地球内部はどうなってる?地殻・マントル・核のつくリとは?

地球の内部のつくり

地球の内部はこれまで調べられたいろいろな性質から大きく3つにわけられます。

まず、地表から地下40キロくらいまでのところは
地球のからにあたる部分で、地殻(クラスト)とよばれます。

その下の深さ2900キ口までは中間層またはマントル(外とう部)といわれ
さらにそれ以下、中心までの地球の中心部は、核(コア)といわれています。


モホロビッチの不連続面

地震の波の伝わりかたを調べると地表から30~40キ口のところで地球をつくっている物質がかわっていることがわかります。

この境目は、モホロビッチが見つけたのでモホロビッチの不連続面とか、モホ面とかいわれます。

このモホロビッチの不連続面から上を地殻といいます。
地殻はアルミニウムやマグネシウムなどを多くふくんだ軽い岩石からできています。

地殻の厚さに、ふつう約40キロといわれていますが、どこでも同じというわけではなく、海底では5キロぐらいしかありません。
しかし大陸棚の部分は陸地と同じくらいの厚さがあります。

このことから大陸棚は陸地の一部と考えられるわけです。

地殻の表面の平均密度は、約2.7です。また、地殻の底の平均密度も2.8ぐらいです。

表面と底で密度の差があまりないのは地殻の40キロぐらいの厚さでは底でもあまり圧力を受けないためです。

シアルとシマ

地殻は、さらに上と下の2つにわけられます。
上のほうは、シリコン(ケイ素)とアルミニウムが多くふくまれているのでシアル型とよばれます。

この型を代表する岩石は花こう岩です。

これにたいして、下のほうは、シリコンとマグネシウムを多くふくんでいるのでシマ型と言われます。

シマ型の代表は玄武岩です。

この2つの層のうち、下にあるシマ型は地球全体をとりまいていますが上のシアル型は、ないところもあります。

たとえば海の底では、地殻全体がうすいだけでなくところによってはシアル層のない部分があります。

地殻のつり合い

地震波によって、地球の内部を調べることができなかったころ地上のさまざまな場所で重力をはかってみると高い山ほど軽い岩石からできているようだということがわかりました。

ところが地表で岩石を調べてみると、高い山地の岩石も平地の岩石も比重はそんなに違いません。

そこで、陸地とにいうのは軽い岩が重い岩の上に浮かんでできたのだという考えができました。

これはちょうど、海に浮かんでいる氷山に似ています。
氷山は、海の上に見える部分が高いほど、海の中にかくれている部分も大きいのです。

軽い岩からできている地殻を氷山、マントルを海水とすると地殻も氷山と同じように高い山の下ほど、厚くなっていると考えられます。

氷山は、氷山の重さと海の水からうける浮力とがつりあって浮かんでいます。
これと同じように、地殻の重さと浮力とがつりあっていると考える説を地殻均衡(アイソスタシー)説といいます。



マントル

地殻の下、深さ2900キロぐらいまでは、マソトルとよばれます。
マントルは、おもに、鉄やマグネシウムをたくさんふくんだカンラン岩やジャモン岩に似た岩石でできていると考えられています。

マントルをつくっている物質は地殻の場合と違って密度が急に大きくなっています。
また3000キ口ほどの厚さがあるので上からの圧力をうけ下の部分の密度はさらに大きくなっています。

マントルの上の部分の密度は約3.4ですがこの圧力のために底の部分の密度は5.7ほどになります。

マントルの下から、地球の中心までの約3500キロの部分を核といいます。
核は、さらに外核と内核とにわけられています。

外核

マントルや地殻よりも重い、鉄やニッケルのような金属が5000度ぐらいの熱でとけて、水あめのような状態になっているという説もあります。

外核が、このような液体になっているのは地震波のうちの横波が通らないことから説明できますが外核の物質については、まだ、はっきりわかっていません。

密度はマントルに近いところで9くらいですが中心へ行くにつれて増加します。

内核

地球の中心から半径約1300キロの部分を、とくに内核といいます。
ここは、いろいろな研究から、固体ではないかと考えられています。

密度は約17で、地表で測った鉄やニッケルの密度の、約2倍にあたります。




地球内部の性質とは?密度と硬さ・地球内部の温度とは?

