静電誘導の性質と特徴とは? わかりやすく解説!

静電誘導

電気振り子や紙きれに、毛皮でこすったエボナイト棒を近づけるとなぜひきよせられるのでしょうか。

振り子や紙きれには、はじめ電気をあたえてなければまえに説明したように、+と-の電気が、同じ分量だけあります。


そして、+と-が組みになっておりどの部分も平均して電気をもっていないのと同じになっています。

ところがこれに、たとえば、摩擦して+の電気をもったガラス棒を近づけると振り子の中にある+の電気は、ガラスから遠ざけられる力を受けます。

いっぽう-の電気は、ひきつけられる力を受けます。
そして+と-の組みのならびかたが、図のようになって振り子のガラス棒に近い側には-がならび、遠い側には+がならびます。

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左はしと右はし以外のところは+と-がすぐそばにならんでいてお互いに打消しあって、電気がないのと同じです。

全体として右の図の(a)のようになっています。

ガラス棒の+と振り子の-とは引き合い、振り子の+とは退け合いますが引き合うほうが距離が近いので力が強く、振り子は、ガラス棒に吸いついていきます。

コルクの振り子に摩擦して-の電気をもっているエボナイト棒を近づけたときも左の(b)図のようになって、考え方は右の(a)図のときと同じです。

振り子を、アルミ箔のような金属でつくったときも同じような現象が見られますが、理由は少し違います。

金属も、+と-を同じ量だけもった原子から成り立っています。
だから、+と-が打消しあって、電気をもっていないのと同じです。

ただ、金属には、金属の中を自由に動きまわれる自由電子というのがあります。
電子は-の電気をもっています。

なにかの原因で、自由電子のいる場所に偏りができると自由電子がたくさん集まっている場所はほかよりは、-の電気が起こったようになります。

自由電子が少なくなった場所は、-の電気があまってほかよりは、+の電気が起こったようになります。

金属の近くに+の電気をもっているガラス棒をもってくると自由電子は、引き寄せられて、ガラス棒に近い側には-の電気が集まり遠い側には+の電気が集まります。

金属の中に、このような電気の偏りができたのは金属の近くに、電気をもったガラス棒をもってきたことが原因になっています。

ガラス棒を遠ざけると、自由電子を引き付ける原因がなくなったので金属はふたたび、電気をもたないような状態にもどります。

このように、電気を持ったものを近づけるだけで他の物体に電気が起こることを、静電誘導と言います。



実験

静電誘導によって起こってくる電気の種類は近づけた電気に近い側には、反対の種類の電気が集まり遠い側には、同じ種類の電気が集まることを確かめてみましょう。

毛布でこすったエボナイト棒を電気振り子にふれます。
振り子は、エボナイト棒から退けられます。

図のように、絹糸につるしてある分銅A・Bに近づけます。
(このとき、A・Bはよくふれあっているようにしておきます)BをAから遠ざけてから、エボナイト砂を取り去ります。

分銅Bをまえの電気振り子に近づけるとエボナイト棒と同じように、振り子を退けます。
分銅Aを近づけると、振り子はAに引き付けられます。

したがって、エボナイト棒に近かったAには反対の種類の電気が起こったことがわかります。

電池の無かった昔に、電気をたくさん起こすために、この静電誘導や利用しました。
中でも、ウィムズハーストの起電機は有名です。
また、摩擦電気をたくさん集めるものに、バン=デ=グラーフの誘導起電機があります。




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