜水の温度は、場所や季節によって違うだけでなく、深さによって違います。
海に降り注ぐ太陽の熱は、一部は海面で反射されますが、残りは海水中に入ります。
しかし、それも水深10メートルぐらいまでで、ほとんど吸収されてしまいます。
ところが、海面に近いところでは、上下の海水がぐるぐる入れ替わっているため
海面から200~300メートルぐらいまでの深さまでは海水の温度はわりあい高くなります。
それより深くなると水温はどんどん下がり、1000メートル以下では、2~0度になります。
海面での水温は、もちろん熱帯のほうが高く、25~28度にもなりますが両極付近では、夏でも0度前後のことが多いようです。
海水の塩分と温度の垂直分布
海面の近くの300~400メートルぐらいの深さのところまでは海水の対流が起こっています。
これを対流圏といいます。
そして、それより深いところを成層圏といいます。対流圏と成層圏の境目を躍層と言います。
塩分は、海面から200~300メートルぐらいまではだんだんその量は多くなりますが、それより深くなると減っていきます。
そして、1000メートル以下では、ほぼ一定となります。
温度は、海面から約1500メートルぐらいまではだんだん下がり、0~3度ぐらいになります。
しかし、それより深くなると、ほぼ一定であまり変化はありません。
海水の色と透明度
海水の色は海水中にふくまれているプランクトンや細かい泥などのために場所によっても違いがあります。
いっぱんに陸地に近いところよりも大洋の中心寒流よりも暖流のほうが青みがかった色をしています。
透明度も、大洋の中心部や暖流のほうが大きく、深くまで見えます。