地球内部の性質をあらわす主なものは密度・硬さ・圧力・温度です。
これらの性質と、地質や岩石の研究をもとにして、地球のつくりが考えられます。


地球内部の密度

地上で土や岩石などの密度を調べてみると1立方センチについてだいたい2.0~3.1グラムになります。

いっぽう、地球の重さと体積から地球の密度を計算すると、約5.5になります。

このことから、地球の内部には表面よりもずっと重いものがなければならないことがわかります。

地震波の伝わりかたをもとにして、地球内部の密度を計算すると地表で約3ある密度は、深くなるにつれてしだいに増えていきますが地表から2900キロほどのところで、急に増えます。

そして、中心では16.5ぐらいになります。

地球内部の硬さ

物質は外から加えられる伸び縮みやねじりの力にたいして抵抗する性質をもりています。

この性質をそれぞれ、伸び縮みにたいする硬さ、ねじりにたいする硬さといい
2つをあわせて、物質の硬さといいます。

いま、地球が同じ密度の物質でできているものと考えて地球潮汐から平均の硬さを求めてみると、ほぼ鋼鉄と同じになります。

地上の岩石よりずっと硬いことは地球内部に表面よりもずっと硬い物質があることをしめしています。

そこで、地震波の伝わりかたや地球内部の密度から地球内部の硬さを調べてみると深いところでは鋼鉄の4倍から6倍くらいになると考えられます。

さらにくわしく、伸び縮みにたいする硬さとねじりにたいする硬さをわけて考えてみます。

伸び縮みにたいする硬さは、地表からの深さにだいたい比例して増えていきます。
そして、2900キロ付近で少し減り、それから先ではふたたび深さに比例して増えていきます。

ねじりにたいする硬さも、深さとともに増していきますがその増し方が小さくなるところが途中にあります。

また2900キロ以上の深さでは、ねじりにたいする硬さはなくなってしまいます。

固体と違って、液体にはねじりにたいする硬さがないことからこの部分が液体ではないかという考えかたがでてきます。



地球内部の圧力

地震波の伝わりかたから調べた地球内部の密度は、深さにつれて大きくなっています。
これは、深くなればなるほど外側から強い圧力をうけて縮まっているためなのです。

そこで、密度の分布をもとにして、地球内部の圧力を調べてみると中心部では350万気圧にもなります。
これは、私たちが、地表で空気から受ける圧力の350万倍という大きなものです。

地球内部の温度

地球の表面では赤道や極地、四季などによって温度もたいへん違います。
しかし、地表での温度の違いは、おもに太陽のために起こるものです。

この太陽の熱は、四季の違いでせいぜい地下20~30メートルぐらいまでしか影響をあたえませんからそれより深いところの温度は、1年中ほとんど変化しません。

また、赤道と極地の温度の違いもせいぜい深さ300メートルくらいまでにしか影響しません。

それより深いところでは、同じ深さでの温度は一定しています。
現在、実際に温度を測ることができるのは、地下5キロくらいまでです。

この深さまでは、100メートル深くなることに3度くらいの割合で温度が高くなっていくことが調べられています。

もしこの割合で、地球内部の温度が高くなっていくものと考えると半径が6380キロもある地球の中心では、20万度にもなってしまいます。

しかし、地球の内部をつくっている物質のありさまや地球に落ちてくる隕石などを参考に調べてみると、こんな高い温度は考えられません。

実際、どろどろに融けている太陽の表面でも6000度くらいです。

このようなことと、地球のつくり、隕石および太陽系の星などをもとにして地球内部の温度を考えて入ると、地下2000キ口で4000度2900キロで4500~5000度、中心で6000度くらいになります。




地球内部を調べる手がかりとは? 深海ボーリング計画とは?

地球の内部は、目で見ることも、人がいって調べることもできません。
人が実際に調べることができるのは、科学の進歩した現在でも、せいぜい地下5キ口ぐらいまでです。

それより下は、ほかの方法で間接的に調べるほかないのです。

そのため、むかしは地上のありさまから内部を想像するだけでしたが、近代になって、地球物理学という学問が進歩し、地球内部を実験的に調べる手がかかりがいくつも考えだされるようになりました。

