季節
春の温かい日差し、夏の夕立、秋の涼しい風、そして、冬の長い夜。
このように、私たちのまわりの自然は地球が太陽のまわりを公転するにつれて姿をかえます。
この地球の公転や自転の様子を調べていくと季節の移り変わりについてのいろいろな問題がわかります。
季節の変わるわけ
地球は大きな球で、コマのように自転しています。
地球には、コマのような芯棒はありませんがやはり南極と北極をむすんだ線を軸にして、まわっています。
いま、地球が公転する有様を、コマの図のように考えてみましょう。
平らな机の真ん中においた電球を、太陽と考えます。
そのまわりの円は、地球の公転する軌道です。
この軌道に沿って、地球のかわりにコマが自転しながらまわっているとします。
図を見てすぐに気がつくことはこのコマがふつうのコマのように、まっすぐに立っていないことです。
地球も、このように軸を傾けながら、自転をしているのです。
コマは、電球の右側のところではこの傾きのために、上の面がよく照らされます。
このコマの上の面が夏、下の面が冬にあたるわけです。
つぎに、電球の左の方では、コマの上が影になり下の方がよく照らされています。
ここでは、コマの上の面が冬、下の面が夏になるわけです。図を見てください。
コマの形が地球の形にかわっただけで、動き方は、まったく同じです。
地球の軸は公転する面(コマの場合の平らな机)にたいして垂直ではなく、垂直より23度半傾いています。
したがって、図のように、地球の北のほうがよく太陽に照らされたり南のほうが日当たりがよくなったりするのです。
このようにして、冬と夏が起こり、その中間では、春と秋になります。
地球の赤道のあたりでは、いつも頭の真上から太陽によく照らされているので、いつも暑い夏ばかりで季節のうつりかわりはありません。
また、北半球が夏のときに南半球は冬で反対に北半球が冬のときは南半球が夏になるということも図を見ればよくわかります。
このとき、北半球は、冬至です。
図のように、南極は23度半だけ、太陽のほうに傾いています。
ですから、赤道より23度半だけ南によった南回帰線という線の上に太陽がきます。
北極から23度半南によった北極圏までのあいだには地球が自転しても、日があたらず、昼かわりません。
そして、南極から23度半北によった南極圏までのあいだの地点では、夜がありません。
昼と夜の境目(日の出・日の入り)の線は地球の自転軸にたいして傾いているので、北の地方と南の地方とでは日の出・日の入りの時刻が、それぞれ違い、昼と夜の長さが違います。
北極圏に近いところを、まえの図から考えてみると昼の部分は少しで夜の部分が多く、つまり、夜の長いことがわかります。
その年によって違いますが、冬至は12月23日ごろです。
春分
図のイを見ると、地球の軸は、公転の方向にたいしては、傾いていますが、太陽の方向にたいしては直角です。
したがって、太陽は、地球を真横から照らすようになります。
冬至のときに、南回帰線の上にきていた太陽はだんだん北にきて、春分の日には、赤道の真上にくるのです。
地球上、どこでも、昼と夜の長さが同じだということも図からわかります。
春分は3月21日ころで、日本では彼岸の中日にあたります。
夏至
冬至の半年後、6月22日ごろ、地球は135ページの図ウの位置にきます。
冬至のときと、北と南がまったく反対になり北極は23度半、太陽のほうに傾きます。
春分のとき、赤道の上回あった太陽は、ますます北によってこの日には、北回帰線の真上にまできます。
北極圏より北には夜がなく、太陽は沈みません。
そして、その近くでは、夜の部分が少なく昼の部分が多いことが図からわかります。
秋分
春分より半年経った9月23日ごろです。
春分とまったく同じように考えることができます。
太腸は夏至のときの北回帰線から南に動いてきてこの日に赤道の真上にくるのです。日本では、秋の彼岸の中日にあたります。