それらの方法のうち主なものは、地震・重力・隕石の構造・地球の自由振動・地球潮汐を調べることなどです。

このほか、アメリカでは「深海ボーリング計画」をはじめました。

これは海底に穴をあけて、地球の過去や成因を調べるものです。


地震を調べる

恐ろしい地震も、いっぽうでは、地球内部を調べる手がかりとして大きな役割りをもっています。

池の中に石を投げると、石が落ちたところを中心にして波がまわりに伝わるのが見られます。

地震の場合もこれと同じで、地震の起こった震源を中心にして地震波が地球のあちこちに伝わっていきます。

地震波には、縦波と横波があります。
これらの波が、物質を伝わっていく速さはその物質の硬さと密度によって決まります。

ふつう硬い物質・密度の小さい物質ほど速くなります。
同じ物質では、縦波のほうが横波よりも速く伝わります。

また、縦波はどんな物質でも伝わりますが横波は液体の中を伝わらない性質を持っています。

実際に地震が起こった場合、震源からでた地震波は同じ物質を伝わっていくと、遠いところよりも近いところに速く達します。

しかし、物質によって地震波の伝わる速さがかわりますから近いところよりも遠いところに速く伝わることもあります。

たとえば砂や土など、伝える速度の遅いものを通って近くにいく場合よりも固い岩石のような伝える速度の速いものを通って遠くへ行くほうが速いこともあるのです。

このように、地震波が各地に届く時間は、距離だけでなく通る道筋によっても違ってきます。
この違いをくわしく調べると、地球内部のつくりがわかるわけです。

重力を調べる

地球上の物質に、すべて地球の引力で下にひかれています。この力を重力といいます。

地球上の・各地で、この軍力をはかってみると、場所によって少し違っています。

この原因の一部は地球の形や運動によるものなので地球内部のつくりには関係しません。

しかし、地表に近いところに重い物質があるなど地表のつくりに関係しているものもあります。

隕石を調べる

夜、大空に見られる流れ星は、地球の外から飛びこんでくる小さな星のかけらです。
その大部分は、地球をとりまいている空気との摩擦で燃えきってしまいますが
なかには、燃え残ったものが地上に落ちてくることがあります。

これが隕石です。

星は、地球と同じような天体と考えられますからその一部の隕石の成分やその割合を調べると地球内部の手がかりが得られわけです。



地球の自由振動

地球は固い球ですが、実際には伸びたり縮んだりして振動することがわかっています。
しかしどのくらいの時間で振動をくりかえすか、その周期を測ることは最近までできませんでした。

その後、非常に長い周期の振動を測れる地震計がつくられて地球の自由振動の周期も測られました。

それによると地球は54分ぐらいで、伸び縮み振動をおこなうことがわかりました。
いっぽう、現在考えられている地球と同じような、密度や硬さの球を考えてその自由振動の周期を計算してみると、結果が一致します。

このことは、現在考えられている地球内部のつくりが本当のものに近いことをしめす証拠になります。

地球潮汐を調べる

月や太陽の引力によって、地球上で潮の干満が起こることはよく知られています。
実際には、地球もこの引力によって多少形を加えます。
このことを地球潮汐と言います。

地球潮汐の大きさは、地球の硬さと関係があります。
それで、地球潮汐の大きさを測ると地球の硬さを調べる手がかりになります。

深海ボーリング計画

アメリカでおこなわれているこの計画はおもにマントルの熱対流を確かめることです。
熱対流が起きていれば、海底山脈中の火山からはマントル内の物質がはき出されて新しい地殻がつくられます。

そして古い地殻は対流によってはしへはしへと運ばれていきます。
したがって、海底の地殻は、海の中央よりも、はしのほうが古いはずです。
そこで海底堆積物のいちばん下を探って、熱対流を裏付けようとしています。

このほか、この計画は海流の影響による堆積物の違いや生物なども調べます。




海底の地形の特徴とは? 大陸棚・海底火山とは?

海底の地形は陸上にくらべて傾斜がゆるやかで、大規模です。

これは、陸上が風雨・雪・川・氷などの浸食作用を強く受けるのにたいして海中では、その作用が弱くなるからです。

しかし、海氏にも山や谷にあたるでこぼこがあり火山の活動もおこまわれています。


大陸棚

海底は、陸地から離れるにしたがって、だんだん深くなっていきますが深さが100~200メートルくらいまでは傾斜が非常にゆるやかです。

この部分は、陸地から庭にはりだした棚のようなところなので大陸棚といいます。

大陸棚は数万年ないし数十万年前の氷河時代には、大部分陸地であったと言われます。
大陸棚の上には、この時代にできた谷や20メートルぐらいの高さの丘やくぼみが残っています。

大陸棚の面積はかなり広く、海の広さの7.3パーセントつまり、地球の全表面債の5.4パーセントをしめています。

これは現在の陸地面積の18.4パーセントほどになります。
日本の大陸棚の面積は、28.3万平方キロで陸地面積の76パーセントもあります。

大陸棚の上には、海の生物がよく育つのでよい漁場になるうえ、大陸棚の地下には鉱物資源がうずもれています。

大陸棚は、人間の生活にとって大切なところです。

大陸斜面

大陸棚の先、深さ200~3000メートルぐらいまでは大陸棚と大洋底をつなぐ部分です。
ここは大陸斜面とか陸がい(崖の意味)といわれ海底のほかの部分にくらべると、傾斜が急です。

しかし、実際には、崖と呼ばれるようなところは少なく平均の傾斜は、2度から5度です。
表面は、平らなところも、谷や丘が組み合わさった複雑なところもあります。

太平底

深さ3000~6000メートルの部分は、全体として平らな広い地域です。
これを大洋底と言い、全海洋面積の76パーセントをしめています。

この大洋底は、いままでは非常に平らだと考えられていましたが最近の研究によると、ここにも、山がたくさんあるということがわかってきました。



海溝・海淵

大陸斜面の先には、ところによって深い溝があることがあります。これが海溝です。
海溝はどこにでもあるわけではなく大部分、大洋のふちの弓形の列島沿いにあります。

海溝や大洋底には、ところどころに、とくに深いところがあります。
これを海淵と言います。

海淵には、深さ1万メートルに達するものがいくつかあります。
世界でもっとも深いものは、太平洋のマリアナ海溝にあるビチアス海淵で1万1034メートルもあります。

平頂海山

海底には山脈や山がありますが、そのなかに、富士山のような美しい形をしていて山頂が平らな山が見られます。

これは平頂海山とかギュヨーと呼ばれるものです。

平頂海山は、大むかし海の上まで頭を出していた海底火山が頂上の部分を波で削られ、その後、海中に沈んだものと考えられています。

5000~6000メートルの深海の底から3000~4000メートルもそびえています。
なかには、その頂上が海面から数百メートルの下まで近づいているものもありあます。

海底火山と島

海底でも、陸上と同じように火山活動がおこなわれます。これを海底火山といいます。

海底火山のなかには、頂上を海面の上にだして、島をつくるものもあります。これが火山島です。

ハワイ諸島や伊豆七島などは、このようにしてできた島です。

また、大洋には、サンゴ虫という下等な動物がつくるサンゴ礁があります。
サンゴ礁は、はじめ火山島などのふちにできますがその後、中心の島が沈んでしまっても、まるい輪のようになって残ることがあります。

このように、サンゴ礁のつくる島を、サンゴ島と言います。
サンゴ島は、ごく低い小さな島で、熱帯の海に多くみられます。

火山島やサンゴ島のように、大陸と関係なくできた島を洋島といいます。
これにたいして、大陸の一部が島になっているものを陸島といいます。




陸と海の分布、地表の高低の広がりはどれくらい?

地表のでこぼこ

地球の表面には、8000メートルを越す山や深さ1万メートル以上の海底などがあります。

地表は非常にでこぼこしているように考えられます。
すじゃす、地球の半径は6380キロもありますから2万メートル足らずの工程は、わずかなものになります。

たとえば地球の半径を1メートルと考えて見ると、その高低は3ミリほどにすぎません。
そのため私たちが地球を考えるときは、その表面に滑らかだと考えても差支えありません。


陸と海の分布

地球の表面には、陸と海があります。
陸と海の割合は、ほぼ3対7で、海は陸の2階半もあります。

陸地のほとんどは大陸によってしめられていますが大陸はたいてい北に広く南にせまくなっています。

そのため北半球と南半球をくらべると北半球に陸地が全面積の40パーセントちかくをしめるのにたいして南半球の陸地は20パーセントにも足りません。

また、地球をもっとも陸地の多い半分ともっとも陸地の少ない半分にわけたものを陸半球・水半球と言います。

陸半球

フランスのロワール川の川口を中心とした地球の半分が陸半球です。
この部分では陸地が面積の半分ちかくをしめています。

水半球

陸半球に反対の部分で中心はニュージーランドの南東部にあるアンチホデス島になります。

この部分では海が90パーセント以上をしめています。



地表の高低の広がり

地球の表面で、もっとも高い地点はエベレスト山で高さは海面から約8800メートルです。

また、もっとも低いところは、海底にある海溝といわれるもので、海面から1万メートルを越す深さのものももあります。

このあいだで、どのくらいの高さのところがどのくらいの面積をしめているかを調べてみます。

世界地図を見てもわかるように陸地には高さ4000メートル以上のところはそれほど広くはありませんが、海の大部分は深さ4000メートルを越えています。

これをはっきりしめしたものが上のグラフです。

このグラフを見ると、高さが約1000メートルから深さ200メートルぐらいまでのところと深さが3000~6000メートルのところの面積が広いことがわかります。

このように面積の広いところがあるといいうことは地球の表面が2つの違った性質のものからできていると考えられます。

2つの性質というのは、いうまでもなく海と陸地のことですがこのグラフは、陸の低いところが海になったのではなくて海と陸とは全く別のものだということをあらわしています。

深さ4000~6000メートルのところは海の代表としての大洋底をあらわし高さ1000メートルから深さ200メートルまでのところは陸の代表としての平野の部分をあらわしています。

深さ200メートルまでというと海底の部分になるので陸地にいれるのは不思議なようです。
しかしよく調べてみると、ここは陸地であることがわかります。

つまり、現在の海には、もともと陸地であったところが低いために海水につかったところと、地表のつくりからいってはじめから海であるところの2つがあるわけです。




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